KOBAYASHI
小林秀雄、あはれといふこと。

しみじみとした趣に満ちた言葉の国日本。
そんな国のいとおもしろき言の葉を一つ一つ採取し、
深く味わい尽くしていく。
それがこの項の主な趣向である。



其の弐百八拾壱・・・冬の大三角形


「うだだだだ、まだ冷え込みますね」

「ぞうやな」

コートを持っていないため、
ぶるるんぶるるんしながら歩き続ける二人。
どのように暖を取るのかといえば。

小林 「まだまだ握りが足りんようやな」
北小岩 「はい」
小林 「ほないくで」
小林&
北小岩
「むぎょわ~~~~~っ!」

右手でちんちんをつかみ、
力の限り握りつぶすのである。

小林 「原始的な方法やが、
 今の俺たちにはベストや」
北小岩 「イチモツの芯から
 あたたまってくる気がいたします」

そこまでして二人が向かった先は。

小林 「今日は凍える温度やが、
 この先油断すると春になるで」
北小岩 「冬の大三角形を満喫するには、
 今しかございません」

季節の風物詩を楽しみに行くのである。

小林 「ここいらやと思うんやが」

7時間歩き通したため、
日はとっぷり暮れて。

北小岩 「あそこをご覧ください!」
小林 「ほのかに光っとるやないけ」

「わ~っ!きゃ~っ!」

女性たちの歓声があがる。
師弟の視線は冬の夜空・・・のはずが。

北小岩 「光っているのはもっと近くでございますね。
 もしや」
小林 「そや。
 輝いとるのは、男たちの金玉や」
北小岩 「なんと!
 そのようなことがあり得るのでしょうか」
小林 「ホタルは酸素、ルシフェリン、
 ルシフェラーゼによって光るらしい。
 だが奴らは、
 鍛冶屋のように金玉を打ったり、
 磨いたりする恐るべき鍛錬で
 光を放てるようになったんや」

北小岩 「なるほど。丘の上の三角形は、
 各々チン毛を燃やしているようです」

三人が流れ星のような動きをしたのは、
イチモツに火が燃え移ったからだろう。

その時丘から。

「うひょ~」

北小岩 「確かにあれも三角形ですが」

全裸の男らが手でお互いの足首をもち、
かくんかくんしながらくだってきた。

小林 「厳しい冬はもうすぐ終わる。
 特上の男らを鑑賞して締めくくるのも、
 趣深いんちゃうか」


趣などかけらもないであろう。
冬の大三角形。
それは夜空に煌くシリウス、ベテルギウス、
プロキオンだけで十分だ。

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2010-02-21-SUN

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