『マリオゴルフ６４』（第６回の２） 任天堂企画部 お手本(?)マッチ 　〜こない打てばええんや！〜

子供たちのみならず、大人の あいだでも盛り上がっている ＮＩＮＴＥＮＤＯ６４ソフト 「マリオゴルフ６４」。 任天堂社内でも、昼休みになると 社内の“おとうさん”たちが 腕を競いあっている、というウワサを 聞きつけた「ほぼ日」編集部は、 さっそくその現場に潜入してきました。 「樹の上の秘密基地」マリオゴルフ篇では、 今回から２回にわたり、その白熱した プレイのようすをお届けします。

ここは京都・任天堂本社の会議室、時は静かな昼休み。 不敵な笑いを浮かべて、バチバチと火花を散らしながら ネクタイすがたの３人があらわれました。 「僕が勝ったら、明日の昼メシ、おごってもらいますよ」 「わかっとるがな！」 そうです、まさしく、これから、 「マリオゴルフ64」完成記念の トーナメントが行なわれようとしているのです。

エントリーは、 元気いっぱいのニコニコ本郷さん（写真左）、 話術にたけた油断のならない山内さん（写真中央）、 そして、どこまでもクールな萩島さん（写真右）。 なにしろ、「マリオゴルフ」のことなら 隅から隅まで知り尽くしている３人です。 聞けば、本郷さんと山内さんは、 実際ゴルフが大好きとか。 「腕には自信ありまっせ」 今回のトーナメント開催にあたり、 選ばれたプレイモードは「スキンズマッチ」。 これは、２人から４人までのメンバーでコースをまわり、 各ホールごとにいちばん少ない打数で カップインできた人が勝者となる、というモードです。 ３人の協議により、コースは、 「まずは、簡単なところがええやろ」 と、レイアウトのシンプルな 「キノピオランド」に決まりました。 キャラクターは、 ●１Ｐ●　山内さん……マリオ ●２Ｐ●　本郷さん……メイプル ●３Ｐ●　萩島さん……ヨッシー さぁ、いよいよ昼ご飯を賭けての おとうさんたちの熱き戦い、 「企画部スキンズマッチ」の開幕です！

１Ｈ　３６３ｙｄ　パー４
まずは第１ホール。取材カメラを意識してか、 緊張の面持ちの第１打です。マリオ山内、 大きなスイングですが、風にやられました。 ぐぐっとカーブしてラフへポトリ。ああ！ 山内： なんでやろな。 萩島： 風ですね。 山内： おもろうないわ！	緊張の面持ちでグリーンを ねらう山内さん
一同： ワハハハ（笑）。 それでもマリオ山内、239.63ヤードの快打です。 続くメイプル本郷は、フェアウエイの真ん中に 222.18ヤードのショット。 ヨッシー萩島も237.09ヤードのフェアウエイです。 第２打は、いちばん遠いメイプル本郷から。 おっと、150.71ヤードを飛ばし、いきなりナイスオンだ！ 山内・萩島： おおおおおおおおっ！！ 本郷： それでもあと10ｍや。さあ、次は山内さんや。 萩島： カメラを意識しないようにしましょうね。 さあ、普通にしましょうね……。 本郷： ショット、絶対弱いですよ。絶対弱いですって。 山内： …………あっ！ ２人の心理作戦にまんまとはまり、 マリオ山内、ショットが弱くなりました。 111.30ヤード、ラフ。まだグリーンには乗りません。 本郷： ほぉーらっ。 山内： ああ。ここのところ忙しくて あんまりゲーム、やってないからなあ（笑）。 （と、言い訳をする） 萩島： よし。 あー、ちょっと強いなあ。 …………よし。 ヨッシー萩島もナイスオン！ 続いてマリオ山内。じっと画面を注視。 どうやら、風を見ているようです。 そうです、コースには逆風が吹き荒れています。 その風にさからって、やや強めに打とうという 作戦のようです。 本郷： あと１５ヤード。 強いんちゃいまっか、強いでしょう。 萩島： うまい具合に、風で戻されてますね。 風のおかげで、強めに打った球が戻され、 みごとグリーンに乗りました。 山内： へへん！　どや！ 本郷： おお！ なかなか、それなりに（笑）。 得意げなマリオ山内は、鼻をこすりながら 「君の、ちょっと難しいんちゃう？」 などと、ヨッシー萩島にプレッシャーをかけます。 しかし、まったく動じないで、 ヨッシー萩島、残り0.6ｍのナイスタッチを決めました！ （「マリオゴルフ」は、コースでの距離表示は 　ヤードですが、グリーン上ではメートルになります。） さて、続いてはメイプル本郷。これが入れば バーディです。 慎重に、慎重に、……打ちました……。 本郷： ちょっと左かなあ。 ちょ、ちょっと。ちょっとちょっと！　入れ！ 山内・萩島： 入るな！
本郷： よしこい、よしこい！　よしこい！ 入った！ よっしゃあ！！（片手を天に突き上げる） バーディですわ！ おおお、３打目にして、なんと10ｍの ロングパットを決めました！ 第１ホールは、明らかにメイプル本郷の勝ち。 １ポイント先取となりました。	メイプル本郷先取。「幸先いいぞおっ！」

