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中沢 |
しかし、今になってみると
物足りないんです。ほんとは
カイエ・ソバージュをまだ続けたい。
2弾、3弾と続けたい気も
しているくらいです。
それは先ほど言いました
人間の心が発生した最初のメカニズム、
モジュールとして作られたものが
いったいどういうふうな構造を
持っているか、
それをもっとはっきりと
数学やらなにやらを使って、
人間とはこういうものなんだよ、
ということをつかみだしたいんです。
そうすると今わたしたちが
ごく当たり前のものだと考えている
国家や、資本主義の経済システムや
社会のあり方でさえもが、
新しいあり方で見ることが
できるようになるし、
もしもその目を持つことが
できるようになるとしたら
今わたしたちの世界が直面している
様々なデッドロックに
乗りあげているものを
超えていくヒントが得られるのではないか
という気がして仕方ありません。
この作業はまたすぐに
はじめられてしまうと思いますから、
あと数年後に糸井さんとタモリさんがふたたび
「はじめての中沢新一」をやってくれたら
ぼくはうれしいなと思います。
それくらい頭の中では
たくさんの考えが渦を巻いてます。
どうもありがとうございました。
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タモリ |
おつかれさんです、どうも。
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中沢 |
いやいや。
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糸井 |
だんだん、消し炭みたいに
なっていくのがうかがえましたよ。
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中沢 |
やっぱり?
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糸井 |
最初はかたい炭で
赤く燃えているのがね、
最後の方はもうね、
うっすら白い灰をかぶったように。
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中沢 |
(笑)
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糸井 |
おもしろかったぁ!
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タモリ |
おもしろかったよね。
やっぱり本とはぜんぜんちがう
迫力とニュアンスがありますね。
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糸井 |
そうだね。
それで本と同じにするもんか、
みたいな、しかも
DVDと同じにするもんかみたいな。
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中沢 |
だって、
入場料、高いじゃないですか。
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糸井 |
高いって考えるのは
交換原理にとらわれすぎですよ。
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中沢 |
あ、失礼(笑)
贈与、贈与!
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糸井 |
今の時代は、
贈与を明らかに欲していますよね。
こちらから、贈与している場合もあるし、
お客さんが贈与してくれる場合もあるし、
いつでも、
バランスなんか取れてないんですけど、
長いレンジでぐるっとまわっているから
バランスが取れているみたいな、
そういうことを
もう現実にできている時代を
感じているんですよ。
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中沢 |
インターネットが
それを実感させる時代には
なってきていますね。
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糸井 |
まぁ、その芸術人類学ということについて、
一冊のパンフレットをみなさんのお手元に
配っていますので、それを
家に帰ってぜひ読んで欲しいと思います。
ここで読んでると、
また時間が経ってしまいますからね。
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中沢 |
読みましょうか(笑)。
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タモリ |
「芸術人類学」でいう「芸術」というのは、
単に絵を描いたりすることじゃないですね。
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中沢 |
ええ、広い意味での「芸術」です。
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タモリ |
非対称性の中で
ぐるぐるまわる産物が芸術だと。
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中沢 |
そういうことです。
(明日に、つづきます)
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2006-01-31-TUE
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