人気スタイリストの伊賀大介さんが
プロデュースした写真集『First time』は、
職業も年齢もさまざまな、
136人の男性を集めた写真集。
darlingは、この写真集をみたときに
「後の世代に、こんな若者がいるのかと思うと、
 油断なんかしてられないなぁ」
と思ったそうです。
伊賀さんは、大のTAROファンで、
『今日の芸術』の文庫本を
ほうぼうで配り歩いているらしい。
アートディレクターの、
アッキィこと秋山具義さんをまじえ、
3人で会うことになりました。
そして、TAROのTシャツをつくろう、
というところへ、どんどん話は進みます!

秋山具義さんプロフィール

伊賀大介さんプロフィール


■10月31日■
Tシャツ鼎談第1回
50年前の言葉に、胸をつかまれました。



糸井 伊賀くんの写真集
『First time』を
「いい」って言い出したの、
もとはアッキィなんだよね。
秋山 うん。写真を撮ったMOTOKOちゃんに
『First time』をみせてもらって、
すごくいいなと思った。
糸井 僕はページをめくってみて、
とにかく「すげー」って思った。
こういうのを、いまの年寄りは
見なきゃいけないよ。
秋山 アハハ。


伊賀さんがプロデュースした写真集『First time』
(ソニー・マガジンズ) 2,900円(税別)
糸井 写真のなかのみんなが、とにかく
いい顔してるじゃん?
「近ごろの若者は」とか言われてる人たちが、
それぞれに、いいじゃん!
で、ふと、これをプロデュースするのは
すごいことだなって思った。
まず、スタイリストは、
何もしてないようにも思える。
伊賀 (笑)そうですね。
糸井 いったいどこまで「何もしていない」のか?
その話になったんだよね。
秋山 うん、うん。
糸井 「してるのとしてないのを混ぜてんのかな?」
とか、いろんなことを話してて。
結局謎のままだったんだけど、
そのときから、伊賀大介さんって人に
会ってみたいなと思ったんです。
伊賀 ありがとうございます。
写真集、やってよかったっす。
糸井 それでね、またべつのあるときに
岡本太郎さんのことを会議で話していて、
わけもなく、ふと、この写真集のことを
思い出したんだよ。
で、その場にいた事務所のみんなに
「いいんだよ、みてみてよ」
って、オススメしてたわけ。
そしたら、その3日後くらいに、
事務所のヤツが、
「伊賀さんが太郎さんの記事で
 AERAに出てます〜!」
って、飛んできて。
伊賀 そうだったんですか(笑)。
糸井 いましたよ、こんなところに!
50冊も岡本太郎の本を
お買いになってますよ!
って。
秋山 すごいね。
糸井 「50冊買った」というのは、
『今日の芸術』だよね?
伊賀 はい。でも、いっぺんに買ったわけじゃないです。
通算ですよ、通算50冊。
糸井 伊賀くんは、
知りあった人に『今日の芸術』を
配ったりしてるんだって。
『今日の芸術』、まず最初に
自分で読んでみたとき、どうだった?
伊賀 僕が『今日の芸術』を読みはじめたのは、
ちょうど文庫になったばかりのときです。
手に取って、読んでみて、まず
「50年前の日本で、
 こんなこと言う人がいたんだ」
って、びっくりした。
秋山 あ、そういえば、ウチの嫁も、
こないだ買ってましたよ、『今日の芸術』。
YO-KINGとかも、岡本太郎のファンですよ。
もうムッチャクチャ好き。
糸井 ミュージシャンにも、俳優にも
ファンの人は多いよね。
展覧会だって、どこでやっても満員。
普通の親子連れとかが普通に見てて、大人気。
伊賀 そうですよね。
あんな人、ほかにいませんもん。
僕、岡本太郎の絵をはじめて見たとき、
ほんとに絵の前で動けなくなって。
糸井 うん、うん。
伊賀 美術館に行くと、みんな、
並んでる絵を同じ時間だけみて動くから、
絵の前が、平均したようにずっと混んでますよね?
それを、いつも
「かっこつけやがって」
「いちいち止まらずに、
 いいのだけ見てりゃあいいのに」
と思ってた。
でも、川崎の岡本太郎美術館に行ったときは、
もう、ガッツンって、きた!
『今日の芸術』のいちばん最初に、
「森の掟」っていう絵が載っているんです。
いきなり本の最初に、これですよ。


1950年に描かれた、「森の掟」
秋山 生きものの背中のところが
チャックになってる‥‥。
糸井 すっごいよね。
読んだのは、最近のこと?
伊賀 『今日の芸術』の文庫化が、'99年ですから、
最近です。
それまでは、まあ、
存在としてすごい人だったんだな、
というふうに思っていただけだったんです。
で、本屋さんで「岡本太郎の本なんだ」と思って、
読みはじめたんですけれども、
まさか50年前に出てる本だと思わなかった。
糸井 おぉ、うん。
伊賀 読んでみたら、
「今日の芸術は、
 うまくあってはいけない」

とか、書いてあって!
もう何回も、ずーっと、毎日読んだ。
ちょうど、スタイリストのアシスタントを
終えるときくらいだったから、
「ああ! こういうふうにやりたいな」
と思ったんです。
スタイリングというものは、
あんまり高尚なもんにしてもしょうがない。
岡本太郎の「芸術はみんなのものだ」みたいな
考え方がすごいいいなって、思った。
僕ね、好きな本を人にあげるクセがあって(笑)。
糸井 『今日の芸術』、
友だちに配ると、ウケる?
伊賀 ウケますよ、8割ぐらいの人には、必ず。
秋山 こういう言葉が欲しかったんだよな、
みたいな気分なのかな?
伊賀 そうっすね。
それぞれ、行き詰まってることがあって、
たぶんグッとくるとこは違うんでしょうけど。
『今日の芸術』もそうだし、
ほかの岡本太郎の著作もそうだけど、
すごいいっぱいの、言葉のフックがあるんです。
ぼくは、川崎の岡本太郎美術館によく行くんです。
煮詰まったときは太郎に触れに行く。
青山の記念館にも、フラッと行きます。
岡本太郎美術館の奥のほうに、
モニターがいっぱい配置されているところがあって。
そこで岡本太郎さんが言ってる言葉、
かなりキますよ。
糸井 いっぱい作品を展示してあるけど、
結局みんなビデオんとこへ行っちゃうって、
聞いたことがあるよ。
やっぱり、「人」に魅力があるんだね。
伊賀 「太陽の塔」には、
こないだはじめて行ったんですよ。
ちょっと見に行ったら、
ものすごい興奮してしまって!!
糸井 ああ、俺は見てないんだ、実は!
子どもの城の前にある、
モニュメントは知ってるでしょ?
あれ、俺、好きなんだよ。
秋山 銀座の公園の時計も。
伊賀 ああ、あの、数寄屋橋の!
糸井 もう壊されてしまったものもあるけれども、
そこここにあるんだよね、
岡本太郎の作品。
日本中、いたるところにあって、
みんながふだんから触れられるように
残っているんだね。
(つづきます!)


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