２Ｈ　１６１ｙｄ　パー３　雨
続いての第２ホールは、いきなりコースに 雨が降っています。ああ、条件悪し！ しかし、第１ホールで勝った先発の メイプル本郷は、勝つぞと息巻いています。 そして、おお、出ました、ナイスショット！ 本郷： 連続ゲットや！ よし、よし！ ナイスショットや！ バシっと。ビタッ！ １打目にして159.90ヤード、ワンオンです！！！ さあ、続いてはマリオ山内。 山内： これ悪うないよ。 このホールいただきか？ 本郷・山内： お！　おお！！　あれ？　あれあれ？ 残念……乗ることは乗りましたが、ピンからは遠い。 そんなメイプル本郷とマリオ山内の争いをしり目に、 涼しい顔でヨッシー萩島がショットです。 これも、ナイスオン！ さてマリオ山内、ロングパットに挑戦です。 これで入れれば勝つ……か！？　というのに、 ……みごとに外してしまいました。 メイプル本郷とヨッシー萩島は高笑いです。 本郷・萩島： ハハハハ（笑）。 本郷： いただき、ってことですね。 萩島： これ僕が入れれば流れるってことですね。 ヨッシー萩島、２打目でホールイン。 バーディーを飾り、これによって自動的に マリオ山内はギブアップとなりました。 さあ、勝つのはヨッシー萩島かメイプル本郷か？！　　　 本郷、パットを構えます。 本郷： ……でもちょっとこれは難しいで。雨やし。 山内： ちょっと長めに、５ｍくらい打ったらええんや。 本郷： ５ｍはきついでしょ。 ５のちょっと手前でしょ。 山内： 大丈夫、大丈夫！ 本郷： いーや、ちょっと手前！（打つ） 萩島： あ、弱い……？
本郷： いやいや！　大丈夫や！ 萩島： あ、うまいな、うまい。 本郷： おお！　入った！！！ イエーイ！ このホールは、メイプル本郷とヨッシー萩島の 引き分けとなりました。	メイプルも「ウフフ」

ここでちょっと豆知識。 「マリオゴルフ６４」の「スキンズマッチ」は、 打数の少ない人が勝者となります。 ホールごと、勝った人に、１コースにつき１点の ポイントが加算されていき、最終的にその点数で 優勝者が決まります。 もし、同じ打数のプレイヤーがいて引き分けの場合、 そのポイントは次のホールに持ち越されます。 もし、引き分けが続くと、どんどんポイントは 加算されてしまいます。

いけませんよ、マリオ山内。やられてますよ。　　　　　 クヤシイ気持ちを第３ホールにぶつけて、 一気にポイント、稼ぎましょう！！！ （なぜか、負けている人の応援を 　したくなっちゃいますね。）

　

