── |
おひさしぶりです! |
ボーズ |
まあなんやかんやでだいぶ経ちましたよ。 |
── |
はいはい、要らないものも
だいぶ溜まったようですけれども。 |
ボーズ |
この連載のために
捨ててないものとかあるからね。
「あ、これ、連載でやってから捨てよう」
とかね。 |
── |
本末転倒じゃないですか。 |
ボーズ |
本末転倒なんですけれども。 |
── |
それじゃあ、さっそく‥‥
ええと、どこからいきましょうかね? |
ボーズ |
まずね、この半年の大きな動きとしては、
とうとう、これを買ったんですよ。
ハードディスクレコーダー! |
|
── |
遅っ! やっと買ったか! |
ボーズ |
ようやく踏ん切りました。
最新デジタル家電ですよ。 |
── |
ていうかね、
いきなり言わせてもらいますけどね、
その隣にビデオが
さんざん積んであるっていうのはどうなの? |
|
ボーズ |
だからね、それなの。 |
── |
「それなの」じゃないでしょ。 |
ボーズ |
取り込んで、
(DVDに)落として、みたいな。
だけど、落とす作業がけっこうたいへんでさ。 |
── |
じゃあなに? このへんのビデオは
まだDVDに録りきれてないやつ? |
ボーズ |
いや、録った。
録ったけど置いてあるみたいな。 |
── |
ダメじゃん、それ(笑)。 |
ボーズ |
なんかこれ、捨てるのもけっこう恐い、
なんか不安、みたいな感じで。 |
── |
じゃあほんとにものが増えただけじゃんか! |
ボーズ |
それちょっとおかしいよね? |
── |
おかしいよ。 |
ボーズ |
おかしいんだよねえ。
それがいまのいちばんの問題。 |
── |
まあ、でも、全国のご家庭で
同じような現象が起こってるんでしょうけど。 |
ボーズ |
そう。これみんなやってると思うんだけど。
着々と新アーカイブはできてるんですけどね。 |
── |
あ、このへんに
『ふぞろい(の林檎たち)』とかあって。 |
|
ボーズ |
やってますよ! 着々と!
やってるんだけども‥‥。 |
── |
元のビデオを捨ててないという。 |
ボーズ |
というパターンにおちいってるね、いま。
なんだろうね? 盤面とか印刷して、
表紙とかつくってちゃんとしたら、
元のビデオは捨てれるのかな? |
── |
いや、それ、手間と時間が
延々と増えていくだけだから。 |
ボーズ |
だよねえ。でもさあ、
やっぱりこの状態だと、
けっこうしょぼいっていうか
信用がおけない感じしない? |
|
── |
ははははは。 |
ボーズ |
なんかこの状態がさあ、
完成形とは思えないっていうか。
せっかくやったんだけど。 |
── |
でもさあ、元の手書きビデオだって、
信用おけるかっていったら
ぜんぜんしょぼいでしょ? |
ボーズ |
そうなんだけど、
手書きビデオと手書きDVD比べたら、
DVDって軽い感じがするんだよ。
「大丈夫? こいつ」って。
ビデオのほうが安定感ない? まだ。 |
── |
それってなに? |
ボーズ |
なんだろうね? |
── |
実績? |
ボーズ |
あ、実績だね。 |
── |
「5年間ずっと部屋にあって、
消えなかったぞこいつは!」っていう。 |
ボーズ |
そうね、そうね、
ずっと消えなかったし、
まだぜんぜん見れるし。
それに比べると
こいつら(DVD)はまだ‥‥。 |
── |
新参者で、いつ辞めるかわかんない
バイトみたいなもんだ。 |
ボーズ |
そうそうそうそう。
「なんかブルーレイとか言ってない?」
みたいな。
(ブルーレイ
=次世代DVD候補規格のひとつ) |
── |
はははははは。信用がおけない、と。 |
ボーズ |
そうそうそう。
このペラペラはまだ信用できない。 |
── |
何年か経つと実績ができて
平気になるのかなあ。 |
ボーズ |
なるのかねえ? |
── |
うん。「7年消えなかったし」
っていうことになれば。
でも、そうするとまあ‥‥。 |
ボーズ |
つぎの新しい装置が出るんだよ! |
── |
そうそうそう(笑)。 |
ボーズ |
じゃあ、ずっとなんかしらの
アーカイブを複数持ち続けるのか? |
── |
ていうかね、これはちょっとひどいよ。
だって、たとえば
『ガキの使い(やあらへんで!)』って、
メディアが3種類あるってことでしょ? |
ボーズ |
ん? ああ、そう。 |
── |
「そう」じゃないでしょ。 |
ボーズ |
最初にテレビを録画したビデオがあって‥‥。 |
── |
オフィシャルのビデオがあって‥‥。 |
ボーズ |
DVDがある、と。 |
── |
ていうか、ちょっとこれ写真撮っとくわ。
ほんと、ちょっとあきれるよ。 |
|
ボーズ |
ははははは、これは変だよなあ。
ハードディスクレコーダーを買って、
3つに増えました! |
── |
増えちゃダメなんだってば。
だって、中身はもう、
さんざん観てるわけでしょ? |
ボーズ |
観た観た。だから、
「中身はもう観ない!」だって(笑)。 |
── |
落語みたいなこと言っててどうする。
これ、いちばん古いのは何年の? |
ボーズ |
『ガキの使い』は放送が
はじまったときからだいたいあるから‥‥。
あ、これは「1993年」って書いてあるね。 |
── |
1993年‥‥。え! ってことはなに?
12年持ってたってこと? |
ボーズ |
え? うそ。‥‥あ、そうだ!
このビデオ、12年モノだ(笑)。 |
── |
部屋の棚の、手の届く、いい場所に‥‥。 |
ふたり |
12年(笑)! |
ボーズ |
ヤバい、ヤバい(笑)。 |
── |
すっごいなあ(笑)。 |
ボーズ |
おかしいよね、ちょっとね。 |
── |
これ、オレ、捨てようか? |
ボーズ |
あははははは、
連載の本来の趣旨に戻って。 |
── |
そうそうそう。
「けっきょく捨てないコーナー」
とか呼ばれてるしさ。 |
ボーズ |
うん。いいかもしれない(笑)。
うん、いいと思う。いいと思う。 |
── |
何度も自分に言い聞かせるように。 |
ボーズ |
いや、いい! 捨てる!
これ、持って帰って! |
── |
もう事務所でぼーんと捨てますよ。 |
ボーズ |
うん。捨ててもいいし、
みんなで観てもいいよ? |
── |
観ないって! きりがない(笑)! |
ボーズ |
ふつうにおもしろいからね(笑)。
じゃあ、これ、お願いします! |
|
── |
12年間、保存し続けたビデオ、
おあずかりしました!
事務所でポーンと捨てますよ。ほんとうに。 |
ボーズ |
お願いします。 |
※しかし、そのビデオは、現在、
まだ糸井事務所に存在しているという‥‥。
いや、なんか捨てられなくて‥‥。
〜担当者よりお知らせ〜
「そのビデオ、捨てるならください!」
というメールをたくさんいただきました。
しかしながら、
「捨てるものを、売ったりあげたりしない!」
というのは、連載をはじめるにあたり、
ボーズさんとぼくが決めた
いちばん最初の決めごとであります。
それを揺るがすわけにはいきません。
このコンテンツの根幹であります。
まことに申しわけありませんが、
このコーナーでテーマにしたものを
売ったり差し上げたりということはできません。
なにとぞご了承くださいませ。
永田 |
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