SHIMIZU_MICHIKO
清水ミチコの試供品無料進呈
(秘密厳守)
2001年4月の日記

第207回

4月1日・日曜日

「エイプリルフールって、
なんでこんなにすたれちゃったんだ?
ここんとこ、誰も嘘を言わないよな。」と、
オットが言った。
そういえば私も大人になってからというもの、
この日にわざわざ嘘をついた事がない。
これって、ネタを考えるのに
けっこうエネルギーがいるからなんでしょうね。
「お雛様」や「こいのぼり」や、だって、
飾るのはそりゃ大変なんだけど、
するべき事がわかってやるのと、
自分で考えを抽出してまとめるのとでは、
ぜんぜん頭の中の場所が違いそう。
時間をかけたというのに、失敗だったって事も
大いに予想できそうですもんね。
でも小学校なんかで、年に一度のこの日に、
行事としてやってみてもおもしろいかも。
と、思ったら、ほぼ日でじょうずに嘘をついてた人がいた。
いたのだ。やられた。

4月2日・月曜日

今日、ある文化人のエッセイ付き料理本をみて、
へえ、いったいどんな味なのかしら、
想像もつかないけど、おいしいかも、と、思い、
簡単だったので料理した。
それは、「ウスターソースに、ワインビネガー、
セロリ、塩、白胡椒、ローリエ」の中に、
茹で卵を数時間漬けておく、というもので、
たぶん「茹で卵のピクルス」が
できそうだったのだ。
午前中にそれをやっといて、
帰宅した夜、様子を見てみたら、
めちゃおいしそうなつやつやした琥珀色。
そして、中を割ったら外側から琥珀、ときて白、
そして黄色が実に美しくデザインされているようで、
まちがいなくうまそうだった。
楽しみに味見をしたら、
なんと!これが嘘のようにすごくまずいのだ!
ペッペッ!

分量をもう一度点検したけど、まちがってない。
よく読んだら「作り置きをしておくと、
お客さまにも大好評です」とすら、書いてあるじゃないの!
お客さまは酸っぱい!なんて言えないさ!
顔でわかれよおおお!
いちおう、何も言わずにオットに食べさせたら、
すぐにティッシュの箱まで走っていった。
どうすんだ、残りの6ケ!

4月3日・火曜日

打ち合わせ数本。
夜は西川貴教さんのオールナイトニッポンへ。
そしたら、本物のデビ夫人から、
「清水ミチコさんへ」という
テープでのメッセージをいただいてた。
あたくしをモノマネするなら、もう少し品格を。
あんまり似てないのが残念ですね、との事でした?

夜、録画しておいた「羊たちの沈黙」また見る。3回め。
わかっているのにまた、おろおろしてしまう。
特に犬のシーン。
女性の気持ち、犬の気持ち、犯人の気持ちが
それぞれ違う方向にかカーッと高く、動悸が激しくなる。
その時の「ママ(私)の顔」を
コドモがイラストにしていた。
あぐらで、口を開けたまま、
眉間にしわを寄せているらしい。

ところで、レクター博士が、脱出する時に警備員を殺して
蝶のようにデザインして飾ってた、ってシーン、
上手でおかしくって、
何回見てもダウンタウンの松ちゃんの顔、
というより、彼がデザインしそうな絵を思い出す。
それにしてもサイコモノって、
なんでこんなにそそられるんだろう。
早く「ハンニバル」行こう。
「羊たちの沈黙」は、どういう監督なのか
知りたくなってきた。

4月4日・水曜日

サイコサスペンスが本当に訪れた。
これ、ホントの話ですよ。
朝、6時頃、どこでどう調べたのか、
見知らぬ女性から電話があり、
「清水さん、でしょう?あなたね、
どうして家族を私の家に連れてこないの?
待ってるのに!約束したじゃない!」という。
そんな事実は絶対ないのに、明らかに怒っている声。
「約束はしてないですよ、ごめんなさいね、
電話、切りますよ」と言い、
平静はやや保ったものの、
眠かったはずなのに強力に覚醒した。
そんなことで一日その声が離れず、ブルー・マウンテンに。

