8月9日の「今日のダーリン」より

「誰かひとりの人間」がいる、ということは、
たいへんに大きなことだと思うのです。
もちろん、「誰かひとりの人間」が、
何から何までやれるはずはないわけです。
歴史上の人物などの場合は、
複数のおおぜいの人がやったことが、
「誰かひとりの人間」がやったように
記録されたりもしているようです。

でも、「誰かひとりの人間」がいたからこそ、
「おおぜい」が動き続けられたり、
いろいろの「偶然」が、助けの手を差しのべたりも、
してくれるんですよね。
よく知らないのに例に出すのも図々しいけれど、
フランシスコ・ザビエルなんて人にしたって、
南国で会ったたったひとりの日本人を通訳に、
日本への宣教を開始しはじめたわけでしょう。
いろんな興味深いものごとの中心には、
そのことをずっと育て続けている
「誰かひとりの人間」がいるものです。
「誰がいたっちゅうことじゃないけど、うまくいった」
というようなことは、あんまりありませんねぇ。

いま、田家秀樹さんが書いた
『みんなCM音楽を歌っていた』
という本を読んでるのですが、これは、
「ほぼ日」にも登場してもらっている
大森昭男さんというプロデューサーのストーリーです。
大森さんの40年の歴史は、そのまま、
日本のポップスの歴史にリンクしています。
あなたのリスペクトするあの音楽家も、
きっとこの本のどこかで、
大森さんと出会ってる場面があるんじゃないかな。
そんな、「誰かひとりの人間」なんですよね。
いま、「ほぼ日」で、この本の「立ち読みコンテンツ」を
準備中なのですが、お急ぎの方は、
もう、すぐに買っちゃってください。
おそらく、「へーえ!」を連発することでしょう。
ついでに、「糸井重里」も何度か登場しています。