ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

34.少し長めですが、転送メールのこだま。

たまに、よくよく選んで、何通かのメールを、
ぼくはガンジーさんに転送します。
ガンジーさんが、「返事を書かなくちゃ」とか、
気持がせわしなくなっちゃったら困るので、
「おたのしみください」ってな感じで送るんです。
知り合いや家族が癌だという方のメールも、
たくさんいただくのだけれど、
「癌であること」を核にしたソサエティを、
ガンジーさんがつくりたいとも思えないので、
病気関係のものは、ほんとにたまに、にしています。

でも、画期的な一通が届いたので、
思いきって転送しました。


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■まずは、イトイ→ガンジーさん
「メールを転送します」という内容の添え書き。


今日もこんにちは。
糸井重里です。
病院関係のメールは、あんまり避けていたのですが、
こういうのなら、いいかなぁと思って。
『狙うぞ出産!』ってのは、すごいなぁと思いました。
こういう人、どこかで黙ってこう思っていた
だけなんだけれど、
この言葉が、ぼくらの耳に入ってくるのが、
いまってやつなんですねぇ。

今日、ぼくは、スポニチの占いによれば、
最盛運らしいのですが、いつもとおなじようなアホどもと、
いつもと同じように暮らしているので、
どういうふうに最大の運気が使えるのが不明のまま
一日が終わってしまいそうです。
損したような、そうでもないような・・・。

・・・・・以下転送したメール・・・・・・・・・・・・・

1日に病院から退院して
初めて妹オススメの”ほぼ日”なるこのサイトを拝見した。
妹は金魚がおすすめだと言った。
私とおんなじ病気のガンジーさんのことが
載っていることは、妹や知ってか知らずか。
まあいい、とにかく見ちゃった、ガンジーさん!

<医者の発言について>
医者は人の体だと思うと無責任だ。私がされた発言。
”おっぱいはとっても死にません。が、
肺・肝臓は命に関わる。”
”あなたぐらいでも
4年5年と長生きされている人もいっぱいいます。
ま、その人達はラッキーはラッキーなんだけどね。”
いとも簡単にあっけらかんと。
一応、31歳、腐りかけでも花も実もある独身。
フーンとしかそん時は思わなかった。
あとでよーく考えて”あぇ?”。
しかし、救いはガンジーさんのヤブとはちがい
明るくサラッと言われたこと。
なかなかユーモアのあるヤツで結構信頼している。
意見を戦わせる余裕も敵は持っている。
私は今密かに野望を抱いている。
”とにかく結婚、妊娠、出産するのだ。”
まーこんな状態でそんな相手がとは思うが、狙うぞ出産!!
そして医者を驚かすのだ。

<頑張れ!について>

私は”頑張れ!”といわれると
”頑張らない、てきとーにする。”と
反撃することにしている。
人からいわれるのはやっぱりイヤ。
でもさきの野望を秘めてからは、
自分の中で”頑張るぞー”と
闘志をさりげなく燃やしている。ワガママ勝手なヤツ。


<最近お気に入りコトバ>

”人間誰でもアノ世行き”
軽くとも真実を述べているこの言葉が
最近お気に入り。
自分だけなんでこんなことに?とは思わなーい。

”燦然たる未来は約束されないが
確固とした今日一日がある。”
これはばあちゃんの自作俳句もどき集を
こそっと見たとき、好きな言葉として
「老人心得」なるとこから引用でのってた。
これも気に入った。

<ガンジーさん!>

抗がん剤ってつらい。
私は処置室という点滴を打つ部屋に入るだけで
もうムカついてくる。
毛も抜けるし(眉毛も睫毛も、大事なとこも!
スキンヘッド夏は正直言って楽。
でも蚊に刺されるのがねぇ。)
生理もなくなる。
そして何よりムカつき、食欲がなくなりやせる。
そんなつらい中でガンジーさんの明るさ、
面白さがスゴイ!たまらん!
医者とのやりとりは大声で笑ってしまった。
ガンジーさん!とにかくながーく、
ながく連載が続くことを、健闘を祈る!!
これからも頼むよ!

・・・・・転送したのは以上でした・・・・・・・・・・・

さて、次はそれを読んだガンジーさんからの感想だ。


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こんな人もいるんですねぇ
糸井さんの 私へのはじめての質問
”ホントなんでしょうか?” です。

私の場合 65歳という年齢。
しかし この人は まだうらわかく独身。
おそれいる 明るさです イムジンさん
といいこの人といい世間はひろい。

これほどの激励はありません。
有り難うございました。

これも
糸井さんが私のメールを取り上げてくれ
「ほぼ日」に連載がはじまったからでしょう。

あらためて あなたの鋭い嗅覚に感服する
とともにその凄さにおどろいてます。

まさに 波紋ですね。
次から次へと 今までなにげなく
”チラ読み”していたおおぜいの人たちが
キーを打ち始める
参加する。
そら恐ろしくすら感じますね。
あなたの投げた小石のゆくすえが。

生きがいとか 第2の人生とかいってますが
みんなツバメの子のように
口をあいて待ってるだけです。

こころから喝采をおくらせていただきます。  

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それに対して、さらにまた、ぼくは返事を出した。

(前略)
ほんとに、ほんとなんでしょうか?でしょ。
世の中、捨てたもんじゃないですよねぇ。
病気の話題なんだけれど、
しょっちゅう「うれしい」という言葉が、
やりとりされていますね、みんなの間で。

つらいでも苦しいでも痛いでも、
フーテンの寅さんではりませんが、
『早い話が、オレが芋を食って、おまえが屁をするか?』
でありまして、おなじに味わえるはずがないんですよね。
だけど、「じぶんの芋で、じぶんの屁」は出る。
いい匂いの屁を、ひっかけあうってのが、
人間としての礼儀でありましょうか。
   

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・・・なんか、書き方が、
親戚新聞風になってきていますね。
こりゃ、屁の匂いがうつったか?

では、また明日。

と、やっとレシーブするだけだった。

(つづく)

2000-09-27-WED

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