4月5日・木曜日

ビバリー、ダウンタウンDXへ。
めちゃめちゃかわいい顔のハーフの子供がいる、と思ったら
相楽晴子さんのお子さんだった。
3歳なのだそうだ。
「お菓子をあげよう、おいで」と手招きし、
小さなクッキーを渡そうとしてたら、
「そんなんもらうの、やめときや」と、
低いトーンの、まじめな声がした。
え?と思い、振り返って見たら松本人志で、
「そのおばちゃん、頭が完全にくるっとるねん。
体悪うなるで。やめとき。」と、
本音で心配するような声でささやいた。
つとめて明るく、
「あのね、おばちゃんは、薬飲んでるからもう大丈夫なの。
もらってね」と言ってみたら、
しゅーん、と手を下に下げた。
頭も賢い子のようだった。

2001-04-28-SAT

第208回

4月6日・金曜日

前奏B♭・3/4拍子
(↓「乾杯の歌」の替え歌で歌いながら読んでください)

男/ソロ「ともだーちのたかひらみくちゃ〜んに〜
     オペラに連れてっても・らった〜。
     椿姫というタイトル〜、
     素人にもわかりやすいもの〜。」
女/ソロ「いったい、いくらした〜の」
男/ソロ「よんま〜んえ〜んもした〜んだ」
女/ソロ「びっくりするような値段に」
男/ソロ「驚かされる・休憩時間〜」
女/ソロ「あの声、まねできるみたいと〜・
     一人・トイレで・歌ってみた」
(全員)「あ〜、ずうっと、小指を立てて。
     あ〜、ずうっと、小指を立てて。
     あ〜、あ〜、ね〜〜〜っ!」
(拍手・カーテンコール・幕)
帰りに「オペラ入門」買う。

4月7日・土曜日

生放送。そのあとの入り時間が2時間あり、
ヤノッチと映画『ハンニバル』へ。
ヤノッチは、「羊たちの沈黙」をまだ見ていないので、
説明しつつ。

この映画の感想が、いいとダメだったとの、
二つにハッキリ別れる、というのもわかった。
どうしても前作と比べてしまうのよね。
観客は、(ああいうテイストでね、
うまくなぞってくださいよ)という気持ちになるのだった。
リドリースコットは、そんなん知らん、
と言ってる風だったけど。
そういえば、レクター役のアンソニーホプキンスも、
どの雑誌のインタビューを読んでも、ことごとく、
『そんなん知らんわ。役者なんだもん、
勝手な深読みやめてえな』と言ってるみたいだ。

よく考えたら
「何かを表現したら、次はしっかり言葉で説明してよ」、
って質問も、けっこう図々しいような。
言葉じゃなく体現したっちゅうのに。
夕食にカレー作ってあげたら、
「お母さんはこのカレーで、
一番何を表現したかったんですか?」と、
聞かれたようなものかもね。

4月8日・日曜日

大阪で仕事。
帰り、新幹線の入り口前で、今回は
「鶴屋食品のキムチ」ってのを、おみやげに買ってみた。
しかし、家に帰ってふたを開けたら『パンッ!』と、
発酵による小さな爆発があったので、
わ、もうダメかなあ、と思いながらも一口食べたら、
これがおいしうておいしうて!
辛くて酸っぱくないってヤツ。
冷蔵庫で少しづつ大切に食べよう。

コドモ、友だちから
「やっぱさ、お母さんっていっつもおもしろい?」と、
聞かれたのだそうだ。
「おもしろいっていうか〜」、というので、
(どう答えるのかしら)と思い、
「何?」と聞いたら言いにくそうに、
「変」。

4月9日・月曜日

ドナさん、という方からメ−ル。笑いました。

(略)
そういえば17歳の頃、
初めて東京で買い物していた時のことです。
『し、下北に行くんだもんね。
アタシ、レディ*ステディ*ゴーで宝島に載ってたバッグとか
買っちゃうんだもんね!』とおどおどしながら電車に揺られ
『次は下北沢〜』というアナウンスにほっとしていると
隣に座っていた友人がツンツンとつついてきて小声で
『ね、私達の前に立ってるの、ゲーノージンだよ。
 私、テレビで見たことあるもん。』

えっ!すっごいじゃん!さっすがトーキョー!!
さっすがシモキタ!!