３Ｈ　３４３ｙｄ　パー４
まずはマリオ山内から。 山内： あ、あ、悪くない。 ……あれ？　しもたしもた。 チッ。（舌打ち） よし。ああ！ 第一打はまっすぐとんだものの、やや距離がのびず。 マリオ山内は悔しそうに頭を掻いています。 続いてヨッシー萩島、なかなか上手なプレイで、 まっすぐフェアウエイに飛ばしました。 本郷： やっぱヨッシーは飛ばすね。 山内： 高すぎるんやないか？ ああ、そうでもないか。 萩島： 風がない分、高いほうが飛ぶんですよ。 本郷： でもちょっと弱めやな。 風がちょっとだけありますな。 上、上ちゃうか。よしっ！ メイプル本郷、いすに座ったまま ピョオ〜〜〜〜ンと飛び上がってのショットです。 萩島： ほほう、よう動きましたね（笑）。 本郷： ほらほら。 一同： おーー！ やった！　メイプル本郷ナイスオンです。 本郷： でもピンまで５ｍや……。 こりゃあパター勝負やな。 続くマリオ山内、ここでグリーンに乗せたいところ。 気合いを入れて、ショット！	「しもた、しもた、しもたぁ……」
山内： あっ！　（しまった、という顔をして）短い！ 短いなあ。………あ、そうでもないか。 そうでもないですよ。ナイスオンです。ほっ。 好調なヨッシー萩島は、どうでしょうか？ 大きくふりかぶって、……おっ？ すばらしいナイスショット！ 本郷・萩島： おおおっ！！ おーおーおー。 本郷： さすがに。 山内： さすがやり込んでるなあ、おい（笑）。 萩島： そればっかりじゃないですか（笑）。 本郷： さすが、猿出すとはなあ。 ナイスショットのうえ、ナイスオンで、さらに、 まっすぐピンに当たりました。 知らなかった！　こういうふうにグリーンの外から ピンに当たると、お猿が上から落ちてきて、 しりもちをつくんですよ！？ というわけで、猿にも祝福されて、 もう勝ったも同然なのか！？ ニヤリと笑うヨッシー萩島を横目でにらみながら、 マリオ山内は面白くなさそう。 ここで一発、決めたいところです。 し・か・し…………残り0.95ｍというところで、 わずかに外してしまいました。 山内： あーー！（頭を掻く） 本郷： くー。 萩島： おしい！ どうやら、わずかに傾斜がついているようです。 山内の失敗は、続くメイプル本郷にとっては、 よい反面教師に。 先人の轍を踏まないように、慎重なパットです。 本郷： これ入れとかんと。 これ、どないなってんのー？
山内： （手振り付きで）ちょっとこう、傾いてる。 本郷： そうですね、こっち落ちてる。 こんなもんでしょう。（打つ） 山内： これええんちゃうか？ 本郷： よし、よーし！ （片手を天に突き上げる） メイプル本郷、３打目でカップイン。 バーディーです。 よって、マリオ山内は、またもやギブアップを 余儀なくされました。 悔しいマリオ山内。もう、ひらきなおって、 このホールはヨッシー萩島のアドバイザーに 徹する模様です。 山内： 強めがええんちゃう？ 本郷： いや、触るだけでええんちゃいます？ ちょっとだけ……。 萩島： どっちなんですか（笑）？ 本郷： いや、俺は入れてほしくないから（笑）。 山内： 強め、ちょっと強め！ 本郷： いいや、ちょっと触る感じ。チョチョイって。 萩島： よっ。（打つ） 本郷： あ！　これ振り過ぎや！？ 山内： 大丈夫、大丈夫。 ヨッシー萩島も３打目でバーディーに。 またもや、引き分けです。 さあ、次のホールはどうなるか！？	本郷さん、山内さんの掛け合いに クールな萩島さんもニコッ

　

