日本で大人気の台湾で服を作るおかっぱ先生。
前回書いたように、昔にデザインしたものが
ずーっとウケているので
ぶっちゃけ、今は何もすることがありません。
では何をしているのか?
服で稼いだお金で
自主的に台湾文化を守るイベントをしまくっているという、
偉いことをしているんです。
多分、じゃぶじゃぶお金が入ってくるんですが
みんなこっちに使っちゃっていると
私は睨んでいます。
(もちろん、服の作業場の環境向上にも充てられていますが)
イベントは、必ず先生の服で身を包んだ人が
ウジャウジャ出まくります。
もとが素朴な服なのでこれが全然嫌味じゃない。
空間からプロデュースして、
ビジュアルは一貫して
おかっぱ風の台湾版侘び寂びスタイルです。
おっぱいポロンのパリコレの服とか見ていると、
私たち一般人からすると、
あれは、もはや服じゃない。
先生は、あれより実際に使われている状態で、
服を生きた状態で
リアルなファッションショーをしています。
綺麗なモデルさんが着て歩くより
ずっとずっと面白い方法だと思います。
暇にあかして、昔、よく服を着に遊びに行っていた頃。
こんなイベントは、基金会を立ち上げていて
舞台監督、撮影映像編集、デザインと
プロのメンバーで運営しています。
会の名は「台湾土狗」。
タイワントゥーゴウと読み、
Taiwan to goとかけています。
中国語の意味は「台湾の地の犬」。
いつもアトリエの角のテーブルで
お客さんと台湾のお茶を
台湾の陶芸家の湯のみで飲みながら、
台湾の各方面の文化人と
夢の企みをしているのが先生の日課。
先生が「台湾土狗」で実現するイベントは
•お坊さんのお経イベント。
•コンテンポラリーダンサーもの。
•台湾地方にしか残っていない中国ルーツの音楽。
•台湾茶の巨大な茶会
だったりします。
先生の服を着た人たちのお茶会。
座布団まで先生のところで作ったものになったりもします。
古い建物を管理している人とか
途絶えそうな台湾の民族音楽をやっている人、
海外から台湾と絡みたい文化人が多いので
「あの場所とこの人でなんかする」と
関係ない同士をくっつけることもよくあります。
昔から、台湾人主催の茶会に行くと
台湾茶を嗜む人たちは普通にそれぞれの着方で着ていました。
場所は、新北市の蘆州にある
李宅という古蹟指定の昔の邸宅。
台湾のお金持ちが昔、自宅の庭でやったように
庭園に円卓をたくさん並べて
ライトアップした歴史的な邸宅をバックに
台湾の辦桌(バンドウ)スタイルの結婚式。
こんな感じに歴史的建物をライトアップしてくれて
舞台監督までついてやった台湾式の結婚式。
バンドのライブや伝統芸能の演目まであったので
舞台監督付き。
5メートルの竹を山から切ってきて
いっぱい立てて大きな赤い提灯をたくさんつけ
運営スタッフ、料理をお給仕する人、
みんな先生の服をつけました。
おデブで着るものがない我が夫も先生の服です。
作業着にもなって、
正式なオシャレ着にもなるから
先生の服はミラクルです。
宴会の様子。わたしの顔を見ず、外のご飯と
旦那さんの服だけみてください。
伝説の結婚式になったのは言うまでもなく、
準備中から噂を聞きつけたたくさんの人が
招待もしてないのに来ました。
知らない人も来ました。
なんとも台湾らしいのですが、
大ごとすぎて
「そう簡単には離婚できない」
という困った状態にも追いやられています。
台北市内からそんなに遠くないところに
ポツンと残る歴史的建造物、李宅。
昼間はチケット入場の場所を先生が夜借り切ってくれてやった
前代未聞のイベントとなりました。
編集までしてDVD付き本になって
みんなに見せびらかしたり、
無料で撒いたりするのですが
うちのは私たちがグダグダしていて
ブックにはなっていません。
ですが、すごいデカイ先生パワーに
飲まれてこんな特別な事ができたんだな、と
よく思い出します。
昔の金持ちの家のなか。
雨が降ったら中でやるとも言っていました。
しょっちゅうやっている先生には
頭が下がります。
他にも体の不自由な人に太鼓を練習させて
楽団を作ったり
台湾の消えかけている手作りの技術を守る為に
手編みのイグサの帽子を1000個とか
売る当てもないオーダーもします。
趣味人っぷりがよく伝わると思います。
TAIWAN TO GOのロゴとお決まり文句。
シンプルに整理された興味深い考えを
私なんかみたいなチャライ外国人にも分けてくれる。
庶民的なのに、筋が通ってるこの感じは、
服にもしっかり出ていますね。
イベントを見せびらかすためにまとめた本。
形はみんな、正方形で同じサイズ。
すごいたくさんあります。
ほぼDVD付きで、先生の気分で配られ、
映像の最後には必ずテーマソングが入ってる。
こんなお金の使い方をしたいですよね。
私はそう思います。
最後に告知。
我がお店では、先生の服にひどくよく合う
sunuiの展示販売をします。
ほぼ日でもおなじみのsunuiが
台湾で見つけた材料で11月12、13日と
ライブ制作をしてくれます。
イベントページはこちらです。
その後も作品の販売は22日まであるので
ぜひぜひお越しください!
入場料大人100元 子供60元
(02)2225-3839
日休 9:00〜18:00