でも自分の前の吊り革持ってふんばってる
ゲーノージンかもしれない人の
顔を見るのがなんだか恐い(笑)。
声も出せずに唾を飲み込みドキドキしながら
ゲーノージンかもしれない人の足元をしばし凝視、、、。
足首、微妙に太し、原色の靴下、
先の丸いおでこ靴(懐かしい)。

電車が下北に着いた瞬間、
『着いたね!』と友人とアイコンタクトをしたその瞬間、
そのまま視線を真上に持っていくと、、、

いた!!!テレビで時々(笑)見るゲーノージン!!!
私のその表情から『やっぱ、そうでしょ!!』と
確信した友人は高揚した顔で
そのゲーノージンに言いました。しかもでかい声で。

『清水ミチコさんですよね!!!!』

乗客の視線を一斉に感じました。
今、思い出してもお尻の辺りがムズムズと痒くなるような
こっぱずかしい記憶、、、。

そのゲーノージンは冷たく言い放ちました。
『違いますっ(怒)!!!』

その言葉の強さに一瞬呆然としつつも私は
その友人の手を引っ張って急いで電車を降りました。
一目散というのはきっとこういう時に使うのでしょうね。
まさにその一目散で私と友人は自動改札を走り抜け
階段もかけ降りてマクドナルドのそばまで来て
ゼエゼエと息を吐き呼吸を整えました。
今思えばマクドナルドで足を止めたのは
見知らぬ都会の中に地元で見なれたあの赤いロゴに
ほっとしたのかもしれませんね。

呼吸も整った頃に私は一番言いたかった事を
やっと言うことができました。
『あれ、片桐はいりだよ。』
友人はバツの悪そうな顔をして言いました。
『あ、ミスタードーナツのCMに出てたのは片桐はいり、、
 だったっけ、、、』
『下北で恥かいちゃったね、、、』と呟く私に
友人はマクドナルドでシェイクを奢ってくれました。


シェイク、がよかった。

4月10日・火曜日

和田誠さんの誕生日パーティで、中華料理店へ。
実は私はパーティってどうも苦手で、
足が遠のく方なんだけど、
「少ない人数です」とあったので、気軽にお邪魔した。

隣の席の南伸坊さんとまた「ハンニバル」の話になり、
「あの食事のところは、ありえないっすよねえ〜」と
言ったら、「いやある。俺見た。」という。

昔、友人が事故で屋上から地面に落ち、
しばらくしてお見舞いにいった、と。
その友人は元気そうだったけど、
「ありがとう。でも誰?」という表情だったそうだ。
で、南さん、
「そいつの頭にサ、こう白い布が巻かれてるんでさ、
 ちょっと見せてね、つって、見たらさ、ナニが出ててさ。
 あ、失礼しました、つってまたもどしたんだけど。
 でも友人、ちゃんとしゃべってたよ」
だ、そうだ。
「ちょうど、こんなの」と言って、私の皿を指さした。

2001-05-04-FRI

第209回

4月11日・水曜日


一人だけで青山のジムに行き、
そこでやっていた「ヨガ」に気がつき、
ちょっと参加してみた。
20人くらいのおば様たちの背中を見ながら、初体験。
ヨガッタ〜。
筋肉のストレッチをやさしく、長く、ゆっくりほぐす。
そんな感じ。

女性の先生の声は、健康から熟成され、
発声されたって感じのト−ンで、とても聞こえやすかった。
モノマネしたくなる。
で、あ〜気持ちいいな、と思ってたら前のおばあちゃまが、
(スーウ)、と確かにゆっくりとおならをなさった。
それすら体にいい「気の流れ」のひとつに
思えてくるかのようだった。

