HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN
台湾のまど 青木由香の台湾一人観光局 ほぼ日支所
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胸がメロっとする包子。

台湾には素食がたくさんある。
素食とはスーシーと読み、ベジタリアンのこと。
台湾人は宗教的にベジをやってる人もいれば
願掛けで短期ベジをする人もいる。
そんな人のために、肉っぽい店でも
「素食可」と書いたメニューが必ずある。

ついでに健康を気遣うオシャレベジもいるので
へなちょこベジも豊富。
例えば、ベジじゃないけど肉だけ避けたい
海鮮素(ハイシェンスー)という
海鮮オッケーのベジや
卵と乳製品オッケーの
蛋奶素(ダンナイスー)など。
コース料理しか無いお店で
海鮮素とか蛋奶素と言えば、
一言で上手くあてがってくれるので
とても便利。

こんな感じに素食天国の台湾。
市場の中にも
しっかりカジュアルな素食が存在します。
美味しくて早起きしてでも並んででも
買いたいのがあるんです。
「光復市場素食包子」の野菜まん。
肉好きでも満足度の高いベジマンの店です。
包子とは、肉まんや野菜まんのように
あの蒸したフカフカに
何かが入っている時に使われる単語。
店名は、まんまのネーミングです。
端から名付ける気がなかったんだと思われます。

この「光復市場素食包子」。
その名の通り光復市場にあって、
日本の都庁に当たる台北市政府のすぐそば、
台北101のちょっと近所。
市場で空を仰ぐと
背の高い101ビルがズドンと見えるそこに、
素足に突っ掛けを履いたおばちゃんが
ウヨウヨ買い物をしている不思議な場所。


市場には場外と場内のように、建物の中と
その周りに外や店先の半外で売る市場がある。
写真は、肉などを売る場内的な市場の建物と101。
都会と田舎が入り乱れる台北の縮図が
視界にいっぺんに入り込んでくる。
それだけでも楽しいのに、
「光復市場素食包子」の野菜まんが
そろそろ蒸しあがる頃になると、
蒸しあがり時間の告知もないのに
人が湧いて出てきて行列ができる。
こういうことはよくあるんで、
そんな観察も楽しい。

どこからともなく、人が現れる。
野菜まんは、大量の湯気を吹き出しながら
一回に2種類づつ蒸し上がります。

見よ、この蒸気の量。
そして、下から水分をキャッチするいつもと違う使い方の傘。
野菜系の具は、キャベツ、たけのこ、雪菜、
インゲン、漬物入りなど。
キャベツやインゲンなんか甘みが出ていて
具沢山で、どっしり。
思い出しただけで胸がメロメロです。
台湾人の猛烈な買いっぷりにつられて
大量に買い込んだこともありますが、
冷凍して蒸し直してもおいしかったぁあぁ。
野菜だけでどうしてこんなにおいしいんだ。

見よ、この野菜の量。
半青空の店頭で
豪快に具を入れて素早く包むおばちゃんたち。
弟子になりたい。

包む様が手早くて、手早くて。
もう、本気で仲間入りしたい。
日本でこれを商売にしたら儲かりそう。
我が家からだいぶ遠い市場で
売り切れたら閉まっちゃうから
朝から行かなきゃならないけど
胸がメロっとすると飛び起きて買いに行く。

早起きしても後悔させない野菜まんです。
残念なことに出来上がった肉まんを
撮り忘れていて写真をお見せすることができません。
何度行ってもがっついて食べてしまうんです。
すみません。

光復市場素食包子
光復南路419巷95號
電話: 8780-1949
(月)休み
時間: AM6:30 ~ PM1:30.(売り切れ次第終了)
2016-05-11-WED