われら、スジナシ応援団!笑福亭鶴瓶の即興ドラマに酔え。

アフター『劇場スジナシ』#05 広末涼子さんとの『彼方へ何処へ』
で、広末涼子さんのときのぼくは、
もうスケベエのかたまりの‥‥。
えらいことになってたね。

プレイバック『劇場スジナシ』その1

広末涼子×笑福亭鶴瓶
『彼方へ何処へ』

舞台は神社。
幕が開くと、まず広末さんがお参りをしている。
そこに現れた鶴瓶さん。目が合うふたり。
広末さんの表情と最初のセリフで
ふたりの関係が決まっていく‥‥。

目が合った瞬間に、
(満面の笑みを浮かべて
 鶴瓶さんに抱きついてくる
 広末さんのマネ)
こうでしたもんね!
いやもうね‥‥。
ご両親も来られてたんですよ。
広末さんの?
ええ。もう見てるんですよ。
だから、それもあったんや。
ご両親来られてるんやもん、広末さん。
それはこっちにプレッシャーがくるね。
そうやねん。
両親、俺より年下やし。
そんなもん、なんもスジないのに、
抱きついてたら両親も‥‥。
これ、だれかが「せえ」言うんやったら
するけども。
演出家がひとり別に立ってたらね。
いてたらそいつのせいにできるけど。
うん。
そんなもん俺が独自で考えてたら
向こう進めてはるのに
ええ年した大人がですよ?
(広末さんの演技に)乗ってね、抱きついたら
両親怒らはるんちゃうかな、っていうね。
気ぃつかったね。またね。
気ぃつかったよ、そりゃあ。
気ぃつかいますがな、そら。
気ぃつかっちゃったんだねえ。
や、でもね、あの日は爆発力が違ったね。
ああ。
広末涼子のすばらしさがいっぱい出てた。
この子はやっぱりかわいい子で
いい子なんやな、っていうのがね。
本人の考えがあそこに入るじゃないですか。
そうそう。そうですよ。
あれは見事だよねえ。
だから、「不倫がイヤ」なんですよ。
(広末さん本人が不倫は)イヤなんですよねえ。
だから、奥さんも納得して、
奥さんと別れたから
あなたと恋愛したんだ、ということを
はっきり言うわけですよ。

プレイバック『劇場スジナシ』その2

広末涼子×笑福亭鶴瓶
『彼方へ何処へ』

奥さんも娘もいる鶴瓶さん。
しかし奥さんと別れて
恋人同士となった二人は
さらなる次の展開へ。

で、せっかくまんなかの舞台でね、
(広末さんが)ちゃんとやろうと思ったときに、
(鶴瓶さんは)端っこのほうに
ゴキブリのように逃げて行って。
だからあれも言うてた。
「いつもわたしが追いかけると逃げるのよ!」
とか言うてたやろ。
そう。
実際そうだし。
実際そうやし。
ものすごい怒ってたもんね、広末が。
「いつもそうよ!」
「くんちゃん(鶴瓶さんの劇中名)は!」
「くんちゃんは優柔不断や!」
いやあ。
ほんまにあのときはねえ。
あれは、お母さんとお父さんが見てたら
「うちの子はやっぱり、ちゃんとしてるな」
って思うよね。
そうそう。
ちゃんとしてる。ええ子なんだなって思う。
思うよね。
ちゃんとしてはんねん。
それが今度またおかあさんになってさあ。
人類の脈々と受け継がれるさあ、
いいものを見た気がしたよ。
いやいやそうですよ。
ところが「くんちゃん」はねぇ‥‥。

プレイバック『劇場スジナシ』その3

広末涼子×笑福亭鶴瓶
『彼方へ何処へ』

鶴瓶師匠演じる優柔不断な「くんちゃん」が
とうとう心を決めて、両親に会う決断。
喜ぶ広末さんは、なんと、
鶴瓶さんに抱きつく!
挙動不審になる鶴瓶さんに注目。

もうね、自分がどんどんおかしなるんですよ。
あんなんおかしいやん。
「‥‥娘と会うてくれる?」って。
会うてくれる? 言うたかて、娘役いないし。
あははははははは。
言うたあと、どないしよう‥‥と。
なんで言うたんやろな、
「娘に会うてくれ」なんて。
もうどないしようかな、て。
話が、リアルなセリフばっかりの
微妙なところのズレでやってきたから
突飛なことも、できないですよね。
客はどないに思たんやろ?
「こいつ、どうすんねやろ?」と思たやろな。
思ったよー!

プレイバック『劇場スジナシ』その4

広末涼子×笑福亭鶴瓶
『彼方へ何処へ』

娘と会ってくれ、と言い出す鶴瓶さん。
当然ながら、娘役などいない。
引っ込みがつかず、娘を呼びに、
舞台袖にはけていく鶴瓶さん。
さあ‥‥どうなる?

あれ、男のお客さんは、みんな
自分のなかの鶴瓶を見てますから。
自分が広末さんに、舞台で正面から迫られたら、
いったいどうするんだろう、というね。
で、乗り越えたときっていうのは
やっぱり「縁」ですからね。
舞台の上で乗り越えなかったっていう
「縁」ですよね。
でもなあ、いろんなこと考えましたよ。
男はみんな思いますよね。
カメラさんまで言うたもんね。
「かっわいいなあ」って。
(広末さんが、カメラ越しに)
自分に向けて言うてるように
見ていたいの。
日本中で「かわいい」と言われて、
それだけのことはありますよ。
ただのきれいなだけじゃないもんね。
ものっすっごいかわいらしいと。
しかも今回は、正面から飛び込んだものね。
男を手玉に取ってるわけじゃなくて
素直に飛び込んだ広末涼子ですから、
あれはオッケーですよ。
観てた女の子が
「こんなかわいい人やったんや」
って言うてたからね。
うん。
しかも、逃げていく鶴瓶を見て、
困りながら追っかけていくわけですよ。
それはもうえらいなあと思いましたね。
もう、ぼくなんか、
ものっすごい気持ちよかったよ。
困りながらも(笑)。
困りながらも、もうなんべんも。
でも、受け入れたら、逆に来てくれないからね。
困らなくて受け入れたら
やらしなりますやんか。
困るとどんどん来てくれるから
「そんなに好きなのか、俺のことが」と(笑)。
(笑)
あのー、広末涼子いう人は、
なぜぼくと恋人になろうと
思わはったんでしょ‥‥。
責任感でしょ!
!!!! あ、責任感ね。
いま、オレ、自分が
上岡龍太郎になったかと思った(笑)。
「責任感でしょ!」
責任感ね‥‥。
責任感つよそうですね、あの人。
責任感!
「道に倒れて誰かの名を
 呼び続けたことありますか」
「あります」
「あ、そうですか、助けましょう」
っていう。そういうこと!
‥‥‥‥。

(続きます)

2006-08-25-FRI