夕方、「ハリー/見知らぬ友人」、という映画を
ビデオで観る。
サイコものって、やっぱり変でおもしろいな。
きっとこの監督はヒッチコック大好きと見た。

4月12日・木曜日

仕事を終えてから、
渡辺徹さんの舞台「あかさたな」(芸術劇場)へ、
ヤノッチと二人で観にいかせてもらった。
日本中のおばさんここに集合せり!って感じで、
すごかった。
とくにトイレ。

並んでたら後ろの人が、私の腕に、腕組んできた。
つまり、私の腕にいきなり相手の腕が差し込まれるのだ。
きゅっと、強くつかまれ、
まるで万引き主婦逮捕の瞬間!みたいな感じ。
あれっ?何?と思ってる間に、そのおばさん、
入れた方の手の指で、隣の列の女性の顔を指をさし、
「この人、順番ズルしてる!ホラ!!ズルしてる!
さっきから少しずつズルして移動してるのよ!」と
怒鳴った。
するとどうでしょう。
私もこのおばさんと一緒に怒ってるみたいな
図になったのだ。
そうっと腕を抜いた。

前から3列目って、想像以上に舞台とめちゃ近い席で、
役者さんの息遣いまで聞こえてきそう。
徹さん演じる、主役の豪傑が、
最後に人力車の中で息をひきとる、というシーンで、
その緊迫した長い沈黙の中、
こういう芝居に慣れた感じの客席の男性から
「んっ、わたなべっ!!!」と声がかかった。

その声がちょっと高く、
(ぜったい渡辺さんはこの声で吹き出してしまう!
どうしよう!)と、ドキドキした。
しかしさすがは菊田一夫賞受賞、大丈夫なのでした。
立派にお亡くなりになられた。

4月13日・金曜日

新しい学校での保護者会。途中まで参加した。
今週はやたらおばさんばっかりとからんでる、
オバランダムな一週間。
そういえば、こないだ地方で、
ヤノッチとコンビニに行って、ヨーグルト片手に
「プルーンはどこですか?」と聞いたら、若い子に即座に
「プルーンて何?」と言われた。
あとでヤノッチに、「何って、ねえ?」とぐちったら、
「私もプルーンて何?って、気持ちわかりますよ。」
とのことで、
なんか若人は「健康食品」に弱いな!と、わかった。

深夜はテレ朝の生放送へ。
楽屋で大槻ケンヂさんらと、悪いキノコの話。
なんか若人は「不健康食品」に強いな!と、わかった。

4月14日・土曜日

ニッポン放送へ。
小林克也さん、
「俺は毎日2袋は食べてるね。甘栗。
皮剥いた、なんて最高のアイデアじゃない。
何で今までなかったんだろ」と言いながら、
「甘栗むいちゃいました」の2袋目を
ぽくぽく食べておられた。

それを聞いたらあまりにおいしそうに思えてきて、
私まで食べたくなり、
「その栗、ひとつください」と言ったら「お食べ」。
わしらは、まるで、昔話の1コマじゃった。

隣で作家の清水さんは、
「ああ俺は早くイチローに生まれ変わりたい」。

4月15日・日曜日

コドモと歩きながら話す。
おーちゃん(大橋くん)と
同じクラス(私が嬉しい)だったのだが、
おーちゃん「おかまは卒業しましたので、みんな僕のことは
カマソツ、と呼んでくださいねっ!」と
ウインクで言ったそうだ。
きゃわいいっ!!

で、中学とは「やたら校庭を走らせる」所だそうで、
何かっちゅーとグルグル走らされてるらしく、
女子はみんな怒ってるらしい。あるある。
数学の教科書にはいきなり、「この計算をせよ」とあり、
コドモ、「せよ」、の文字の上に、
両矢印マークを書いたそうだ。すると、
「この計算をよせ」、、、。
君は一休さんか。

こないだ全員集合の写真を見て笑ったのは、
さすがは成長期のお子さま。
ウチも含めてみんな、まちがいなく制服だっぶだぶ。
つっぱりにく〜!!
すぐに小さくなるの!と、
お母さんたちの声が聞こえそうだった。

