ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

245.お出かけ人。

“お出かけ人”というのは、ガンジーさんの造語だと思う。
じっとしていられなくて、
いつでも好奇心のままに、外と触れ合っている人。

バイクという足があったときには、
きっと行動半径が200キロくらだったんだろうな。
こういう面積を自分の庭のようにして、
走り回っていたんだね、きっと。

バイク仲間がすれちがうときに送るピースサインは、
思わず顔がほころんじゃうものだよね。

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「雀100まで、お出かけ人」 

バイクで山野を駆け巡る、知らない村を訪ねる、
バイクでなきゃ味わえない素晴らしさがそこにある。 
程よく疲れた時に出会う未知の人、
それがまた疲れを癒してくれるんだ。 
こんな時はお喋り婆さんがいい。
半径5キロの人生経験しかないかもしれない
そのお婆さんとの会話が嬉しい。 
外国を知らなくても都会の生活を知らなくても
楽しそうなお年寄りだ。
デンと腰を据えた大木みたいに見える人だ。

ホンモノの大木にも会うことがある。 
「お前はあっちゃこっちゃ走り回って
それで楽しいかもしれないが
わたしゃここで何百年も世間を見てきたんだよ」 
そう言ってる樹齢の凄そうな大きな木。
そうかもしれない、便利な世の中になって
世界を旅することが出来、
その結果身近な喜びを見落としてるかも。
諸君!これからはミクロとマクロの
両方を楽しんじゃおうぜ。
海外旅行もじっくり腰を落ち着けて滞在しよう。 
素晴らしい発見があるぜ。

子どもとの他愛ないやり取りも楽しい。
「君、お姉さんいる?」なんてキャンデーあげたりして。
無邪気に戻れることで
新たなエネルギーが蓄えられる気がする。
すれ違うライダーが釣り竿を積んでることもある。
ピースサインの交換だ。
道端でカンコーヒーを飲んでるライダーは
側にゴミ用のビニール袋を持参している。
一人旅の好きなライダーは、いいヤツばかりだ。
ね、下老さん?

車で、気の合った仲間とワイワイ出かける旅もいいが、
ガンジーはバイクの一人旅を好む。 
いつもの風と違う風が迎えてくれるから。
ガンジーの親友風が、「こっちだ、こっちだ!」
って誘ってくれる。
そしてパンクしちゃったり。
でも風を恨まない、いたずらっ子の彼が大好きだからね。 
”ったくもぅ!”って
ぶつぶついいながらタイヤボンドで修理、
それでも心は笑ってる。 
朝、出発した時はいい天気だったのに
突然の雨、日光周辺はいつもそうだ。
日光浴なんかしてられない。
それでも、その雨を楽しむ。 
少しぐらい寒くてもいいんだ。

一人旅の方がいろんなことが思い浮かぶ。
株で儲けすぐに損に変わってしまった事、
池袋のコーヒー専門店のイキなマスターの蝶ネクタイ、
もう少しで浮気しそうになった
五反田のバーのエヴァ.ガードナーに似た女の谷間など。
ホクロがあったっけ。
何故か懐古することが多い。
前方やセンターラインばかり見て走ってるからかな?

何年か前、沼田から日光へ入った時はちょうどその日、
「金精峠」 が無料道路になった日だった。 
料金所には係りの人がいて残務?整理中。
“今日から無料です” 
との棚ぼた発言。たしか4月頃だった。 
ラッキー! と喜んでそのあと予定変更して
霧降高原まで突っ走ってしまった。
この道路は冬季通行止めになる道だが途中に 
「吹き割れの滝」という有名な滝があり
ガンジーが気に入ってるオートバイコースだった。
過去形で書かねばならないのは辛いことだけどね。

でも66歳という年齢をおもえば病気の悪口は言えない。
この病気の所為で素晴らしい人生が始まったんだから。 
オートバイとは比較できないくらい楽しい毎日だもんね。
欲張っちゃいけねぇ。

大きな声で言うと”意地悪神様”に聞えそうだけど
出来たら今度はバスで廻ってみたい。
トウモロコシ屋のおばちゃん、元気でいるかな? 
また値切るぜ!
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そういいえば、ぼくもバイクを4台乗り継いでいたっけな。
死にそうな交通事故を起こして、
そこでやめることになってしまった。
ちょうどこどもが生まれたばかりのころで、
やめておこうと、わりかし素直に思えたっけ。

(つづく)

2001-04-27-FRI

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