帰ってきた!
田島貴男の
2005年 オレのニュース。


ニュース その1
キノコ狩り、恐怖の迷宮。

第11回
あの3人は、なにかに似てるな。


無事キノコ狩りを終え、
車を停めた場所にシートを敷き、
中山さんの握った巨大おにぎり
(握りこぶし2.5個ぶんありました)と
むきたての柿と梨で、お昼ごはんです。
めっちゃくちゃおいしい!


中山さんが、ガンガン柿と梨をむいてくれます。



── 中山さん、なんでおにぎりが、
こんなに巨大なんですか?
中山 わかんね。
おにぎりは、大きいほうがうまいの。
それだけ。
田島 たしかに、でかいとうまいな。
オレ、一瞬のうちに食ってたね。
──

中山さんのおにぎりを
勢いでいただいてしまい、満腹となり、
行きの道中で買ったコンビニのお弁当が
意味のないものに成り果ててしまいましたが、
まあ、あれおよびイナゴは夜にでも食べましょう。

西田さんは、今日の収穫を
バットに大切に並べています。

西田 これは、一見なんでもないキノコですけど、
見る人が見れば、目の色がかわるぞぅ。
でも、中山さんは
もっとうまいキノコを知ってるんですよ。
中山 脚力がついたら、次は
そのキノコが採れるところへ
連れてってあげます。
田島 ぜひ。
── 梨を食べながら
キノコ狩りを振り返る一行。
落ち着きを取り戻した番長と
キノコ・ザ・トリオのたのしい会話を
こちらの動画でおたのしみください。
(↑こちらをクリックしていただくと、動画をごらんいただけます。)

番長、やっぱり我々は
脚力が足りなかったようですね。
中山 あっちの山は、いいキノコが採れっけど、
全部斜め歩きの上り下りだから、
きついよ。
田島 完全に、顔色が悪くなっていくでしょうね。
──

さて、車に乗りまして、
我々は山を降ります。
一同、軽い放心状態です。

番長、本格的なキノコ狩り‥‥ではなくて、
田島 山登りでしたね。
これは、完全に男はハマっちゃうよな。
仕事を3日休んで気合い入れて行くか、
みたいなかんじだろうね。
このレベルは、ギャルにはちょっと
かわいそうかもしれないな。
── 気合い入ってるギャルは大丈夫でしょう。
死と隣り合わせだったら、きっとやれます。
田島 ところで、キノコ名人の3人は、
ふだんは何をやっておられるのだろうか?
── お勤めのようです。
中山さんは、お店を経営しておられるそうで、
これから中山さんのお店で
みんなで採ったキノコを食べようということに
なっております。
お店をやってらっしゃるということは、
今日(平日)はお店、
どうなさっているんでしょうか。
ちょっと心配です。
田島 まさか、休んだのかな?
しかし、彼らの山に入ってからの
目つきの変わりようは、すごかったね。
あれは‥‥そうだな、
オレたちがレコード屋に行って
寡黙になって、
なにもかもをほっぽらかしてしまう、
あのかんじに、そうだよ、
‥‥あのかんじに、似てる!!
オレも、ああいう目、してんな!
── 誰を連れていようが、おかまいなしで。
田島 楽器屋に行ってもそうだもんな。
たまに思い直したように
「こういうギターもあるよ」なんて
教えてあげたりして。
── これは男子独特の行動パターンですね。
田島 「何年のこのアーティストのがあったよ」とか
「これは高いんだよ」とか、
そういえば言動が
完全に同じかんじだよ、ヒャハハハ。
── 見つけてうれしいのに、
露骨に喜ばないところも。
田島 ッハハハ、いっしょだ!
── トリオ・ザ・キノコのみなさんのタイプが
三者三様でおもしろかったですね。
田島 キャラのバックリ分かれてるのが、
よかったね。
音楽ファンにたとえるなら、
西田さんは、食えないキノコも
写真を撮ったりして、
収集したものをしげしげと見ておられたから、
完全なるマニアだな。
中山さんは、レコ屋の買いつけオヤジで、
薬になるものやおいしいキノコ専門。
荒谷さんは、独自路線で飛び回っていたし
(あとでうかがったところによると、
 荒谷さんは理系のお仕事をなさっていて、
 研究用のキノコをさがしていたそうです)。
ところで、前のトリオ・ザ・キノコの車、
帰りはなんだか
ゆっくり走ってくれてるかんじがしない?
── もうレコード屋を
まわったあとですからね‥‥。
田島 ッハハハ、マッタリしてんだ!
行きは、テンションあがってんだよね、
知らず知らずに。
そうだよね、やっぱ!
わかるわかる!!
楽器買いにいくときもそうだもん、
帰りはユルーくなってる。
── そう思うと、前の車一台に乗っている人たちが
とてもかわいく思えてきました。
職業も年齢もバラバラで、
まさに、キノコでつながっている3人ですね。
田島 キノコの話をしてんのかなぁ、いまも。
やっぱ今年のクリタケはどうこうで
シメジはあそこがいい、とか。
── そうでしょうね。
あれ? 突然車が停まりました。
中山さんがなにやら買っています。

ここで何を?
中山 豆腐だけ、買ってくの。


突然、豆腐を購入する中山さん
── はあ、豆腐“だけ”?
よくわかりませんが、買物らしいです。
田島

じゃ、オレもコーラ買っとこ。


みんな、自由が大好きです。


疲れたあとは、コーラがうまいそうです。

田島 山道に入ったとたん、
中山さんの車が速くなったよ。
速い速い(ツッコミ風)!
あの人は山を見ると、
無意識にアクセルを踏んでいるんだね。
そうなってしまうのだのぅ。
おっと、そういうオレも、
日本の山の風景を見ると、
また『日本昔ばなし』の口調になっちゃった。
しかし、実際に山に入っているときは、
そんな余裕は皆無だったね。
のどか指数、ゼロ。
──