2001-05-09-WED

第210回

4月16日・月曜日


「清水ミチコのおかず屋さん」収録。
近郊の方、見てくださいね。

カメラの春ちゃんに「パルケ・エスパーニャ」に行ってきた
おみやげをいただき、さっそく包みを開く。
小さなショルダーみたいな。
「何これ?」と聞いたら、
「スペインのなんとかっていう楽器入れ!」だそう。
「ふだん、ちょっとした楽器を持ち歩く時にいいわねえ。
 すぐに演奏できそう。って、いつ、どんな時なのよ!」
と、笑った。特殊なんだもん。
でも色違いをもらったヤノッチ、なぜかよく似合ってて、
セットでひとつの民芸品となっていた。
おみやげって、「気持ち」とはいうけど、
心よりも目の前の不思議な「モノ」が実際は楽しみ。

4月17日・火曜日

部屋の整理。
整理整とんするたびに「今度こそはっ!」って思う。
でもいつのまにかちらかってしまう。
お客さんが来るとめちゃ早くしまい込むのは昔からだ。
みんなはどうしているのかしら。

4月18日・水曜日

美容院へ。いつの日かきっと、
「髪を切ってもらってるうちに、パックで顔もツヤツヤ、
マニュキアも完了!」というサービスが
できるんではないかいな。
髪と肌と爪のセット。
私が社長だったらすぐにこの3つをセットにしたな。
どれも必ず長〜い時間がかかるのに、別個なのだ。
もしも一気にできたら、どれだけ幸せな事でしょうか。

4月19日・木曜日

シゴトのあと、みんなで中古物件を見に行く。
もう何回目でしょう。
引っ越しもいよいよせねば!というところ。
別にもめてるわけじゃないんだけど、
バブル時代からの場所で、ずっといるのも痛いし、
ピアノの件もあるし。
借りた方が安いのか、買ってしまった方が賢いのか、
まわりに聞いたりすると、どうも後者の方が圧倒的。
でも、とたんに気が重くなる。
目の前に広がり見る物件も、
いったい、安いのか高いのか、わからなくなる。
なんだか、単位がすご過ぎて、「100万円」という、
ふだんはおっそろしい数字が、
ミクロに思えてくるから不思議。
こうして数字に鈍感に。なるなー!しっかりー!だ。
とにかく、
一人でも反対が出たらやめましょう、と決めたんだけど、
今日も一人『なんとなく、、』との声があがり、
なんだかホッとした。
お礼を言った。

4月20日・金曜日

テレ朝「虎の門」で、浅草キッドさんと御一緒。
玉ちゃん、なんと、
「俺は禁煙して8ヶ月だ〜」なのだそうで、びっくりした。
耳をうたがった。あのハイライト男が!?
しかし、見れば肌もきれいになってて、お口もさわやか、
瞳は二重まぶたに(見えた)。
「今、喫煙してる人見るとさー、
ああ、まだまだって人なんだな〜」、と
(たぶん多少は、下に)思えるのだそうだ。
ああ、私も思ってみたい。
軽い感じで(許したる)って気持ちになりた〜い!!
私は禁煙できた方を心から尊敬するので、
御言葉を聞くのも平伏する気持ちだった。
ああ、もっといばってくださいませ。
博士は3日めなんだそうで、
今が一番苦しい時って顔だった。
いつでも吸えるって場所に
タバコを置いておられるのだそう。
私もやろう。
あの不自由さを味わいたくなってきた。
一日が12時間だったらいいのにってくらい、
夜が長く感じるんですよ。
でも、禁煙日記を書くのはやめ。
読み返すと恥ずかしく、その苦しい感じに
(自分で書いといて)、めちゃ吸いたくなる。

2001-05-12-SAT

第211回

4月21日・土曜日


早起き生放送!しゃべり出すと楽し〜!
でも到着までが地獄。朝早すぎるのよね〜。
ただ、強がりみたいだけど、すごいきれいな朝焼け見ると、
トクした!また眼福!と思えてくるんですよ。

