ガンジーさん。
いつ途切れるかわかりませんが
今後ともよろしく。

304. 花嫁の父、マイクをとる。

結婚式というのは、いままでにも
たくさんのドラマのも大事な場面として演出されている。
その結婚式のなかの「花嫁の父」という参加者には、
他の列席者より一段強い光量のライトがあたっている。

ガンジーさんは、どんな「花嫁の父」をやったんだろう。
こういう人が一般的だとは思わないけれど、
こういう気持ちでいた「花嫁の父」は、
世の中にたくさんいたんだろうね。

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「花嫁の父」


長男の結婚式の時ヨメさんのオヤジが泣いた。
バージンロ―ド(教会ではないが)を進みながら
ついにこらえきれなくなったらしい。
ガンジー、笑ちゃったね、
「ちぇ!泣いてやんの」。

でもね、何年か後、美長女の結婚の時、
そのことを反省した。
「おれなんか泣かないよ」と豪語してたのにね、困った。
どうせ泣くならド派手にやったるか!
あるいは婿殿に一発パンチをお願いしようか、
はたまた両方の親戚がヘルメットをつけて
大立ち回りを演じようか、などなどアイデアてんこもり。

しかしそんなことマンガの中の話だ。
実際は式場で新郎と彼の両親に懇願する一幕となったのだ。
そのご挨拶のうろ覚えを公開しちゃおう。
許せ!美長女夫妻よ。

ヨメにやった方のオヤジが、
式場で司会者に頼んでご挨拶をさせてくれと言う事自体、
非常識だとは思ったが
やむにやまれぬ気持ちに負けてしまったんだよ。
司会者さん、時間調整に困っただろうな。

で、その内容はおおむね次ぎの通り。
「本日はご臨席を戴きありがとうございます。
私、花嫁の父でございます。
新郎の正嗣さん、どうか美紀をよろしくお願いします。
そして新郎のご両親、並びにご親戚のみなさま、
ふつつかな娘ではございますが
どうかご一統さまのお仲間に加えて戴き
ご指導とご鞭撻をお願い致します。
親の口からは言いにくいことですが
この子はしっかり者です。
でもその気丈さが返って自分を縛り
難儀を招いたりはしないだろうか、と
愚かな親は今になって案じております。
どうぞ是は是、非は非とお教え賜りますよう
幾重にもお願い申し上げます。
この子が困っていたら
どうかお手を差し伸べてやってください。
お身内で嬉しいことがあったら
この子にもお裾分けしてやってください。
そしてご一族の末席に加えて戴き
末ながく可愛がってくださるよう
伏してお願い申し上げます。

そして美紀のお友達のみなさん、
あなたがたは美紀が選びに選んで
お越し戴いた親友の方々です。
今日から美紀は○○美紀から石原美紀と
して新しいスタートをきります。
どうぞこれまでとおなじように
お付き合いしてやってください。
これからはあなたがたの時代です。
我々親達は
やがて舞台の袖に引き下がります」

そしてこのあとナント、
歌を唄い出してしまったガンジーだったね。
その歌が妻をめとらば、ではじまる
「友を恋うる歌」だったね。
あれから何年経ったんだっけ?
あんときゃ泣かなかったが
今これを書いてて目に異常が発生したぜ、老いたのかなぁ。
Anyway,あの時の式の段取りからすべて
お前たちがやってくれて
我々は何もせずただ会場に足を運んだだけだった。
ここにあらためてお礼を言う、その節はありがとう!

ガンジー

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そういえば、花嫁の父からの挨拶っていうの、
いままであんまり見たことないよね。
しかも歌っちゃうってのは、もっと見たことないよねー。

自分だったらと考えながら読んだ方も、
おいででしょうね。
ぼくは、いちおう、そういう場合には「自然に」という
考え方ですので、わはは、号泣するやもしれません。
逆に、あまりに素っ気ない態度ということも、ありうるし。

(つづく)

2001-06-28-THU

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