ともだちの小馬のこと(1)
私には、小馬という友達がいます。
厳密には、カッコイイので友達になった
台湾の骨太女子です。
痩せているので、骨も太く見えますが
そっちじゃなくて、
やることが芯が通っている方です。
小馬は、「こうま」とは読まず、
シャオマーとお読みください。
見にくいけどこれが小馬。
solo singerの受付で。
今、台湾は近来稀に見るリノベブームですが、
私が台湾に来た頃は、「ボロなんて!」
と、古い建物がガンガン壊されていました。
小馬は、台北駅から電車で40分のところにある、
北投温泉の観光客が行くエリアから外れた
真反対の方の路地の路地で
リノベしたレトロな
デザインホテルをやっています。
宿の名前はsolo singer inn。
もと連れ込み宿を改装したプチホテルです。
小馬は、当時30歳。
美人で台湾の東大と言われる
台湾大学を卒業した才女。
連れ込み宿だけど、エロではない(多分)。
では、
もとが連れ込み宿だった理由を書きます。
旅好きの小馬は、
その国の良さが知れる宿を
自分が海外の旅で出会ったようなところを
台湾でやりたくて
やる気のなさそうな旅館を探しました。
台北市で旅館業の許可を取るのは
今はすごく大変。
大きなホテルしか取れないので、
旅館業の資格をすでに持っていて、
許可ごと借してくれるところが欲しかった。
電話帳から300件近くリストアップし
一軒一軒手紙を書きました。
自分の思いをきちんと伝えて
返事をくれたのがたった一軒。
solo singer innの前身となる宿泊施設です。
30歳の娘なんで連れ込み宿なんて「嫌だわ」
と思ったらしいんですが
周りが面白がるので見に行ったら
かなりボロボロ。
北投温泉にありながら温泉も引けてないし
国内の観光客も、
迷っても行かない、奥の奥の方。
やっぱり「嫌だわ」と悩み、
それでも他が見つからず、
唯一返事をくれた
そこにかける決断をしたのです。
電気系統、水道管など内臓器官も
ボロボロだったので
銀行から大金を借りて、時間をかけて
夢のsolo singer innを作りました。
でも、あいわらず温泉もないし、路地の中。
お金を使った後、才女は頭を使い、
まずは、自分が街と仲良くして
長く住んでいる人にたくさん昔話を聞いて
そこを大好きになり
欠点を魅力に変えて紹介しはじめました。
これが、solo singerのお部屋の一部。
solo singer innのある温泉街のはずれは
近くに活気あるすごいローカルな市場。
台北に居ながらにして
田舎だなぁと感じるくらい
地元の人がたっぷり通っています。
そこで、
台湾の市場におばちゃんたちが持って行く
ナイロンメッシュのバックに
日帰り湯セットを用意して
お客さんに風呂は外で入れと
日帰り湯を進めました。
整備された温泉街の方では楽しめない
ローカルな路地歩きをしてお湯に行くんです。
外食文化ならではの台湾。
古い街で人気の、
近所のみんなが食べている朝ごはん屋さんに
宿の朝食を用意してもらいました。
そして、その昔、日本統治時代に
芸者がのっていたバイクタクシーが
まだ数台営業しているのに目をつけて
運転手の連絡先をコレクションして
山の温泉に行くお客さんの為に手配したり。
他にも、
小馬が集めてきたが街の歴史が面白くて
わたしは、まず、台湾に住んでいる日本人に
声をかけて一棟借りをしました。
骨太な小馬の宿と北投温泉のお話、
話が長くなりそうなんで
残りは「つづく」とさせてください。
(温泉路7番に着いて
すぐとなりの左の小路に曲がります)