報告レポート その2


洗濯に関する不具合のありました
「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」について、
調査を進め、順次皆さまに
ご報告をさせていただいています。
(お買い求めいただきました皆さまには
 「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」の
 洗濯に関する不具合について
 11月6日付けで
  個別にメールにてお知らせしておりますが
 万が一、届いていないという方は、
 store@1101.comまでご連絡ください。
 また、こちらのページの下部にも
 同様の内容を掲載しております。)

ほぼ日刊イトイ新聞および
ほぼ日ストアでは、 問題点を明らかにし、
二度とこのようなミスをくりかえさないために、
事実を公表し、
よりよい代替品の製作につとめてまいります。
以下、長文となりますが、どうぞお読みください。

また、代替品製作のプロセスをお伝えすることで、
代替品が、「ほぼ日」の意図したとおりの完全な製品であり、
皆さまに、安心して使っていただける
製品であるということを
きちんとお伝えしていこうと思います。
尚、代替品のお届けは、
「最も早くて2月〜3月前半頃」
予定しています。



前回は、以下の三点について、
調査中であることをお知らせいたしました。


「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」が洗濯機を使用して
丸洗いできないのはなぜか?


「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」の
内側に施したコートが剥離してしまうのはなぜか?


問題のある製品をお届けしてしまったのはなぜか?

本日は、


「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」が洗濯機を使用して
丸洗いできないのはなぜか?

と、


問題のある製品をお届けしてしまったのはなぜか?

について、ご報告をさせていただきます。
また、代替品製作の進捗情報に関することも
最後にご報告いたします。

【調査のご報告】
 

「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」が洗濯機を使用して
丸洗いできないのはなぜか?


まず、代替品製作前に、
専門家の方や、メーカーの方にお話を伺って
判明した情報をお伝えいたします。
本来ならば、「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」の
製作前に熟知しておくべき項目ばかりであり、
あらためて反省しております。


「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」に施したコート剤の
 特性について。

・「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」に仕様したコート剤は、
 PUコート(ポリウレタンコート)であり、
 このコート剤は、ナイロンやポリエステルなどの
 化学繊維にほどこす一般的なコート剤である。

・コート剤を施す方法は、
 液状のコート剤を、うすく均一に生地に塗り、
 熱を加えて圧着、乾燥させるというものである。

・PUコート(ポリウレタンコート)には、
 「耐洗濯性に優れる」という特性がある。
 通常ならば、洗濯機で洗濯をして、
 「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」のように、
 1回の洗濯により、
 コート剤の剥離がおこるということはない。


それならば、何故「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」は
 洗濯ができないのか。

・布地の染料とコート剤の関係で、
 布地とコート剤がきちんと定着する場合と
 そうでない場合とがおこる。

・そのため、コート剤と布地には「相性」があり、
 製品の製作のたびに
 化学的な実験を繰り返す必要がある。

※繊維製品の検査をする機関に、
「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」を
試験した結果、
色によって剥離の度合いに差がでました。
(「ブリック(オレンジ)」「ニュースペーパー(グレー)」=剥離大
 「ハトロン(白)」「クラフト(ベージュ)」=剥離小)


【結論】
今回の「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」は、
コート剤の布地への定着が不十分だったため、
洗濯機で洗濯をすると、剥離がおこった。

現在、何故コート剤の定着が不十分であったのか、
ということについて、ひきつづき調査中です。
こちらがわかり次第、


「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」の
内側に施したコートが剥離してしまうのはなぜか?

について、ご報告させていただきます。



問題のある製品をお届けしてしまったのはなぜか?


製作の工程での不具合があったことと、
ほぼ日ストアが、
不良品を皆さまのお手もとにお届けしてしまったこととは、
別の問題だと考えています。

今回、内側に施したコートが剥離する商品を
皆さまにお届けしてしまったのは、
「ほぼ日永久紙ぶくろ」製作チーム、担当者の、
「思いこみ」からくる「確認不足」という
商品製作上あってはならない初歩的なミスによるものです。

*******

まず、今回製作した、「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」は、
「ほぼ日永久紙ぶくろ3」と素材・サイズについて
同一の仕様のものを製作することに決定しました。
このときに、製作を依頼したメーカーさんをはじめ、
工場も時期も異なるにもかかわらず、
提出されたサンプルを見て、
「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」が、
「ほぼ日永久紙ぶくろ3」と同一であると、
思いこんでしまいました。
そして、その思いこみから、
当然行うべきモニタリングを怠り、
不備がある商品をお届けしてしまいました。
(たとえサンプルが同一であったとしても、
 このモニタリングは必要不可欠であったことに
 違いはなく、深く反省しています。)

以上につきまして、より詳しくご説明しますと、
下記のようになります。

1.
今回の「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」を製作する際に、
前回販売した「ほぼ日永久紙ぶくろ3」の評判が
とても良かったので、
素材やサイズを同一にしようと考えました。

