すべての子どもたちは、
美しい名前を持っています。
ひとりずつひとつ、かけがえのない名前を。
しかし、その燃える命ともいえる名前は、
しばしば他者によってあっさりと
「まつがわれて」しまうのです。
それも、かなり愉快な感じに‥‥。
お届けしましょう、「名前の言いまつがい」特集。
今日もドラマティックな話が満載です。
最後までお楽しみくださいませ。 |
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「ひだか」と申します。
そう難しい名前ではないため、
まつがえられた事はありません。
ただ、学生時代のクラスメイトに 「ひらが」さんと 「ひらた」さんがいました。
授業中「ひだか」と指名され顔を上げれば、
先生は「ひらが」さんを見つめていたり、
「ひらた」さんが指名されたと思ったら
自分だった、という事が多々ありました。
大半はワタクシの聞きまつがいでしょうが、
先生の言いまつがいも
あったに違いないと信じています。
(ひぃだぁかぁ、ひぃらぁがぁ、ひぃらぁたぁ) |
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私の苗字は「オエ」といいます。
地元の地名で珍しいので、
よく聞きまつがいされます。
先に注文していたケーキを
受け取るために待っていた時のことです。
そろそろ呼ばれる頃だな~
と思っていると店員さんが、
「上様~! 上様~!
ウエ様はいらっしゃいませんか~?!」
騒がしかった店内が一瞬にして静まり返る中を、
早歩きでケーキを受け取って、
背中に刺さる視線を感じながら帰りました‥‥。
(私を殿と呼ばないで) |
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病院で診察を待っていた時、
お医者さんがマイクで順番のきた
患者さんの名前を呼んでいました。
「すぎもとあやさん、
すぎもとあやさん、
診察室へお入りください」
タレントさんと同じ名前なんだ、
と思いましたが、誰も立ち上がりません。
何回か呼び出した後、しばらく沈黙してから、
笑いを堪えた声で、また呼び出しが。
「すぎもとまいさん、診察室へどうぞー」
別名じゃん! その方はすぐ診察室に入り、
満員の待合室は静まり返りました‥‥。
(トクメイキボー) |
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友達に彼氏ができました。
名前は「ノブユキ」。
「ノブユキってどんな字書くの?」
「よろしくの『よろ』に、旅行の『行』」
よろしくの「よろ」?
私の頭に浮かんだのは
「夜露死苦」という文字。 「夜露行」で「ノブユキ」?
と、一瞬不思議に思いましたが、
「これはまつがい、絶対まつがい!」
と慌ててかき消し、事なきを得ました。
(宜しく! 宜行くん) |
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かって何回か出張で海外へ行くことがあり、
人事課の女子が飛行機予約、保険手続きなどの
いくつかの書類手続きをしてくれましたが、
自分のローマ字名がパスポートの綴りと
一致したことは一度もありませんでした。
自分の名前:
「のうじょう きゅうじ(Kyuji Nojo)」
書類に書かれたローマ字名:
「Kyuuzi Nouzyou(パソコン入力式)」
「Kyuji Nozyou (統一されない方式)」
「Kyuji Nohjoh
(パスポートでは許された綴り)」
「Kyuudi Nooziyou
(明らかな間違い)」
トラブルもなく出張が済んだのは
今でも不思議な気がします。
(一部子音を変えた偽名です) |
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いぜん勤めていた会社であった、
新入社員君の言いまつがいです。
朝の忙しい時間に、
取引先の営業さんから電話がありました。
新入社員君
「はい、○○(会社名)です。
はい。少々お待ちください。
課長、○○社のエビさんから
お電話です」
一同「エビさん? って誰?」
わりと頻繁に電話がある取引先なので、
みんな新しい営業さんかなと思っていました。
上司「はい、お電話替わりました。
‥‥あ、可児(カニ)さん、
いつもお世話になります」
一同大爆笑。
ちなみに可児さんは、九州にある苗字だそうです。
(甲殻類つながり?) |
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以前、MAMIさんというお名前で英語では
「おか~さん」になってしまう方が
いらっしゃいましたが‥‥。
私の場合、中国語ではこうなります。
中国人「あなたの名前は?」 私 「名前」
中国人「うん、名前を聞いてるの」 私 「だから名前です」
中国人「???」 私 「私の名前は名前です!」
私の名前「明子」の中国語読みと
中国語で名前を表す単語
「名字」は同じ発音。
漢字の説明をすれば
すぐ納得してくれるのでいいのですが、
自己紹介の時はちょっと恥ずかしいです。
ちなみに、友人の京子ちゃんは
中国語で「精子」と同じ発音になるので、
絶対に中国語読みで自己紹介しないそうです。
(名前は明子) |
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友人と僕の、ショウコさんについての会話。
僕「ショウコのショウの字ってどう書くの?」
友人「示偏(しめすへん)に、ヤギ!」
ヤギ? 山羊?
あぁ、「祥子」ね。ヒツジだね。
(ペンペル) |
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イラスト:しりあがり寿 |