HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN
台湾のまど 青木由香の台湾一人観光局 ほぼ日支所
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地震のあとの台南のこと

2月6日、
台湾南部で大きな地震がありました。
亡くなられた方のご冥福をお祈りします。

あの時はまだ明け方で
寝込んでいて気づかない人もいました。
台北は、そんな感じで揺れたけど被害はナシ。
ご存知の通り台南がひどかった。
それも、震源の高雄よりひどかった。

自分が日本からたくさんの「無事ですか?」
というメッセージを受けたように
私も台南の友達に連絡を入れました。

「ものがたくさん落ちてきて怖かったけど
 こっちは水が止まっていくるらいで全員無事」  
との返事。


日本統治時代に昭和天皇が、
台南の成功大学に植樹した木。
枯れかけたのを台湾の保険会社がお金と技術を注いで
枯れてはいかんと復活させた、日台友好の証。

その友達とは、台南で
台南一人観光局のようなことをやっている
小五(シャオウー)。
小学校五年生じゃなく、中年のおっさんの
ニックネームです。
謝宅という古いたてものをリノベーションして
宿にしたり、
寂れた市場が観光名所になってしまったり、
人気のない路地が1年ちょっとで
ものすごい有名な通りになってしまったり
誰にも頼まれていないのにそんなことをやっている人です。

少し前に、彼と「最近どう?」
なんてやりとりをして
「デング熱で台南はお客さんが減ったんだ」
と言っていたのを思い出しました。
台湾のお正月の直前にこんな地震があって
「また台南に遊びに行く人が減っちゃうな」
と思いました。

今は、日本でもニュースで流れた
あの一番ひどく崩壊したビルの場所も
綺麗に片付いています。
局部的な被害だったので
物資も足りていると聞いています。

日本から「なんかできることあるかなぁ」と
言ってくれた友達に
「台湾に遊びに来て」と言いました。
彼女は一人で店をやってるんですが
その店を閉めて
「そうだね! 売上握りしめて行きます!」
って言って
今、こっちに来て力一杯遊んでいます。

地震の被害は、造りが悪かったビルで
崩壊したビルのそばに
しっかり立っているビルがある。
古い古い台南の歴史ある建物や
小五のリノベのお宿も全く問題がなかった。
天災というより
なんだか人災のような事件でした。

日本からも、すぐに支援の声が上がり
台湾の人たちにもそのことは
ちゃんと台湾にも伝わり話題になってます。

じゃんじゃん遊びに来てください。
それが一番みんなを元気づけられます。


元気だよ

ほれ

元気だよ
(台南の孔子廟で太極拳中のふたり)
2016-02-17-WED