今日の女房
アイコン
同僚から初物のブドウを頂くたび、
病室に入れなかったことを思い出す。

最期の機会だったのに。

中学からの友人のお母さまは
わたしによくして下さった。
わたしが好きな餃子の日は連絡を下さり、
包むのからご一緒してお相伴に預かった。

公文の先生でもあり
高校2年で数学に落ちこぼれた私が
現役で大学合格でき
今の私があるのはその方のお陰だ。

娘の中学入学を機に
出身地に戻ってきて
わずか3年、
その方は癌で亡くなってしまった。

ブドウを持って
それまで何度訪ねたか数えらえないほど親しんでいる
友人の家を訪ねたのだが
私の知らないご親族がケアのリードをされている
病室の雰囲気に飲まれて、
部屋に入れずに帰ってきてしまった。

今年はもう15回忌。

あと10年くらい経ったら
わたし、おばちゃんの歳に届いちゃうよ。

ご命日にはお参りに行くから
待っててね。

(かなえゆい)

2024-11-14-THU

とじる
© HOBONICHI