ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

240.便利とわがまま。

今日の『the親戚新聞』も、
ある種の、文明批評シリーズだよ。
学者や研究者でなくても、
世の中の流れをじっと見ているだけで、
さまざまな変化や人の心理の動きがわかったりするわけで。

流れに逆らうでもなく、横目で観察しているような
ガンジーさんの目が、
いろんなことを教えてくれる。

___________________________

「人はさらに欲張りになる」

踏み切りで、チンチン鳴りはじめると急ぎたくなるよね。
それほどみんな待つのが厭なんだな。 
国が狭いから日本人はセッカチ、という人もいるけど
大都会の傾向だろう。
まわりが慌ただしいからリズムに乗っちゃうんだね。

この逆をいけば、慌てずゆっくりストレスとも縁がなく
スムーズに事が運ぶんだけどねぇ。
ストレスってストップレスのことかな? 
立ち止まっていられないあせりが続くことかも。
駆け込み乗車は危険だとわかってるのに
わずか2分が待てない。
かっこみご飯が胃に悪いと知ってても
永谷園のお茶漬けばかり食ってる。
それに都会で仕事してると2分が長いもんねぇ。
2分で浮気できる!と豪語していた人がいた。
ムカシこういう御仁は花柳界でもてたんだぜ。
それも昭和33年3月31日までだった。
鳥越さん、寂しい?神戸の福原なんか...

タスデ美が親戚の家に行くと寒いという。 
いつもウチではコチョコチョと動き回っているんで
寒いとおもわない。
でもよその家ではジッと坐ってるしかないから寒いんだね。
ウチにいる時は女王さまだもんなぁ、
猫どもを従えて天上天下唯我独尊って感じだよ。
時には素っ裸で家の中を闊歩してる。 
ガンジー、一体何処を見てりゃいいんだ!
ガンジーと2匹の犬はおろおろしながら
女王のご機嫌を伺ってる日々であります。

このように自分が思ったように動けないと
イライラしてしまう。
自分勝手な人だけじゃない、
都会人になったとたんに変わってしまう。
のんびりと田舎で暮らしてたら
ストレスなんてないんだろうか?
ノン・ビリってどん尻じゃないってことかな? 
運動会の花形なんだね。
経済的裏付けがあればみんなそうしたいかも。 
とくに子育てにはね。

8年ぐらい前、乳児ランドへ行った時、
あ、ニュー.ジーランドだっけ、
前の首都で、人口の一番多いオークランドから
列車に乗ろうと駅に行ったら、
ナント「本日休業」。 
ツァーでなけりゃ乗れないみたいだった。
一人旅はこんな時困る。 
バスで南下したがこのバスも乗客が二人だけ、
その太ったマオリ族のおばさんも間もなく降りてしまった。

大きなバスの中で運転手と二人だけ、
外人にはホモが多いと聞いてるんで
恐ろしかった、心細かった。 
マオリおばさんちに連れってもらうんだった。
貞操帯を持参しなかったことが悔やまれた。 
おまけに停留所の間隔が長いんだ。

誰でも自分の時計で生活したい、動きたいときに動きたい。
東京オリムピック以前、
日本にはモータリゼーションはあるまい、と
偉そうな人は言ってた。
一体全体どこを見てたんだろうと思う。 
みんな乗合バスじゃ厭なんだぜ。
鉄道もバスも人気がなくなった。 
路面電車は復活するかもしれないが、それだって
降りたい所で降りられるモノが生まれるだろう。
屋根付きのエスカレーターみたいなやつが。

生活が便利になれば、もっともっとよぅ!って
ワガママになる。
要求に応えてやらねば不倫に繋がりかねない。 
“えっ! 何のお話し?私、わかんない?” 
何言ってやがるしらばっくれるな! 

___________________________

また、名言が生まれたなぁ。
『みんな乗合バスじゃ厭なんだぜ』
そうなんだよなぁ。
乗合バスも便利なんだけれど、
「みんな」じゃない動きをしたい人が増えていくんだよね。
ひとりひとりの自由を、これまた「みんな」が欲しくなる。
これ、我慢しろと精神主義的に言ってもダメなんだよね。
そういうことが、わっかるかなぁ?

(つづく)

2001-04-22-SUN

BACK
戻る