バブー&とのまりこの パリこれ! 住んでみてわかった、パリのあれこれ。
2003年、フランスに単身で渡り、 現在はパリを拠点にヘアメイク&フォトエッセイストとして 活躍しているとのまりこさんが、 愛犬のバブーくん(アイルランド出身)を相棒に、 パリ暮らしのちょっとびっくりな出来事や、 へぇ〜っと感心する習慣などなど(*)をお届けします。 *もちろんすべてのフランス人やフランス全土に共通しないこともあります。 週に1回、でも気まぐれにもっと更新するかも? すてきな写真とともに、おたのしみください。 Amusez-vous bien!

 
とのまりこさんと バブーくんのプロフィール
 




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「特別じゃないクレープも
記念日は大人気?!」

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「特別じゃないクレープも記念日は大人気?!」

バブー

今年は昨日、2月2日が節分の日だったよね?!
きっと日本ではどこもかしこも「恵方巻き」で
いっぱいだったのかな??

こちらフランスでは2月2日は「クレープの日」。
今年もやってきました! 「クレープの日」。
このコラムでも数年前に紹介したことがあるけれど
「Chandeleur」(シャンドゥルール)と呼ばれる
キリスト教の習慣のひとつだよ。


▲小学生が音読を学びながら楽しむ本シリーズにもクレープ。

元々のキリスト教の意味合いよりは、
2月のイベント=「クレープ」と結びつける
商業的な盛り上がりの方が目立つようになって、
クレープを食べる日というのが定着しているよ。


▲2月2日、フランスは「クレープの日」!
もちろん我が家もクレープ祭り。


▲フランスの家庭には当たり前のようにあるクレープ専用のフライパン。
わざわざクレープのためにフライパンを買うのもなぁと思っていたけれど、
これを買ってからは焼きやすさとかひっくりやすさで、グレープがもっと身近になったよ。

とのまりこ
フランスでは普段から
ガレット(そば粉の食事系クレープ)や
いわゆる私たち日本人が想像する
クレープ(小麦粉で作るおやつクレープ)が
とても身近。
街角やマルシェにはスタンドもあるし、
パン屋さんにも焼いたクレープが
1枚単位で売られていて、
子どもたちのおやつになるし、
スーパーにも温めればいいだけの
クレープやガレットがたくさん並んでいるし。
レストランも、たくさん!


▲クレープの日の日曜日。
マルシェに立つクレープ屋さんもず〜っと大行列のおおにぎわい。

とりわけ珍しいものではないけれど、
とにかく2月2日に向けては
これでもかというほどクレープ関連のものが
スーパーに大量に並びます。
粉・砂糖・クレープ用フライパン・ジャム・
チョコスプレッド・ハチミツetc.


▲2月2日前はどこのスーパーでも大きな売り場面積のクレープ祭りに‥‥。

バブー
クレープといえば、日本では
原宿のクレープを思い出すけれど、
うす〜く焼いた生地に
ありとあらゆるフルーツとか
選びきれないほどのトッピングが
山盛りになるイメージ?

一方こちらフランスでは、
結構分厚く焼かれたモチモチの生地に
「砂糖&レモン」、
「バター&レモン」、
「塩バターキャラメル」、
「チョコレートスプレッド」、
「チョコレートスプレッド&生クリーム」、
「マロンクリーム」、
「グランマニエ(リキュール)」などなど、
割とシンプルなチョイスが多いよ。
(その代わり、中に入れるものは
信じられないくらいたっぷり溢れるほどの量ね!)


▲砂糖とチョコレートスプレッドが上から下までぎっしり。


▲食事用のそば粉のクレープガレットも、おやつ用のクレープも、
温めれば良いだけの出来合いのものもたくさん売っています。

とのまりこ
すっかり「クレープの日」と認識されている
美味しくて楽しい2月2日のフランスですが、
息子が通うカトリックの学校などでは、
神父様が本来の意味を忘れないように
なぜそのような習慣になったかなどを
ミサでお話ししてくれたりもします。

「今週末はクレープの日ですね。
みんなきっとおうちで家族とクレープを
食べて楽しむんでしょうね。
この「Chandeleur」(シャンドゥルール)は
イエス・キリストが生まれたクリスマスから
ちょうど40日目。
この日を境にしてクリスマスからずっと
教会やお家に飾ってあったクレッシュ
(キリストが生まれた馬小屋を
再現したヨーロッパではクリスマスの時期
あちこちで見かける模型)
も片付けるんですよ。」
なんて話を聞いて、クリスマスが過ぎても
いつまでもクリスマスの装飾が
そのままなところが多いのは
そんな背景があるから?!
とちょっと目から鱗だったりしたのでした。

ただただダラダラしているから
1月も下旬になってもず〜っと
クリスマスなのかと思い込んでいたら、
もしかして違ったのかも?!
と20年以上抱き続けていた疑問が
スッキリとしたのもクレープのおかげ♪


▲クリスマスの時期に飾られるクレッシュ(キリスト誕生の様子を表した模型)は
クレープの日を目安にお片づけするんだそう。

バブー
7歳の食べ盛りがいるボクの家ではね、
2月2日のクレープの日に関わらず
朝ご飯にもおやつにもデザートにも
クレープがあったら大喜び&大盛り上がりなので
普段からしょっちゅうクレープを焼くけれど、
一応2月2日の当日もたくさん焼いて食べたよ。


▲さあ、我が家もクレープの日のために材料の調達へ。

ずっと前にフランス人に教えてもらった
「左手にコインを持って
焼いているクレープを片手でひっくり返せたら
幸運がやってくるよ」
を思い出しながら‥‥。

日本にもそろそろ
2月2日の「クレープの日」の習慣が
上陸したりしないのかな?!
「恵方巻き」と「クレープ」の
ダブルイベントなんてどうかしら?!
それではみなさん今日も良い1日を!


▲大好きなクレープ食べ放題だぞ〜!


▲日本の母がくれたチョコレートシロップもクレープに。
なんと蓋の開ける場所で細いのと太いの絞り出し方を選べてまるでお店のように
チョコレートシロップがかけられる。
フランスでは絶対に見ない細かい配慮にただただ感動!
さすが日本の商品。

 

 

 

 

 

 

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「シンプルシックで心地よい暮らし
パリの小さなアパルトマンで楽しむおうち時間」
出版社 : 世界文化社
発売日 : 2021/5/29

 

 

※この連載を再編集し、
 書き下ろしも入れて新潮文庫になりました。
 こちらをぜひご覧ください!(2015年8月出版)

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