明日に向かって捨てろ!!
〜ボーズの脱アーカイブ宣言〜

第1回 捨てる宣言




── ものを捨てていこう、という新連載です。
本日はご自宅におじゃましております。
ボーズ よろしくお願いします。
── もとはといえば、僕とボーズさんが話していると
よく、「くだらないもの持ってるよねえ」とか
「捨てらんないんだよねえ」
みたいな話になるので。
ボーズ そうそうそう。
だからもう、こういう企画を通して、
いらないものはどんどん捨てていこうと。
「オレは捨てていける男になるのさ」みたいな。
── まずは第1回ということでその心意気を。
ボーズ うん。まずね、「捨てられない」っていうのが
僕らにとって大前提じゃないですか。
── いっしょにしないでくださいよ。
僕は、「こんなもの捨てなさい」係として
ここにいるんですから。
ボーズ えええ、ほんとに?
まあ、でも、捨てられないじゃないですか。
── はい(笑)。
ボーズ でしょ(笑)? で、それって、
男らしくないなあと最近思い始めてて。
── 「男らしくない」?
ボーズ うん。こう、リュック1個で暮らせるぜ、
みたいな人っているじゃない?
── はいはいはい。
ボーズ たとえば、いま、ボクがパッと思い立って、
「オレはヨーロッパへ放浪の旅に出る!」
と決心したとしても、いまのままだと
不可能じゃないですか。
── まあ、放浪するような
キャラでもないですけどね。
ボーズ いやいやいや!
それがね、なぜキャラじゃないかっていうと、
やっぱこう、ゴチャゴチャゴチャゴチャと
ものを持ってたりするのがね──。
── ああ、こういうものをいっぱい持ってるから、
そういうキャラになっちゃうんだと。
ボーズ そうなんですよ。だからね、この機会にね、
なに? 「超整理法を駆使する人」とかに
担当になってもらってね、
「ああ、いりませんよ、こんなもの」
みたいなことを言ってもらって
ポイポイ捨ててもらおうじゃないかと。
── だから、僕がその役目なんですって。
ボーズ うっそぉ(笑)。無理でしょ。
── いやいやいや、捨てさせますよ。
ボーズ まあ、いいや。とにかく、捨てていこうと。
── あのう、捨てるわけだよね?
ほら、もの持ちの夢としてはさ、
いつかフリーマーケットで売りさばく
みたいなのってあるじゃない?
ボーズ あるあるある。
や、でもね、売れやしねえんだよ!
── (笑)
ボーズ ちょっとまえに弟がフリーマーケットとか
よくやってたんだよ。でもね、
そんなに売れるものじゃなくてさ、
定期的にやるとしても、要するに、
「フリーマーケット用のゴミが常にある」
みたいな状態になるんだよね。
── あああ、なるほど。
ボーズ いっつもそれを持ってるわけで。
で、ちょっと減ればまた増え、みたいな。
けっきょくそのゴミが
つねにキープされてる状態にしかなんないから。
だから、これをね、
誰かにちょっとずつあげるとか、
も、そんなことは考えたくもないっていうか、
もう、そんな夢はないんだよ。
── じゃあもう、捨てるぜと。
ボーズ そうそう。そう。捨てていこうっていう。
── この機会に。プレゼントとかじゃなく。
ボーズ なく。もう、捨てちゃう。
ま、捨てるところを、こう、公表してる感じで。
── それはある意味、
生きかたを変えるようなことですよね?
ボーズ そう! ちょっとした哲学ですよ。
なぜそれを取っておくのか、
なぜ捨てるのかということを、
きちんと見つめ直しながらね。
── うん。そういうの、テーマですよね。
わけても、この、保管しておいたものが
どんどんアーカイブ化されて
企業から発売されてしまうという時代。
ボーズ そう! 時代性というか、
いまこの時期だからこそ見つめ直すべき。
すでに、そういう時代に突入してるからね。
もう、つまり、アーカイブ地獄ですよ。
オレがいままでVHSのテープに
コチョコチョ録り溜めていた山田太一ドラマは、
TBSでガンガンに再放送しているんだけど、
どうなってしまうんだ、みたいな。
個人としてそれを保存しておく必要があるのか?
── ない!
ボーズ っていうのが、テーマのひとつだよね。
もう、いるならいる、いらないならいらないで、
きちんと決めていこうと。
── そんな35歳。
ボーズ そう。キミも同い歳。
── よろしくお願いします。
ボーズ よろしくお願いします。
── じゃあ、まあ、あのへんの棚から行きますか。
ボーズ よっしゃ!
(続きますよー)

2003-09-25-THU

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