んん? 「まつがって」‥‥る?
いや? 「まつがって」‥‥ない?
なんともいえぬ、微妙なおかしみの境地。
「まつがって」いないんだけれども、
「まつがって」いるような、おかしなことば。
そういった曖昧な領域を楽しんでください。
名づけて、「まつがってない」特集。
日本語って、おもしろいですねー。 |
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接客業をしていると、
いろんなお客さまに出会います。
今日うちのラーメン屋にいらした
物腰の柔らかい上品な感じのおばさま、
ゆったりと椅子に座ると、
わたしに向かって微笑みかけながら
「おしょうゆラーメン、
くださいな」と。
‥‥まつがっているわけでは
ないのかもしれないけれど、
「お醤油」といわれると‥‥。
笑いをこらえながら
「しょ、しょうゆラーメンですね!」と確認しました。
(おラーメン娘) |
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地方の遊園地に遊びに行った時のこと。
平日だったせいか、暇そうな従業員に
「お姉ちゃんコレ乗ってかない?」
と声をかけられるほどのガラガラ具合。
お化け屋敷の前でも呼び込みされたので、
「私、怖いの苦手なんでー」
と通り過ぎようとしたら
「大丈夫、
これ全然怖くないから!」
おっちゃん、それはダメだろう‥‥。
(絶叫マシンは大好物) |
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クイズ番組を見ていたら、
「『星に願いを』が主題歌の
ディズニーアニメは?」
という問題が出たので、自信たっぷりに
「そりゃピノキオでしょ、
だって願う話だもん、
『早く人間になりた~い』って!」
と言ったら、主人に、
「‥‥間違ってないけど、
何か違う方向行ったね」と笑われた。
(おいら怪しいもんじゃないよ!) |
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愛犬家の方々は、飼い主さんのことを
「○○ちゃんのお母さん」などと呼びます。
(例:ブイヨンちゃんのお父さん=糸井さん)
先日、母の代打で
愛犬ブランの散歩に行ったところ、
近所の公園にたくさんのわんちゃんがいました。
その飼い主さんたちが、うちの犬を見るなり
「ブランちゃん?」と話しかけてきたので、私が
「そうです。いつもは母なんですけどね」と言うと、
飼い主さんは口々に
「あら、ブランちゃんのお嬢さん!」
「まー、ブランちゃんのお嬢さんですって!」
と盛り上がってました。
(ブランちゃんのお母さんのお嬢さん) |
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結婚式の前、控え室で
親族どうしの挨拶がありました。
私の両親ともきょうだいが多くて、
おじおばがたくさん出席してくれたのですが、
夫の親戚はとても少なく、アンバランスでした。
夫側に続いてうちの親族の紹介が始まりました。
なかなか終わりません。時間もおしています。
全員に焦りが見えはじめました。
するとみんな、紹介されるのを待たずに
つぎつぎと一人ずつ立って、 「おじです」
「おばです」
「おじです」
「おばです」
「おじです」
「おばです」
「おじです」
「おばです」以下略‥‥
とやりはじめました。
いや、何もまつがってないけど。
ほら、もうちょっとなんか‥‥あるでしょうよ!
(ノリピー) |
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たまに行く耳鼻咽喉科の、受付のおねえさん。
色白でキレイで、物腰がたおやかで
受付嬢としては申し分ない。
‥‥だが、かわいい声で
「今日はどうされました?」と尋ねたあと、
「あの、鼻水が‥‥」と答えると、必ず、
「青っパナですか?
水っパナですか?」と
ぴしゃりと質問してくる。
別にまつがったこと言ってないんでしょうけど、
もっと別の言い回しとかないんでしょうか‥‥。
(青っ洟水っ洟) |
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数年前、腎臓を悪くして
入院していた父に様子を尋ねたら、
とにかく退屈しているらしくて、 「こんなところにいたら
病気になっちゃうよ」と返事が。
その強気が今の長生きに
つながっているんでしょうね。
(父は77歳) |
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