新聞配達の方、パン屋さん、お豆腐屋さん、
朝早いシゴトの方って、
意外と夜遅いシゴトの方よりも愚痴らないのは、
ここに理由があるのではないでしょうか。
もう、静かにいいもんいただいちゃった、という。

4月22日・日曜日

オットと、新築のマンションを拝見しに行ってきた。
たいへんけっこう、すぎて、なんか外観から
「いばってます!どうです!」というテイストで
ビラビラ〜!!疲れた。

でもいいカンジの不動産屋さんで、
しゃべってるうちにこういう事を知りました。
たいがい、「奥さんの方が先走ってハンコ押してしまう」、
のだそうです。
いかにも、ウチもそうで、
私など引っ越ししなかったら死にそうってカンジで、
まま、奥さん、抑えて抑えて、と冷静なオットに
横目で舌打ちしてるのでした。

そのあと、中古物件も見せてもらったら、
お医者さんの持ち家だったということ。
内装もきれいで、(さっすが、さりげにいい感じ)。
ここにしましょう、ねえあなた、なんて言おうとしたら、
なんとなくさくっと虫酸が走った。
ふいに寒気がしたのだ。
もちろん気のせいにして、すごしたんだけど。
帰宅してから、一刻も早く手を洗いたくなり、
ゴシゴシやってたら、オットはすでに隣で裸になってて、
シャワーを浴び始めた。
その早さに笑った。
ぜったいナニか、あったな。あそこ。ぶるぶる。
寒気止まらず、電気毛布出してくるまった。
コドモ、帰ってきて、「どしたの?」。わけは話せず。
今思い出して書いてても、ぶるぶる。

4月23日・月曜日

雑誌の取材で、自転車に乗った。
私はホントに自転車が大好きなんだけど、
今日は特別にそういう格好をして、
(バンダナ・Tシャツ・ウエストポーチ)、
表情も(好きです・自転車!)で走った。
しかし、何度も短い距離を
ターン、バック、ターン、バックとしているうちに、
だんだん普通の顔になってきて、
カメラマンはそこをパシャッと写した。
なるほど。そういうものでしたか。

4月24日・火曜日

友だちが集まった。
赤ちゃんもたくさんで、
なんだか光景がちょっと裕福〜な感じ。
若い頃は赤ちゃんがいるなんて、どうでもなかった。
意識の外ってカンジで、なんだか見えてなかったような。
しかし今は泣けばかわいい、泣かないとかわいい、
集まるとおもしろい。

でも、泣き出した子のお母さんは、
すごくあせるようだった。
(家の)コドモは、
もうお姉さんもいいとこという立場になってて、
「昔はさー、主役だったんだなあ、アタシ」
なんて言ってた。
あとでわかるもの。

4月25日・水曜日

NHK「ためしてガッテン!」へ。
「このお茶を、飲み比べてみてください」。
と言われ、ふたつのお茶を飲んだんだけど、
どっちもおいしくない。にがにが。

だいたい私は緑茶ってあんまり飲まないし、
わからないのだ。
しかし、山瀬まみちゃんなどは、
「だんぜんこっち」と片方を指さして言い、
江守さんも、「ああ。まったくそうの通り」と言う。

しかも「それが正解!」と出て、
「え?どっちもまずいですけど」と言ってた自分、
めちゃカッコわるかった。

2001-05-16-WED

第212回

4月26日・木曜日

楽しいビバリー。
(ニッポン放送のお昼の番組のコトです)
そのあとヤノッチと、青山のラーメン武蔵へ行った。
並んださー。うまかったさー。
夜、テレビまで時間があったんで、自宅でピアノを弾く。
久しぶりに指の練習のみ!にして、
そのあと矢野顕子さんのCDかけながら、
歌なしで一緒に弾く、というのをやってたら、
玄関のチャイムが鳴った。
引っ越しなさってこられた真下の部屋の方で、
「ピアノ、ちょっと、うるさいんですけど。」だった。
インターフォンごしに
ひえー、すみません!と、あやまった。
しかし、話し方がおだやかな様子で、ホッとした。
建築家の方で、昼間にお仕事なのだった。

