ほかには、何かございますでしょうか。 ささいなことでもけっこうです。 これだけ人がいますので、誰か答えると思います。 |
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いわゆる「リード文」とか「小見出し」について ちょっと、お聞きしたいです。 そういうのを考えるのが、すごーく苦手なんです。 でも、記事を読んでもらうためには 魅力的に書かなきゃならないわけですよね‥‥? ほぼ日のみなさんが、 コンテンツのリードや小見出しっぽいもの、 そういう、いちばんはじめに パッと読者の目につく部分を書くときに、 意識してることとか、教えていただきたいです。 |
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永田さん、いかがでしょうか。 | |
技術、という意味では、とくにないと思います。 ええー、これは本当です。 で、それをチェックするシステムもありません。 そのコンテンツを担当するチームが どのように伝えたいか きちんと話し合えていて、共有できているときには、 そこに載せる文章は すでに出来てしまっていることが多いので。 |
うん、それは実際そうなのかもしれないけど、 永田さん、それは不親切ですよ。 絶対、面白がらせようとしてる、その言いかた(笑)。 |
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全員 | (笑) |
じゃあ、面白いリードと 面白くないリードのちがいって、何ですか? |
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むずかしいこと聞きますね‥‥。 | |
たとえばさ、あなた、 あの壁の向こうへ行ってごらん。歩いていって。 |
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はい、えーと、ここですか? | |
で、いったん隠れて、壁に。 | |
‥‥こうですか? | |
みんなが、あなたが出てくるのを見てますから、 「こんにちは」と言って、出てきてください。 |
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はい。‥‥こんにちは(といって顔を出す)。 |
‥‥というのも「リード」なんだよ。 | |
‥‥導入部分? | |
つまり、どういう顔で出ていこうか、 どういうトーンで「こんにちは」って言おうか、 いろいろ考えたでしょう。 そこには「どう思われたいか」という 自分の気持ちが入ってるはずなんです。 |
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ああー‥‥。 | |
つまり、それがリードなんですよ。 逆に言うと、自分はどう思ってほしいのか、 それがないままに書いても 面白いリードなんて、書けっこない。 |
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わかりました。 | |
永田くんは、すごくうまいですよ。 知ってる? あ、そう。 |
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全員 | (笑) |
タイトルやリード、小見出しって、 こういうコンテンツをやりたい、 という気持ちによって 押し出されるもの、ですよね。 |
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そうそう。 | |
だから、永田さんの言うように 表面的なテクニックというのは、ないと。 |
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うん。だから、ちょっと上手になるだけで すっごくうれしいんだよね。 そういう気持ちで「ウケたいなー」とか 思ってたらいいんじゃないかな。 永田くんなんて、ウケたい一心ですから。 |
はい、そうです。 | |
あの、ほぼ日に入ってくる人っていうのは そのあたりのことを 糸井さんの「フリ」を「見て真似る」んですか? それとも「これはダメだよ」って‥‥。 |
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そういうやりかたは、してないですね。 おそらく 「見て真似る」という人が多いと思いますが、 そうじゃない人も、たぶんいますし。 |
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ぼくは、入社してからしばらくの間は すべての原稿を 糸井さんが添削してくださってました。 ほんとの意味で「すべて」です。ほぼ毎晩。 なので、ぼくの場合は そこで、だんだん覚えたという感じです。 |
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それは、糸井さん‥‥すごい! | |
ウケなくてもいいって考えかただって、あるしね。 つまり、ウケるとかウケないじゃなくて 「正確に伝えなきゃ」という文章もあるでしょう。 だから、さっきの壁のうしろから 背筋をぴんと伸ばして、 お行儀のよい口調で「こんにちは」という挨拶だって あるわけじゃないですか。 |
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はい。 | |
それは、その文章を書いている人が、 うそをつかずに、 自分の思ったとおりにやっていれば、 きっと好感を持たれますよ。 |
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なるほど、なるほど。 | |
心から思ってることを、きちんとやること。 そうしたら「いい顔」になっていくと思う。 |
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ぼく、小見出しを書く人として たいへん尊敬してる人がひとり、おりまして、 ハリさんなんですけど。 |
ほー‥‥。 | |
ハリさんと呼ばれる、ほぼ日の播口さんは、 Tシャツだとか、パーカだとか、 永久かみぶくろだとか、 主に商品をつくっている人なのですが、 原稿も書くんです。 で、同僚を褒めてアレですが、 「ハリさん、小見出し的確だわ」と いつも感心させられています。 |
