バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 




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「安全で、観光名所は
ガラ空きのパリ?!」

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「安全で、観光名所はガラ空きのパリ?!」

バブー

みなさんボンジュール。
2週間半に渡って行われていた
パリ・オリンピックも、無事に終わったね。

メトロに乗れば、街を歩けば、
オリンピックグッズや国旗を身につけて
観戦を楽しむ人たちがいっぱいで、
ワクワク高揚した空気に包まれていたパリが
例年の静かな8月に戻って
(バカンスシーズンでパリっ子がいなくなるので、
8月は最もパリが静かな時と言われているよ)、
ちょっと寂しさも感じているボクたちだよ。


▲テロも起きずほぼほぼ滞りなく終わったパリ・オリンピック。
とにかく全て無事に終わったことが何より!

とのまりこ
細かいことで色々思うことはさておき、
とにかくテロなど大きな事件もなく
滞りなく無事に終わったということが何より!

そして活躍する選手たちはもちろん、
観戦を楽しむ観客たちはもちろん、
会場やその近辺でボランティアをしてくれていた
たくさんのスタッフたち、
治安維持のために大量に投入された警官たちなど
大会を支える側の人たちも
とにかくなんだか笑顔がいっぱいで、
リラックスしながら程よくサボりながら
仕事を楽しんでいたのがとても印象的で
オリンピック期間中のパリは
本当に心地よい空気に包まれていました。


▲どこを歩いていても大量に投入されていた警察官や騎馬隊など。
彼らのお陰でパリは今まで見たこともないほど安全なパリになっていました。
大人気の騎馬隊たちは観光客との記念撮影にも応じながら♪

バブー
大混雑が予想された各会場への入場とかも
本当にスムーズだったし、
チケットの購入、人への転送、リセールの
システムとかも本当によくできていたし、
「やればできるじゃん! いつもこうしてよ。」
っていうちょっと上から目線ですが(笑)、
お仕事スムーズじゃないことへの苦情が多い
おフランスでのこのスムーズさは、
ほんとあっぱれ! だったよ。


▲優勝したレスリング男子フリースタイル57キロ級の樋口黎選手。


▲同じく優勝した女子フリースタイル57キロ級櫻井つぐみ選手。


▲日本人選手の活躍も素晴らしかったですよね♪
我が家は去年発売された時は3つの競技のチケットを買っていましたが、
直前になってたくさん出回った安いカテゴリーの席のリセールチケットをいくつも買って、
結局14個の競技を見に行ってオリンピック漬けだった夏に。

とのまりこ
そして、いつもならメトロに、観光名所に、
あふれかえっているスリ集団も
大量の警官導入のために入り込む余地もなく、
姿すら見かけなかったですし、
パリ郊外の会場へのアクセスルート沿いや
環状道路、高速道路沿いに
村ができているくらいの規模で住み着いていた
移民のテントたちは一掃され
まるで何もなかったかのような更地に。
スーパーを出れば、パン屋を出れば必ずいる
そしてメトロのホームに何人もいるはずの
ホームレスたちも一体どこに行ってしまったの?
というほどいなくなっていました。

「美しいパリでの前代未聞の五輪」
を成功させるための
負の部分は見せないようにする、
「臭いものには蓋してしまえ!」
作戦も大成功だったと思われます。

観戦にやってきた世界中からのお客様には
いつものマイナスイメージのパリの部分を、
極力見せずに終わらせられていました。
こんなに安全で快適なパリ。
いつもこうだったらいいのにと心から思い、
私自身もかなり無防備に、
神経を尖らせないで歩いていた
不思議な2週間ちょっとでした。


▲警備にあたる警察官やボランティアスタッフたちも記念撮影をしたりおやつを食べたり
おしゃべりしたり空いた席に座って観戦しちゃったりしながら仕事していて、
なんだか本当にみな楽しそうでした。


▲パリのメトロにもこの紫のベストを着た係員の人が大量に投入されて
切符の買い方や乗り方をアドバイスしていたり観光客の混乱も全く見かけず。
メトロにもたくさんのポリスたちがいて、スリも一切見かけない
いつもとは全く違う安全なパリのメトロなのでした。


▲チュイルリー公園に設置されていた気球型の聖火台。
聖火台の前で嬉しそうに記念撮影している警察官たちは、
海外から派遣されてきた治安部隊でした♪

バブー
そしてね、この夏パリに来ていた人たちは、
基本、オリンピックを見るために来ていた、
観戦がメイン目的の観光客ばかり。
パリ観光だけが目的の人は
あえてこの夏のパリは避けたのか、
観光名所がすきすきだったんだよ。


▲いつもなら入場するのも大行列で大変な人気スポットや美術館や観光名所も
見たことないくらいガラガラでこの夏パリにきた人たちは本当にラッキーだったかも?!

いつもは入場するのにも大行列の
観光名所や美術館などは
どこも見たことないくらい人が少なくて、
何をするにも楽ちん。
あまりにも快適なパリで、
これから残りの夏休みはプチモンスターを連れて
積極的にパリ観光をしようと思っているよ♪

蓋を開けてみれば、
噂されていたのと真逆だった、
心地よいオリンピック開催中のパリ。
「パリを出て南仏に避難するわ。」
と言っていた同じアパートのマダムが、
「オリンピックが案外いいらしいじゃない?!
パリも全然混乱してないらしいじゃない?!」
って言ってバカンスを早めに切り上げて
パリに戻ってきたり、フランス人にとっても
意外な部分があったみたいだよ。


▲出始めた頃は「ちょっとダサい」なんて言われていた
オリンピックマスコットの「フリージュ」もすっかり人気者でこの夏の顔に。
いたるところでフリージュの商品が売られ、
ぬいぐるみを持ってベビーカーに乗っている子供、
キーホルダーをつけたりTシャツ着ている観光客‥‥と、
街でしょっちゅうフリージュにすれ違います。
パラリンピックに向けてフリージュの夏はまだ折り返し地点を過ぎたばかり♪

さて、2週間後にはパラリンピックが始まるね。
地元で開催されるオリンピック・パラリンピック。
最後までしっかり見届けて、
このコラムでもまた様子を紹介するね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*とのまりこさんの新刊が出版されました*


「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

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