ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

256.心も軽く。

ぼくが、最近、こうしたいなぁと思っているイメージは、
『軽くて、濃い』ってことなんだ。

ガンジーさんは、軽いってことについて、
どう考えているんだろうね。
ちょっとながめだから、さっそく、読んでみよう。

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「味方が見っかったぞ!」 

心も軽く、と言うと心地よい響きがありいいことだよね。
おなじ軽いと言う言葉でも
軽薄、軽はずみ、軽々しく、軽んずる、軽蔑、軽率、軽視、
などと嬉しくない表現にも使われる。
では、重いはと言うと、
重要、重厚、貴重、厳重、重鎮、重くうけとめる、
など、いかにも重々しい使われ方をしている。
諸君は通常どっちがより好きかな?

心は軽い方がいい。
気分がウキウキしていかにも健康的だ。
重い心は持ち運びにくたびれる。
でも心を置いて行く事はできない。
泥ちゃんにココロを奪われてしまいかねない。
「心そこにあらざれば見るも見えず聞くも聞えず....」と言う。
どんな景色のいいとこヘ出かけても
ココロなしか寂しく感じてしまう。
重い心でも留守番させて出かけてはならない。
それではココロに残る旅にはならない。
しょうがないから車でお出かけの時は
トランクにしまって行こう。
でも電車の時は困る。
何とか重い心にダイエットをしてもらうしかない。
ココロが痛むけど。 
じゃどうやって?

どうして心が太ってしまったんだろう? 
おとといまであれほど軽く弾んでいたのに、
いったいどうしたことだ、この重さは。
もしかして親戚の結婚式で渡した、ココロ付けが
少なかったのでヘソを曲げたのか?
なにかわけがあるはずだ。
そうだ!ゆうべ別れ際に恋人と交わした言葉が元凶だった。

♪〜言っちゃならない さよならを 
言ったあの日よ〜♪

やせ我慢をしたことが心を怒らせ重くしてしまったのだ。
痩せ我慢というダイエットの仕方はやめよう。
痩せるつもりがかえって太らせてしまったんだ。

他人にはウソを申し上げることがあっても
自分の心には正直になろう。
心はウソをつかれたとたん
フグのように膨らんで怒ってしまった。
そうだっ!重いのではない、重そうに見えるだけなんだ。
そう気ガついた時、心は軽くなった。
めでたしめでたし。

ココロと気分の主従は物理的な軽重ではないもんね。
一瞬のうちに軽くもなり重くもなる。
その仕掛け人は言葉だ。
外に発する言葉と、うちに問い掛ける言葉。
この言葉というヤツを味方につけないと
いろいろ面倒が起こる。
文字は書いたり、叩いたりで相手に伝わるまでに
時間の余裕があるから、
「おっと、しまった!」と言う場面は少ない。
しかし言葉は瞬時に相手の耳に音速で届いてしまい
取り返す事が出来ない。
すぐ訂正しても相手にじっと見つめられ
ドキドキしてさらに失敗を重ねてしまう。

かといって言葉を恐れて口を開かない人もいるが
これはさらによくない事だと思う。
「言わざる」という猿は「去る」にも通じる。
友達をして 「アイツは何を考えてんだか...」
と疎遠になりかねない。
「いいんだいいんだ僕なんか...」と
一人ぼっち好きな人は別だけど。
寡黙とは話しが出来ない事とは違う。
言うべき時には言える人になろう。
「俺は職人だ!
言葉をあやつって仕事をするセールスマンじゃねぇ」 
なんて、40過ぎても言ってる人は
おめでたい御仁である。
どんな種類の仕事でもどこの方言でも
丁寧な言葉、敬語は知っていなければなるまい。
それが大人だもんね。

言葉は人との交わりで磨かれる。
机上の理屈ではない、マニュアルなんてない
即戦即決の勝負だ。
それは技でもない。
心のありかたが出てくるからごまかしがきかない。
軽い、重い、両方がごく自然に出てきてこそ
言葉が生きてくる。 
それには?
そんな事言わなくったっていいよね。
ミステリー小説の終わりみたいにさ。

言葉は呼吸とおなじ頻度で生活に根付いている。
茜ちゃん、源ちゃん寝ついたかな?
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言葉は、そう、呼吸なんだ。
その人の呼吸なんだよな。

言葉は、呼吸だ。
そうだ。
その人の。


(つづく)

2001-05-08-TUE

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