考えてみたら、
ちいさいころ、
ばあさんやじいさんが
話している内容は、
さっぱり、わからなかった。
ぼくが生まれた土地には、
ばあさんたちの
思い出も歴史もないんですからね。
それはタモリさんの思想の
根底をつくっていますよね。
「土着するな」みたいな考えが……。
あぁ、それは、ありますね。
影響、大きいですよねぇ。
あるいは、
「ふるさとなんてどうでもいい」とか、
「捨てやすいふるさと」みたいな。
「この土地に、代々生きてきた」
というのは、
ぼくの前で断絶してますからね。
土地には愛着がないんですよ、
おやじにしてもおふくろにしても、
「日本はつまんない。
食べ物は、まずいし、高いし……」
ふるさとは、
もう、中国になってるから。
2005年は、
ふりかえってみると、
「大きな変化のあった年」
として
歴史に残るかもしれないと、
個人的には、思っているんです。
「前の年になかったこと」が、
いくつか起きた年でしたからね。
経済でも、政治でも、そうでしたね。
ヘタすれば、
「日本人がひとつのものに熱狂する」
ということの
最後の年になるかもしれませんね。
また、
バラバラになってくんじゃないですか。
ある意味、
健全になるんだとも言えますけど。
もともと、
そうだったんですもんね。
幕藩体制も、
「藩の命令はきくけど、
幕府の命令はきかないぞ」
という人たちがいたから
あんなふうな幕末を迎えたわけで。
中央集権が
うまくいった時代なんてないですよね。
「ひとつのものに熱狂する」
ということが
終わる2005年に、ちょうど、
女系天皇についての話題も出ましたし。
まるで、
「やわらかい問題」であるかのように、
報道はされていたけれども。
うん。
なんだかんだ言っても、
日本人の根底には、
「天皇につながってる」
というものがありますでしょう?
「親が言っているから」
とか、そういうものに近い存在。
その存在のおかげで、
「江戸から明治」への移行も、
「戦前から戦後」への移行も、
スムーズに
進んだところがあると思うんです。
ただ、
天皇が人間宣言した当時に、
「あぁ、
そんなこと言わなくていいのに」
と感じた人が
たくさんいたというのは、
わかるような気がしますね。
「同じ人間というのは
前から、わかっていたじゃないか!
そういう意味じゃないよね、
天皇という存在は……」と。
明日に、続きます
2006-01-26-THU
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