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それは、どんなふうに‥‥? | |
ええと、具体的に説明するとなると 難しいのですが‥‥見たら、わかるんです。 「あ、ハリさんが書いたな」って。 ぼくのなかでは 「ハリさんの小見出し」という 言葉があるほどなので、 ご本人から、少し、話してもらえますか。 |
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はい、えーーーー‥‥。 ぼくは商品を紹介する記事を書くことが多いので、 文章を読んだ結果、 好きになってもらわないと、非常にこまるんです。 |
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それは、こまる!(笑) | |
本文って、ズラッと並んでるじゃないですか。 小見出しというのは、 その前に「ポンッ」と飛び出してますよね。 そこで目を留めてもらえれば、 もう少し先の本文まで、 読んでもらえるかもしれないですよね。 |
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はい。 | |
タイトルがあって、リード文があって、 小見出しがあって、本文がある。 タイトルがよければ「あ、読もうかな」と思うし、 続くリードもよければ 「あ、もうちょっと読もうかな」と思ってくれる。 コンテンツの途中途中で、 目を留めてくれるかどうかの関所が あるんだと思うんです。 その関所のひとつが「小見出し」なので そこをきちんと書くことは、 絶対おろそかにできないなと思っています。 |
‥‥ハリさん。 | |
はい。 | |
‥‥いいこと言う。 | |
あーーーーーーー、びっくりした。 まちがってるのかと思った(笑)。 ‥‥でも、このことは、 以前、糸井さんに教えてもらったことなんです。 |
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そうだっけ? | |
全員 | (笑) |
はい(笑)、まだ入社したてのころ、 糸井さんに 「ほぼ日のタイトルや小見出しは、 編集プラス広告なんだ」 ということを、 教えてもらったことがあったんです。 「そこで人をグッとつかまないと、 みんな時間のない中で ネットの記事なんて読んでくれない」 って。 それ以来、気を付けていることなんです。 糸井さん‥‥何か補足がありましたら。 |
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‥‥そうなんじゃない? | |
ありがとうございました。 | |
それでは、次の質問のかた‥‥、 | |
手フェチのコンテンツをしたE班なのですが、 正直、すごい盛り上がったんです。 で、テープ起こしを読んでみたら やっぱり、おもしろいなと思ったんですけど、 テープ起こしって 「その場の熱」を帯びたままなので このままだと、その場にいなかった読者には よくわかならい。 でも、この熱気はぜひ伝えたい‥‥と。 つまり、熱を殺さずに うまく伝えられる文章のまとめのさじ加減が なにかありましたら‥‥。 |
武井さん、いかがでしょう。 | |
会話というのは、基本的に そのままではコンテンツにならないですよね。 テープ起こししたものを、 そのまま、何もせずに出すわけには行かない。 |
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はい、そう思いました。 | |
ぼくの場合だと、誤字脱字を直したり、 言い回しを換えたり、表現を整えたりという いわゆる「原稿整理」という作業を いちど、頭からおしりまでやっちゃいます。 で、そのなかから、おもしろいところや 伝えたい部分を選び出して、 それを軸に、いくつかの塊に切っていく。 で、切ったあとに、細かい部分を 並べ替えたり、組み合わせを替えたり‥‥という 編集作業は、じつは、けっこうやってます。 |
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へぇー‥‥。 | |
ただ、ある会話を「おもしろく演出しよう」と 考えたことはなくて、 話をしている人が、このことを伝えたくて 話してるんだってことを 逃さないようにする、という作業ですね。 |
永田さんが編集されている「黄昏」には 40行とか50行ぐらい、超短く終わってる回があって、 それを読んだとき「超カッコいい‥‥」と。 |
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全員 | (笑) |
はー‥‥。 | |
あれは、糸井さんと(南)伸坊さんの話だから できる芸当ですよね。 |
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やっぱり、最終的には 「読んでる気持ちで編集する」ということに 尽きるんだと思います。 原稿を作り終えたら、 まだ読んでない気持ちで読み直して推敲する。 時間をかけられるのであれば、 その繰り返しで、コツを掴んでいけると思います。 |
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一日、寝かせてみたりとか。 | |
あとは、やはりウケたいという情熱ですよね。 だから、森さんでしたっけ、 とりわけ「手」に対しての情熱の強かった‥‥。 |
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はい(笑)。 | |
この人がいた時点で、あのコンテンツは、勝ち。 |
うん。 | |
森さんがいた時点で「ラッキーだったな」と チームの人は思っていいんですが、 全員が、森さんになれるわけではないですし、 森さん以外の人は 「森さんをいかに編集できるか」とか、 「森さんをうまく写真撮るには」とか、 チームでの自分の役どころを、 見つけていければいいんじゃないでしょうか。 |
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‥‥なんていい教室なんだっ。 | |
全員 | (笑) |
帰りに3000円ぐらい取っても‥‥。 | |
全員 | (笑) |
<続きます>