完全に、
心は棒立ちでしたね。
‥‥なんだか、ふたたび車が停まりそうですね。
ショップに寄るようです。
我々も、降りましょう。

田島 トチの実のおまんじゅうが売ってるよ、
買っていこう。
山椒の佃煮も、白菜の漬け物もうまそうだから‥‥
でも、あんまり買っても食べきれないな。

── まだ、イナゴもありますし。
田島 なんだか、中山さんが
店員のように、店の裏側に入ってないか?
あの人は、このへんの「顔」なんだね、きっと。

── さっきの豆腐屋さんでも、
おばさんとやけに親しげでした。
田島 すげえな‥‥。
あ、こんにゃくの田楽とか、食べていこう!



山の疲れに、みそのあまみが、
ジワッとしみるね。
── さ、今度こそ、ゴーホームです。
車に向かいましょう。
田島 あそこ見て!

── ほかのグループが、
キノコの選別してますね。



道ばたで選別してますね‥‥
‥‥中山さんが!

田島 ギャハハ、どこにでもいるな、あの人!
── さて、全員車に乗り、
今度こそ中山さんのお店をめざします。
山を3つほど越え、だんだんと
平地に入っているのが、
樹々のようすから、空気から、わかります。
田島 山を降りていくよ、我々は。
── なんだか、すこしだけ、さみしいですね。
田島 日も傾いてきたし。
── 一日って、短いですね。
田島 短い一生の短い一日。
すでに、薮が懐かしいね。
薮に帰りたい。
──

このあたりから、だんだん番長の電源が
切れはじめました。
田島 我ながら、言動に
もう推敲がなくなってきた。
── 番長、いつも推敲を‥‥?
田島 いや、たいしてしてないけど。
言動の、ふるいの目が粗くなっているというか、
完全にふるいのワクだけになってしまっているよ。
── そういうときは、どうやら世間では
無理して話さなくていいらしいですよ。
田島 そうなの?
しゃべらずにはおれんなあ。
とりあえず、ジューシーだという、
ホンシメジをはやく食いたいね。
でも、人間が好きなキノコは、
虫も好きだから、
ヒダのところに虫がいるんだってよ。
水につけて追い出すらしいけど、
中山さんはそんなことはしなさそうだから、
虫の何匹かは食うだろうね。
── うぐぐぐ。
田島 ま、みんなをそれに馴らしてあげようと思って、
オレはイナゴをね。
── 番長、そこまで考えて‥‥。
田島 うん、そう。
── やさしいですね。
田島 ジェントリーでしょう。
ジェントリー貴男です、ッハハハハ。


このあたりの、どうしようもない会話を
聞きたいです、というメールを
みなさまよりいただいておりますので、
今回は思い切って放映いたします。
ジェントリーという言葉で
番長が思い出したことは、なんでしょう。
どうぞ動画でごらんください。
(↑こちらをクリックしていただくと、動画をごらんいただけます。)

ヒトの限界の深淵を
軽くのぞき見たりしながら、
番長カーは、中山さんのお店に到着しました。
ジェントルマン、レディ・ゴー。




なぜなに番長、質問です。
好きな人に振り向いてもらう方法は?

「ワタクシのような男に訊いている時点で
 まちがっておるよ。
 本気で振り向いてほしいと思っているなら
 オレに訊いていないと思うよ。
 そんなことより、
 さっさといろんなセンスを磨いたりするでしょう。
 だから、本気じゃないのだよ、きっと。
 ちがうかな。
 
 でもね、
 自分のなかで
 その気持ちを持ちつづけることで、
 いいんだとオレは思う。
 
 実現することではなく、
 “持っている”ことに
 なにか意味があるんじゃないのかな、と
 オレはいつも思っているんです」

届かぬ思い、叶わぬ恋、つらいです。
しかし、その気持ちにちゃんと向き合う経験が
あるかないかで、ちがってくるもんだよ、
とおっしゃる番長です。

なぜなに番長に質問のある方は、
件名を「なぜなに番長」として
postman@1101.comまでメールでお送りください。
すばらしい「なぜなに」をくださった1名さまに、
2005年なぜなに大賞として、
「オレのニュース。」公認 缶バッジ
シリアルナンバー011をお贈りします。

※なぜなに大賞に輝いた方には、「ほぼ日」から
 住所やお名前などを
 おうかがいするメールを差し上げます。
 こちらから連絡の取れるメールアドレスから、
 ご質問をお寄せくださいね。


なぜなに番長の受付は、しめきりました。
たくさんのご投稿、ありがとうございました。


最近の、オリジナル・ラヴ

『恋の片道切符/青い鳥』(ポニーキャニオン)

11月16日に発売されたニューシングル。田島貴男さんが日本語の歌詞をつけてカバーしたニール・セダカの『恋の片道切符』、レオン・ラッセルの『青い鳥』の、名曲2曲に加え、新曲の『ピストル・スター』が入った豪華なマキシシングルです。「かっこいいです、番長!」のひとことに尽きます。


感想メールはこちらへ! 件名を「5大ニュース」にして、
postman@1101.comまで、
ぜひ感想をください!
ディア・フレンド このページを
友だちに知らせる。

2005-12-14-WED

POMPEII
戻る