HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN
台湾のまど 青木由香の台湾一人観光局 ほぼ日支所
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マンゴーのあとのフルーツ。

台湾は、ちょっと前に中秋節が終了。
「マンゴー、終わっちゃったじゃない。」
と地団駄踏むことなかれ。
この時期にも美味しい台湾フルーツが食べられます。

中秋節にはお月見絡みで、
月餅や柚子(ヨゥヅ)と呼ばれる
巨大な丸い柑橘モノを送り合います。
(日本の文旦に当たるものと、洋ナシみたいな形のもの)
月餅は頂いたら急いで食べ、
柚子の方は、しばらく放置します。
子供の頭くらいあるこの柚子。
一ヶ月くらい置くととっても甘くなるんです。

今年は、大きいまん丸のやつより高級ものと言われる
貴重な古い柚子の木の柚子一個頂戴しました。


もらった段階で結構シヨシヨ。おばあちゃん的なシミもできています。
大きい丸い一般的なやつは1斤(600g)60元とかで売ってました。

十分甘くしてから食べようと
いただいた段階で、半生ミイラだったものを
さらに表面カリッカリッにまで放置すると、
本当に美味しかった。


切った感じ。すごいジューシーって見た目じゃない。
だけど、他にはない美味しさ。うんまいんだコレが。

品がいい甘さと香り。
房の中の粒も、大きい丸いやつより存在感が薄くて
グレープフルーツのように苦味もなし。
見た目に反した中身の華麗な潤い!
ああ。人もこうでありたい。
老いていく私にも希望の光が差し込みます。

この季節は、他にもシヨレ仲間がいます。
パッションフルーツ。


ヨレってない買いたて。
スーパーじゃなく、市場かフルーツ屋さんで買います。
そして、比較して重いのを選びます。
店の人に、甘いよね?
って聞くと、笑顔で愛想のいい売り手は、ほぼ嘘つきません。

百香果(バイシャングォー)と言って
綺麗なハリのある丸より、シミやシワや凹みが出てきたら
甘みが増すのです。


『乾燥待ち不要』と店の人が言うので切ってみたら!
オーイーシーデスーウー!
待てば、当然もっと美味しい。
フルーツにもエイジングの楽しみ。

市場で重めのものを選んでシヨレ待ちすること二週間。
この、ほどよい酸味の、香り高い美味しいジュースを
ボコボコのベコベコの実を開けて、
見つけたあなたは誰ですか〜。

他にも火の玉みたいな
ドラゴンフルーツ(紅龍果:ホウロングォー)、
仏のパンチパーマみたいな
釈迦頭(釋迦:シージャー)、
ミカンも美味しいです。


甘みは少ないフルーツ。
果肉が赤いタイプと白いタイプがあり、
赤の方が甘みが強めで、当たると美味しい。
上記の要領でフルーツやか市場で「甘いよね?」って聞いて買うといい。

果肉が赤いタイプ。この大き目ので90元。
たくさん食べるとウンチがパッションな色になる。

本当の季節は、もうそろそろ終わりかもしれない。
でも、なんだかずっと売っている。特に台東では一年中ある。
しかも、いろんな種類の釋迦がある。
ビニールハウスもなさそうで、この点がナゾなフルーツ 。

「ちっ!マンゴー終わっちまったじゃないか」
の時期に台湾に来たら、シワシワブラザーズと
他のフルーツもお試しあれ。

2017-10-25-WED