「引っ越す運命なのだよ、これは」、とオットに電話。
ちくりのおミチ。
ピアノのフタを閉じてずうっとせこせこ弾くなんて
むごい話やで。
しかも上にも下にも毛布かぶせてんだからさ、こっちは!
ああ、もう、わずらわしい!と、
なんで俺が叱られとるんだ、とオットに言われるまで
だんだんクレッシェンド。

4月27日・金曜日

また物件をいくつか見に行ってきた。
でも、おもしろい。見てるだけで楽し〜!
ずうっと引っ越しを繰り返す人の気持ちもわかる。

東京って、ちょっと距離があるだけで、
表情がかなり違ってる、という土地柄で、
こんな形状の街は世界中にもないのだそうだ。
どんな都会でも、ほかの国では
ほぼ均一化されてるのが普通なんだって。
そういえばロンドンもパリもニューヨークも、
東京に比べたらワンパターンよねー。

この土地柄を生かして、どんどん引っ越しして、
荷物もどんどん軽くなって、今年はこの街が流行!
なんて週刊誌でも特集されたらおもしろいですよねえ。

今日見たのはピアノOKで、地下が広い物件。
こないだ御一緒した、さる若手芸人さんの、
『家を建築した一年間』の話がおもしろかった。
それ、話せばいいじゃん!おもしろいじゃん!と言ったら、
それはできない、
NG!なんだそうだ。いろいろあるのね。

4月28日・土曜日

帰宅したら、コドモの友だち3人来客中。
なんと、大橋君もいるじゃないか。
おーちゃん、ある教科のセンセイのモノマネしてて、
私は知らないんだけど、
似てるような気がしておかしかった。

そんなに高い声の人間がいるの?というと、
います!いるんです!と全員で合唱。

そのあと、なぜかみんなで、松島トモ子さんの
「ミネラル麦茶!」のCM(ロングバージョン)を、
歌とセリフを全部ソラで言えてた。
全員でぴったりやると、馬鹿みたい。
ラストの「ろっけ茶いらんかね〜」まで。
私のライブでやってほしいほど。

夜、オットと、ビデオで「JSA」見る。
韓国の映画は初めて。
めちゃおもしろかった〜!
北と南の国境があんなに近いなんて、
思ってもみなかったなあ。
感動したっす。

4月29日・日曜日

みどりの日に横浜で、
『ミドリ〜』と、リクエストをいただく。
哀川翔さんの本がおもしろい、と聞き、ネットで注文し、
ついでに「ほぼ日の本」ボタンも押し、のついでに
「ミシン」「禁煙セラピー」など予約した。
事務所の中川さんは今、
「ムーミン」(小説)にはまってて、
大推薦してたのを思い出したが、
途中でダメになりそう、と思ってやめといた。

4月30日・月曜日

CX「目からウロコ」へ。妙におかしかった。
ヤノッチ、TOTOのくじを買ってやってみたそうだが、
サッカーの才能と、バクチ的才能とは
ぜんぜん違うものらしく、かなりはずれてたそうだ。
バクチ的才能なのかどうかはわからないけど、
私の知りあいから聞いた話では、
かつて、ある同僚(女の子)、
本当に宝くじで1億円当たったらしい。
しかし、それが会社に広まるやいなや、
いなくなっちゃった。
もちろん、会社をやめた、という事なんだけど、
まったくの音信不通になってしまって、
誰もそのあとを知らないという。
わずらわしい事が続いたんでしょうか。
なんだかちょっとこわい話ですよねえ。
消えた、ってとこが。

こわいと言えば今日その帰り、前々からいつも通る道に
(こんな住宅街に、あやしげなお店があるなあ)、
とは思ってたんだけど、今日ふと見たら
どうやらそこが引っ越しした様子だった。
それはいいんだけど、はり紙を読んで驚いた。
「お急ぎの方は、
 ここに連絡(○○○ー○○○○ー○○○○)、叉は、
 雑誌さぶの来月号○ページ下の段の文面を参照の上、
 ご了承ください。申し訳ございません。」
 なんだ。何の店だったんだああ!!

2001-05-20-SUN

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