主婦と科学。 家庭科学総合研究所(カソウケン)ほぼ日出張所 |
研究レポート52 男の子を産むと、寿命が8ヶ月縮まる?! 出産と寿命の科学。 ほぼにちわ、カソウケンの研究員Aです。 向春のみぎり、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。 研究員Aは若手の同僚たちエネルギーを吸い取られ、 研究活動を妨害される毎日でございます。 「ないよっ(イヤという意味)」という口癖で 反抗期真っ盛りの研究員C(2歳男児)。 いまだに「子ども心」ならぬ 「赤ちゃん心」にあふれた研究員B(4歳男児)。 めまぐるしくよく動く、このエネルギーの塊のような 男の子たちと暮らす日常は ‥‥こちらの精気が枯渇するばかりです。はああ。 同年代の女の子と比べてみても、 明らかに動きが違うような気がする男の子。 もちろん、「女の子だけど活発」とか 「男の子だけどおとなしい」などの個体差は あるかと思うのですが、一般的にね。 れっきとした「性別による脳の違いの傾向」 を感じてしまいます。 (参考 男の脳・女の脳) 例えば、保育園に行ったときに見かける 「ママと女の子」の組み合わせは ほのぼのと今日あったことをおしゃべり というパターンが多い。 (という気がしてならない) 一方、「ママと男の子」の組み合わせは 叱りとばすママとおいかけっこ というパターンが多い。 (という気がしてならない) ええ、もちろんこんな偏りでいっぱいの見方は 「隣の芝生は青い」の 研究員Aのひがみ根性によるものでしょう。 こんなヒットポイント残りわずかな研究員Aに 追い打ちをかけるかのような研究結果があります。 それは 「男の子を産むと、寿命が8ヶ月縮まる」 女の子の母親に比べて、男の子の母親は平均的に 寿命が短くなるという結果が出たのです。 研究員A以外にも「やっぱり」と納得する 男の子ママ、いらっしゃるかもしれません。 というわけで、今回は 「出産と寿命」に関わる科学について レポートして参ります〜。
さて、「男の子を産むと寿命が縮むらしい」という研究、 くわしくはこちらになります。 フィンランドとイギリスの研究者たちによるものです。 なんでも、男の子一人あたり平均で 34週(約7ヶ月)母親の寿命を縮めている、と。 そして女の子は一人あたり平均で 23週(約5ヶ月)母親の寿命が長くなっている、と。 おだやかならぬ話です。 研究員Aの寿命は研究員Bと研究員Cによって 約1年半近く短縮されてしまうことになります。 ただ、この研究結果、 17〜19世紀のフィンランド人のデータを利用したもなので 「現代人にはあてはまらないだろう」とのこと。 ちょっと安心‥‥かな? なぜ男の子の方が母親の寿命を縮めてしまうのか? それは ・男の子の方が胎内で大きくなるので、母体に負担がかかる ・男の子の方が手がかかる ・女の子は「お手伝い」をするが、男の子はしない などが原因ではないかと この研究グループは考察しているみたい。 ふむふむ。2番目の「男の子の方が手がかかる」は 「男の子は弱い」ってことを指しているのでしょうか。 産まれるときは男の子の割合が多いのに 適齢期になると 男女の比率がほぼ同じになる というのはよく知られた話です。 ちなみに、国立社会保障・人権問題研究所のデータでは 2002年度の出生性比は 男の子:女の子=105:100 となっています。 最近の研究結果でも 医学が発達した現代にもかかわらず 未熟児の赤ちゃんの死亡率が 男の子の方が依然として多い、 というものがあります(こちら)。 どうも男の子は弱いらしい。 研究員Bがご多分にもれず身体が弱く 入院していたときのこと。 その時は肺炎で入院したのですが なんとその6人部屋の病室は男子部屋! さらに、他の部屋でも男の子がほとんどで 女の子はぽつんぽつんとしか見あたらなかったのです。 さすがに「たまたま」だったかもしれませんが 両方を育てているママに聞くと 「男の子は弱いよ〜。 同じ風邪でも男の子だとぱーっと熱が上がっちゃう」 などなどの話を聞いたりします。 このような「体の弱さ」も 親のお疲れの要因になるのかもしれません。 それだけ気苦労・体力消耗もありますから。 そして、世の中には「一姫二太郎」という ことわざがあるくらいです。 その心は 「子供は、最初が女の子で 次に男の子が生まれるのが理想的だ、の意。 (大辞林)」 女の子の方が男の子に比べると 育てやすいからということなのです。 とはいえ、この8ヶ月という数字が「有意差」なのか それともびみょう〜なものなのか 専門外の研究員Aには判断つきませんが。 どうなんでしょうね。 と書いてきましたが、女の子ママだって 男の子ママにはない苦労が多いみたい。 何しろ、口が達者なおしゃまさんが多いから ナマイキな物言いにむかっとくることが多いとか。 幼児と同レベルの精神構造を持つ研究員Aは きっといちいちマジ怒りして そのうち「女の確執」に至っていたかもしれません。 ‥‥ぶるぶる。それはそれで寿命が縮みそうだわ。 研究員Aの場合は男の子で良かったのか?
一方で、ちょっと意外とも思われる 「出産と寿命」の研究結果もあります。 高齢出産をした女性は寿命が長いというのです。 このテーマに関してはここ数年で いくつかの研究が報告されていますが、最近のはこちら。 フィンランドのツルク大学の研究チームの結果です。 一般には高齢で出産すると母体に負担がかかる と思われますが、どうやらそんなことはないと。 むしろ、年を取ってから子どもを産んだ人の方が 長生きらしいということなのです。 出産年齢が遅くなりがちな現代女性にとっては 福音のような研究結果ではないでしょうか! ただ、これに関しては 「そもそも高齢で出産するだけの健康な肉体の持ち主」 という見方もできるわけで。 他にも「閉経時期が遅くなると寿命に影響するのでは」 などの仮説も立てているようですが。 個人的には「元気でバイタリティーのある人だからこそ 高齢でも出産できちゃう」ってことが 一番の理由ではないかと思います。 それに、小さい子どもがいると必然的に 気を若く保たなきゃいけないし。 「この子が一人前になるまでは」 という親心も影響するかもなーと 勝手なことまで考えてみる研究員Aでした。 いくら寿命が縮もーが いくら理不尽な仕打ちを受けよーが 子どもからのプレゼントは数え切れません。 世のお父さん、お母さんはそのことは心の中で よーくわかっているもの(ですよねん?) それに加えて、年をとってから産んだ子から 「寿命」なんてプレゼントまでもらっちゃったら なんともありがたーい話なのでしょう。 研究員Aも40代になったら 新人「研究員D」を採用する?? ‥‥いやいやいや、考えただけでもどっと疲れて それだけで寿命が縮みそうですわ。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 参考リンク BBC NEWS Boys 'shorten mums' lives' BBC NEWS Boys 'still the weaker sex' NewScientist.com Sons cut short their mothers' lives BBC NEWS Older mums likely to live longer 国立社会保障・人権問題研究所 |
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2005-02-25-FRI
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