４Ｈ　４７７ｙｄ　パー５
さあ、続いては「ドラコンホール」です。 これは、ティーショットでいちばん飛距離の出た人に ベット（賭け点）が与えられるというもの。 それは最後の結果にも影響するとあって、 ちょっと力が入るのです。 企画部３人衆も、かなり興奮ぎみ。 本郷： 出た！　ドラコンや！ 山内： よし、やったろ！ 本郷： よし！　よしよしよし。 山内： ここはマリオに有利ちゃう？ 本郷： ドラコンはヨッシー得意ですからね。 萩島： いや、メイプルとかマリオのほうが、 元から持っているもの（潜在能力）はいいと思います。 キャラクターによって、飛距離が 違うんですよね。ここで登場するキャラクターでいうと、 ●マリオ……270ヤード ●メイプル……245ヤード ●ヨッシー……230ヤード ですから、「ドラコンホール」では、 マリオが有利なはずなんです。 マリオ山内は余裕の表情。 第１打のメイプル本郷は緊張気味です。 本郷： あっ！　１目盛り損しました。 ま、普通かっ。 267.33ヤードとなりました。健闘です。 さあ続いては期待のマリオ山内。
山内： （打った瞬間に）あああっ！！（絶叫） うわぁぁ！　278.05ヤードと、 飛ぶことは飛んだんですが、 深いラフに突っ込んでしまいました。 山内： こりゃマイッタ。こりゃ失敗したなあ。 本郷： こりゃラフちゃうか？ 山内： ブラックや。 目の前がマックラになっているようです。 さて次は、ヨッシー萩島。 目指す地点のすぐそばに、バンカーが控えています。 それに気づいたメイプル本郷とマリオ山内、 さっそくプレッシャー作戦に出ました。 本郷： バンカーかなあ。１目盛りが命取り！ 山内： どうも調子悪いなあ！　な？ しかし、そのヤジにめげず、 ヨッシー萩島、249.10ヤードを飛ばし、 ドラコンゲットとなりました。 さあここからが正念場です。 誰が最小打数でこのホールをものにするのか。 前回、前々回からの引き分けもちこしで、 このホールを制すると、３ポイントゲットですよ！ 本郷： メイプル、女の子としてはけっこう飛んだでしょ。 山内： そうでもない！（強がり） 萩島： メイプルは女の子ですけど、けっこう飛ぶんですよ。 本郷： 飛ぶ飛ぶ。 山内： ２８０（ヤード）飛ばすらしいやないか……。	実に表情の豊かな山内さん
そんな会話をしながらショットをしたせいでしょうか、 ヨッシー萩島、珍しくミスショットです。 ２打目はポトリとバンカーのすぐ脇のラフへ。 萩島： やばいっ！！　ああ！（ガッカリ） 本郷： これはもらいやな。 次は、めいっぱい飛ばしたらええんやな。 よし！ 山内： それは飛ばしすぎ、やりすぎですわ。 本郷： イヤイヤイヤ（笑）。まあ見とれ。 よおっ！（打つ） 再び体を動かしながらコントローラーを操作する メイプル本郷。御満悦の表情です。 聞くところによると、メイプル本郷とマリオ山内の ２人は、実地訓練ばっちりのゴルファーだとか。 そういう練習が、このゲームにも役立っているに ちがいありません。 メイプル本郷、ナイスショット＆ナイスオン、 しかも「エクセレント！」なんて褒められてます。 山内： これはでかいでかい。 本郷： これはバッチリですわ。 