(株)東京糸井重里事務所のシノダです。 取締役CFOという役割で、人事を含む管理部門の責任者もやっています。 このたびは、当社のデザイナー、宇宙部、経理の人材募集に 興味をもってくださり、ありがとうございます。
それぞれの詳しい仕事の説明の前に、 まず、この会社の経営にたずさわる立場から、 私たちが何をやって「食べて」いるか、 どうやって実現しているのかについて 少しご説明します。
○何をやっているか (株)東京糸井重里事務所は、 糸井重里が主宰する インターネット上のウェブサイト 「ほぼ日刊イトイ新聞」を運営しています。 通称は「ほぼ日(ほぼにち)」です。 ほぼ日は、1998年6月6日以来、 毎日更新をつづけて16年目に入りました。 当時、個人が始めたウェブサイトで 今日まで続いているものは、多くないはずです。 サイトでは、有名無名問わず、 さまざまな方へのインタビューやコラムなど あらゆるコンテンツがすべて無料で楽しめます。 月間平均、約117万人が訪問しています。 1999年以降は「ほぼ日手帳」を代表とする さまざまな生活関連商品を開発し、本も出版しています。 これらをサイト内「ほぼ日ストア」で通信販売したり ロフト、全国の書店などに卸したりして収益を得ているのです。 なかでも、主力商品の「ほぼ日手帳」は 9年連続「ロフト」売上ナンバーワンとなっています。 2001年に発売して13年目をむかえていますが、 年々伸び続け、2013年版は48万部販売しました。 こうした商品や書籍の販売売上が、全体の約95%を占めます。 ウェブメディアには珍しく、 広告掲載事業は行っていません。 社員は年々少しずつ増え、現在は50名、 アルバイトや役員を含めて約60名の組織です。 詳しくは、こちらの「会社情報」をご覧ください。 ○価値を生み出す考え方 糸井事務所では、「人は、何がうれしいか」という 普遍的なテーマを 他にはないアイディアで実現して 世の中に価値をお届けしようとしています。 「人は、何がうれしいか」の「人」を まず「自分」とおいて考えるところから始め、 深堀りしながら仕事の核を生み出していきます。 「ほぼ日」のコンテンツは、 ひとつひとつがアイディアの塊です。 核となるコンセプト、表現、お客さまへの渡し方まで 必ず「何がうれしいか」に考えをめぐらせるように 気をつけています。 作り出したコンテンツは、多くのひとに 直接楽しんでもらいたい、と思っています。 銀座通りのように、老若男女、たくさんの人が集って それぞれが自分の楽しみを見つけている。 「ほぼ日」をそのような場にしたくて、 無料コンテンツを毎日、インターネット上で更新しています。 さらに、アイディアの塊であるコンテンツの中には、 「商品」という形でお客さまにお届けするのが いちばんうれしい、と判断できるものも出てきます。 この場合、お客さまへの販売の仕方、自分たちの稼ぎ方にも アイディアが必要になります。 無料、有料を問わず、すべてコンテンツを このような考え方で作り出し、 お客さまに楽しんでいただこう、 世の中に価値を生み出そうとしています。 ◯価値を生み出す仕組み 糸井事務所の組織は、 一人ひとりの動機を基点にしています。 それは、本人の動機が明確にあればこそ、 「それは、ほんとうにうれしいの?」という問いに迫りきり、 アイディアの総量が増え、 同僚や周囲のお取引先を巻き込んで 細かいところまで目配りして 最終的に、お客さまに伝わる、価値を生むよう、 仕事を仕上げられるからです。 これは、今回募集する職種でいえば、 デザイナーだけではなく、宇宙部、経理も同じです。 どの仕事、どの企画も 各人、各チームが、動機を基点にしながら 「動機」「実行」「集合」と私たちがよぶ 3つの面をぐるぐる回します。 ●「動機」では、自分から始まって 「人は、何がうれしいか」まで深く掘ります。 ●「実行」では、それを具体的な形にします。 技術やチーム力が発揮されます。 ●「集合」では、アイディアやコンテンツを お客さまと一緒に楽しみます。 これらを合わせて 「クリエイティブの3つの輪」と呼んでいます。 「Unusual」というコンテンツの中に、 もう少し詳しく説明した回がありますので もしご興味があれば、そちらもご覧ください。 一人ひとりが動機を基点に仕事をすることと 密接につながるのが、 スポンサーを入れない、 無料コンテンツで十分楽しめるようにする、 そして毎日更新する、という「ほぼ日」全体の仕組みです。 ●スポンサーを入れないので、 自分たちの動機ではない、何かの「都合」による仕事は、しません。 ●無料コンテンツで十分楽しめるようにすると、 たくさんの多様な読者が集まり、 自分たちの動機がどれほど世の中に喜ばれるか、実感しやすくなります。 ●毎日更新しているので、いつでも「打席」があります。 場数を踏んで、「動機」「実行」「集合」をどんどん深めていくのです。 糸井事務所では、このような考え方と仕組みで 毎日の仕事を進めています。 そうは言っても、これは原則ですので、 実際は進めながら、これでいいのかな、と 確認したいときがよくあります。 そんな時に使うモノサシが 「よろこんでもらう」を確かめるモノサシです。 _______________________ ☆じぶん ☆取引先 ☆お客さま ☆社会 と仲間 と関係者 とその周辺 と歴史 _______________________ それぞれの☆の横にある人たちが、 「よろこんでくれる」と思えたら、 ☆を★に塗りつぶします。 「よろこんでもらう」を確かめるモノサシについて 糸井重里が「今日のダーリン」で紹介したことがありました。 ここに再掲しますので、よろしければお読みください。