ライフ・イズ・マジック 種ありの人生と、種なしの人生と。 |
第3回 <超魔術のMr.マリックに嫌われています> 我々ナポレオンズは、 あの超魔術のMr.マリックに嫌われています。 以前、テレビ局のエレベーターに乗ろうとしたら、 偶然マリックさんが乗っていました。 ドアが開き、僕らの姿を確認すると同時に、 マリックさんは激しくエレベーターの 「閉」ボタンを連打したのです。 このことから分かるように、 彼は相当、ナポレオンズが嫌いなのです。 数年前、マリックさんは突然スターになりました。 超魔術はブームにさえなり、 彼のワザは「超能力かインチキか?」などと、 さまざまなジャンルで取り上げられたのです。 そんなある日、ある雑誌記者から電話がありました。 「ねぇ、あのマリックってインチキですよねぇ。 超能力なんかじゃないでしょ、インチキでしょ。 思いっきりバラしちゃいましょうよ」 もうすでにバッシングの始まりです。 僕らにとっては、マリックさんが マジシャンであるのは当然のことで、 しかも素晴らしいテクニシャン以外の 何者でもありませんでした。 しかし、その記者の頭の中には 「あのMr.マリックの正体をついに暴いた!」 などなどの見出しが、 すでにできあがっていたのでしょう。 「インチキの手口を暴いてやりましょう」と、 やる気満々でした。そこで我々は 「マリックさんは超能力者ではなく、マジシャンです。 これが真実のすべてです」と答えました。 記者は納得するはずもなく、 「じゃ、誰かバラしてくれる人を捜します」と言う。 これには参りました。 マジックのトリックには、バラして面白いものと、 つまらなくなってしまうものとがあるのです。 マリックさんのトリックは明らかに後者で、 多くのマジシャンが共有している トリックでもありました。 やみくもにあかしてしまえば、 多くのマジシャンの迷惑となります。 そこで、我々は取材を引き受けました。 誰かがやみくもにバラしてしまうなら、 自分たちで記者の要求にも応え、 かつマジシャンの迷惑にならない、 ギリギリの線を狙ったのです。 しかしまぁ、マリックさんにとっては、 身内に裏切られたように思われたことでしょう。 ホント、すいませんでした! 僕らも、 「奴の正体をひんむいてやる!」 「お前らに、私のハンドパワーが 分かるはずなどないっ!」 な〜んていうバトルを楽しみたいという 思惑もあったりしました。 重ねてごめんなさい。 ある番組で、 「Mr.マリックを超えた男、 Mr.ガーリック参上! マリックはうさんくさいが、我らは息がくさ〜い」 などどパロディにしてしまいました。 ごめんなさい。 営業で、スプーンを曲げないまま投げて 「サジ投げましたぁ」などとふざけて稼ぎました。 すいません。 マリックさんの、益々のご活躍を願ってやみません。 トップを走る人のすぐ後ろで、 風を避けながら走る心地良さを、 今も忘れられないでいるのです。 そんなマジシャンが、 日本に一組くらいいても良いでしょう、 それも文化というものです。 さて、電卓マジック! 生まれ月に4を掛け=、 さらに+9=、 25を掛け=、 それに+生まれた日=。 出た答えは誕生日とは関係ない数字でしょ。 ところがマイナス225=とすると、 なんと誕生日の数字になるのです。 観客に電卓を渡し、さっきの計算をしてもらいます。 出た答えだけを教えてもらいます。 (あるいは電卓を渡してもらう)。 そして密かに225を引けば、 相手の誕生日を当てることが出来ます。 まずはご自分の誕生日で試していただけますか? |