山内： おおっ！ 本郷： アルバトロスかと思ったよ。 エクセレントですよ。 アルバトロスというのは、ゴルフ用語で、 パーより３打少ない打数でカップインすることです。 ダブルイーグルともいうそうです。 ううむ、やはり、メイプル本郷、ゴルフに強いな！？ マリオ山内、くやしそう。 山内： これはちょっと何とかせなあかんな。 あっ！？ あかん、これは。 まいったあ！ あーー。 あーあ。マリオ山内、ラフです。 連続してマリオ山内のショットに。 本郷： ラフ、ラフ。キャディさんが言うとしたら、 「お客さんもう１球」ってやつですね、これは。 山内： くそー！ よし、いくで！ 本郷： おお！？ ちょっと弱い。 マリオ山内、３打目にしてようやく グリーンに乗りましたが、 ピンにはさほど寄りません。 さあ、ヨッシー萩島の番です。 山内： ああ、８ｍかあ。 これ入れられたら痛いやろ。 本郷： ツーオンですからね、私は。 一同： ハハハハ（笑）。 本郷： ツーオンですからね。（しつこく） 萩島： （打って）あっ、あかんなあ。 本郷： ああっ！！　でも。 山内： おー、ええええええ？！ なんとプレッシャーに強いヨッシー萩島。 見事にナイスオン。 画面にも「グレイト！」の大きな文字。
本郷： グレート！ 山内： こりゃ難しいで。 萩島： グレート、グレート。 本郷： グレート小鹿……。 （編集部註：昔のプロレスラーの名前です） ああ……。 山内： ８ｍやで。こりゃあ難しいでっせ。 萩島： 次、山内さん。 山内： あ、俺か（笑）。 一同： ハッハッハッハ（笑）。 もうすっかりあきらめちゃったんでしょうか、 マリオ山内。 山内： ああっ！　ダメや。 調子悪すぎる。 一同： ハハハハ（笑）。 山内： 調子悪すぎや、どう考えても。 …………ほんとに調子悪すぎです。 ４打目も入りません。 一方のメイプル本郷は、 これを入れたらイーグルです。 本郷： これ入れたら勝ち！ これまっすぐちゃうやろ。 山内： こう下がってるよ。 本郷： （画面に近づきながら）下がってるんちゃいます？ 山内： もうちょいいかなあかんで。 本郷： いやいや、２ｍはこんなもんですよ。 山内： いやいや、打つだけやん。 本郷： 打つよ！　これで５ｍだからやね……。 山内： こりゃあかんわ。 本郷： いやこれは入ったんちゃうかな。 萩島： あっ！
本郷： あー、アイタタタタタ。 おっと、イーグルパット入りません！ くやしいメイプル本郷。 山内： はっはっは。（うれしそう） 本郷： またポイント流れたなー。 ようやくマリオ山内、入れました。 それでもパーなんですけどね。 本郷： あー、痛い。 痛い痛い。 せっかくあんなゴージャスな当たりをしてたのに……。 ヨッシー萩島、４打目でバーディーを決めましたが、 それでもくやしそう。 次はメイプル本郷のパットです。 本郷： これははずさんでしょ。 ２ｍ５０cｍ？（余裕） 山内： あー！　強い強い強い強い！ マリオ山内、もう、やけになっているんでしょうか。 メイプル本郷は、余裕たっぷりに、 ４打目でバーディーでした。 またもやヨッシー萩島とメイプル本郷、 引き分けでポイント持ち越しですよ……。	「ひいいっ、ほんまかいな……」