2.
製作するにあたり、「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」は、
「ほぼ日永久紙ぶくろ3」の仕様を変えないということを
お伝えした上で、
メーカーさん数社から見積もりを提出していただきました。
その中から、納期・コスト・工場のスケジュール等の
条件が合ったメーカーさんに製作を依頼しました。

3.
そのメーカーさんに、
・ナイロン100% 420デニールの布地、
・内側に「PUコート(ポリウレタンコート)」を施す、
という素材のご提案を受けました。

コート剤を使用した理由は、
ナイロンの布地だけでは十分にハリが出ず、
「紙ぶくろ」らしいハリが実現できなかったためです。
では、どうしたらハリが出るのか、
メーカーさんに相談したところ、
コート剤の使用をすすめられ、かつ
「ほぼ日永久紙ぶくろ3」でも
コート剤を使っているとの報告をうけました。

このとき、コート剤の選択にあたって、
「PUコート(ポリウレタンコート)」に関し、
・コート剤の性質について。
・これ以外のコート剤があるのかどうか。
・「ほぼ日永久紙ぶくろ3」には
 確かにコート剤がかかっているのか。
 またかかっているとしたら何か。
について、全く吟味することなく、
「PUコート(ポリウレタンコート)」を採用し、
サンプル製作に取り掛かりました。

4.
完成したサンプルを見て、
「ほぼ日永久紙ぶくろ3」と
同様の風合いのものができあがったため、
「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」は、
「ほぼ日永久紙ぶくろ3」と全く同一の性質を持つ
製品であると誤った認識を持ってしまいました。

しかし、実際は、「ほぼ日永久紙ぶくろ3」と
「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」が、
全く同一の性質を持つわけではありませんでした。

「ほぼ日永久紙ぶくろ3」に関して、
化学的に分析してから、「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」を
製作したわけでは無かったので、
コート剤が同一でない可能性も十分にあり得ました。
また、当然のことながら、
仮に同一のコート剤を使用していたからといって、
製作した工場が異なれば、何らかの違いがあると認識して
しかるべきだったのです。

しかし、洗濯ができるのか、ということについて、
「3と同じなのだから、当然できるだろう」と考えてしまい、
それを確認することを怠りました。

そうして、皆さまのお手もとに
洗濯機で洗うことができない
「ほぼ日永久紙ぶくろ」をお届けするに至りました。

つまり、商品をつくる場合に必ずしなければならない、
「モニタリング」の作業を怠ったために
皆さまに多大なご迷惑をおかけすることと
なってしまいました。
お恥ずかしい限りですが、ほんとうに初歩的な、
今後二度とあってはならないミスであると
深く反省しております。


【代替品製作に関して】

コート剤に関して

専門家の方や、メーカーの方との検討の結果、
現在もっとも一般的なコート剤であることから、
以下のいずれかのコート剤の使用を検討しています。


・アクリル樹脂コート

検査の結果、
「ほぼ日永久紙ぶくろ3」で使用されていたコート剤が
アクリル樹脂コートでした。
こちらも、生地との相性を十分に実験する必要がありますが、
「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」に適していると考えられます。

・PUコート(ポリウレタンコート)

今回の、「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」では、
剥離の問題が起きてしまいましたが、
上記のように、実験をきちんと繰り返し、
コート剤の定着を完全に行えば、
洗濯には問題が生じない
ということから、候補に残しました。


【比較表】

  アクリルコート PUコート
耐光性 非常に良好 不良
耐熱
耐寒性
80度くらいから軟化する。
-30度を越えると亀裂を生じ、
風合いが堅くなる。
比較的変化なし。
仕様温度範囲 -30度〜180度 -30度〜80度
用途 袋類、テント、医療、産業資材。
(野外で仕様されるものに多い)
衣類、袋類、家具
(衣類に使用されることが多い)
長所

ソフトである。
水圧に強い。
経済性に優れる。

反発弾力がある
温度による風合いの変化がすくない。
耐洗濯性にすぐれる。

欠点 温度による風合いの変化がある。 高価である。

どちらのコート剤が、より「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」の
代替品に適しているか、
ほぼ日でも、メーカーさんでも、
洗濯を繰り返し、適正なコート剤を
見定めているところです。

もっと丈夫な
  「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」の製作のために。

コート剤の検討はもちろんのこと、
より使い勝手がよく、
より丈夫な代替品を作ろうと考えています。

縫製や、縫い目を保護しているテープの強度や、
布地の裁断の方法など、
「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」よりも丈夫になるよう、
素材等を調査中です。



【次回のご報告】


「ほぼ日永久紙ぶくろver.4」の
内側に施したコートが剥離してしまうのはなぜか?

について、ご報告をするとともに、
代替品の仕様をご説明させていただきます。

また、現在代替品のお届けを、
「 最も早くて2月〜3月前半頃」
とさせていただいておりますが、
こちらの正確な日程をお知らせいたします。

ご不明な点、ご質問などございましたら、
store@1101.comまでお願いします。

ほぼ日刊イトイ新聞・ほぼ日ストア


2004-12-06

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