コンサルタントとしてのボク。
飲食店を経営する人たちを
シアワセにすることを仕事の目的にしていました。
飲食店が今のようには多くなく、
産業としての外食産業はまだまだ未熟。
大きなチャンスがありました。
どういうチャンスかといえば、
店をいくらでも増やせるチャンス。
ただ条件がありました。
その地域の人が食べ慣れていない料理を
提供してあげること。
だからハンバーガーのようなファストフード。
ハンバーグをメインとした
洋食のファミリーレストランが適していました。
車に乗って家族同士で、
気軽に行ける場所を探していた人たちで、
それはそれは人気が出ました。
次々、できる。
次々作るためには、どこでも同じ。
誰でも同じように料理を作り、
お客様をもてなさなくちゃいけなくなる。
仕組みどおりにお店を作り、マニュアルを整備して
そのマニュアル通りに働く人を次々育てて、
お店のスタッフとして配置した。
どんなにコンセプトがよくても、働く人がいなければ
飲食店を増やすことはできないのですね。
アマチュアをアマチュアのまま使って
それでもお客様が不満を言わない。
そのため驚くほどに高度な仕組みとシステムと、
そして食品メーカーの力をかりて創りだしたのが
外食産業という仕組み。
それをボクは飲食店の経営者たちに売っていた。
一方、いつ行っても同じお店に行くお客様は、
想像力を発揮するコトなく、
お店が提案することを、ただただ受け入れればそれでいい。
お店の人との人間関係で、得することがあるかというと
決してそんなこともなく、お店とつながる唯一の手段が
ポイントカードやメルマガ程度。
そんな環境では、お客様もずっとアマチュアのままでいる。
アマチュアがアマチュアをもてなす。
それがボクが作り出してしまった外食産業という環境で、
それはあまりにつまらないと思ったのです。
かと言って、ボクにはそうではない外食産業の環境を
手に入れるための考え方やイメージを
なかなか思い描くことができなかった。
なにより、外食産業の人たちは、
今のままがいいんだと頑なに思う人が多くって、
それならまず、お客様の側から外食産業を
変えることができないかしら‥‥。
そう思って、ここで原稿を書かせてもらうことにした。
それが「おいしい店とのつきあいかた。」だったのです。
(つづきます)
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