　

５Ｈ　３５５ｙｄ　パー４
２ホール目からずっと引き分けですから、 このホールで勝つと、一気に４ポイントが入るわけです。 これは、でかい。 ぜひとも勝ちたい。 誰しもがそう考えながらの、 第５ホールのスタートとなりました。 まずはメイプル本郷のティーショットです。 本郷： これ、ひょっとしたらあの、 （コースが）上ってるとこか。 ようし！ 山内： あの先まで行ったらフラットやね。 あ。あ、あ、あ、ラフ違う？ ちゃうちゃう、ラフちゃいます。 メイプル本郷、かろうじて フェアウエイに乗せました。 続くマリオ山内は、なぜか余裕の表情。 「大きく打つ必要ないやろ」 なんて言いながらも、思いっきり強打。 281.92ヤードを飛ばしました。 おっ、これは、調子が出てきたのかも？ いっぽう、最後のヨッシー萩島、 238.93ヤード。ラフへぽとり。 これは、ヨッシーの本来の飛距離からみれば なかなかの健闘なのですが、 ゲームの勝敗をかけている身としては不満です。 ガッカリするヨッシー。 メイプル本郷はしてやったりの表情です。 本郷： これでヨッシーは脱落、と。 ラフ、と。 山内： ニアピン勝負やなぁ。 本郷： でも１０５ヤードしか残ってへんやん？ 楽勝や！　ラクラク。 山内： いい勝負や（笑）。 しかしヨッシー萩島、２打目はみごとにナイスショット。 しかも、ナイスオンです。一気にバーディーチャンス！ マリオ山内、安心していられなくなりましたよ。 本郷： マリオは残り７５ヤード……難しいとこですな。 山内： 難しい。 本郷： サンドウェッジ（ＳＷ）が８６ヤードで、 ピッチングウェッジ（ＰＷ）が９８ヤードか……。 追い風やからねえ、普通に打つと強すぎかなぁ。 萩島： かなり飛びますよ。 本郷： フルではちょっと打ちすぎってやつですよ。 （マリオ、打つ） あっ！　ちょっと弱すぎるんじゃないですか？ 山内： あかん。……これは弱いわ……。 ああ、なんたることか。追い風を気にしすぎたか、 弱めに打ったのが裏目に出ました。 マリオ山内、グリーンわずか手前のラフで ボールが止まりました。ああ！　あと一歩なのに！ またもや、メイプル本郷vs.ヨッシー萩島の試合に なるのか？ 本郷： これは、飛ばしてる場合やないな。 山内： たのんまっせ！（もうあきらめたらしい） 本郷： 残り５９ヤードやろ。 山内： これ難しいでぇ。 メイプル本郷、打ちました。 本郷： あっ！　強すぎる！ あっ！　ああっ！！（絶叫） あああああ！　グリーンに乗ったものの、 アプローチに失敗。飛ばし過ぎです。 ピンをはるかにオーバーしてしまいました。 山内： これはでかいわ。 本郷： でかい！　やめてぇー。 はあっ、１１ｍかぁ。これはあかんで。 落胆するメイプル本郷をニヤリと横目で見て、 マリオ山内が、グリーンエッジから 一気にピンめがけてショットします。 これはチップインを狙っているのか？ 本郷： あ……うまいうまいうまい。おお。 山内： いや、あかん、これじゃあかんわ。 狙いは外れ、ピンに寄りません。 それを見て、気をとりなおしたのが メイプル本郷です。 本郷： 俺も、これは入れなあかんね！ 何ｍ？　１１ｍ！？ これ、まっすぐちゃう？ ちょっと前に落ちるなあ。 ということは……？ 山内： ほぼまっすぐでいいような気もするけどねぇ。 本郷： 難しいね、これ。うーん……。 （打つ） 弱いか……？？？ しかし、しかし、しかーし！！ 運の強いメイプル本郷、 ロングパットにもかかわらず、 一発でカップインを決めました！ 本郷： よっしゃああああああああ！！（絶叫） 山内・萩島： おおー。（ため息） 萩島： うまいなぁ、本郷さん。 本郷： まかして！（自慢げ） さあ、いよいよクライマックスです。 これでヨッシー萩島が入れられなければ、 ポイントはすべてメイプル本郷に行ってしまいます。 もし見事にバーディを決めれば、 またもや引き分けになります。 ここは、メイプル本郷、心理作戦でヨッシーを 動揺させるしか手がありません。
本郷： あ、ヨッシー、こんな残ってるんや。あらあら！ 山内： これは難しいけども。 本郷： これは入らへんなー。 山内： いや、萩島クンならいけるで。 萩島： ちょっとぉ。プレッシャーかけないでくださいよぉ……。 ほんとにもう……。	あくまで冷静なヨッシー萩島は、 かなりの実力者。
ヨッシー萩島、口ではそう言っていますが、 ショットは冷静です。 ボールはゆるやかに、まっすぐに、 カップめがけて一直線。 さあ、入るか？　入るか？ 山内： 入れ！　入れ！　入れーっ！！！ …………入ったぁぁぁぁぁ！ 萩島： （大声で）よしっ！ 本郷： ああっ！　なんちゅうことや！（天を仰ぐ） またしても、ああ、またしても、ポイントは持ち越しです。 いったい、この先、どうなっちゃうの？ 冷静なヨッシー萩島と、熱いメイプル本郷の一騎打ちか？ それともマリオ山内が、「いいとこどり」で ポイントを奪取するのか？	ノリで勝つタイプのメイプル本郷。 果たしてこの勝負の行方は！？

うわぁ、なんだかすごく気になる！！ というところで、今回はここまでです。次回は、 「任天堂企画部 お手本(？)マッチ 　〜こない打てばええんや！〜」 その「後半戦」の模様をおとどけします。 白熱する任天堂本社の昼休み、 はたして、読者のみなさんのお手本になるような 美技、秘技、奥技は出るのか？ どうぞお楽しみに！

1999-7-13-TUE

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