今日はお忙しいところ、 お越しいただいて、ありがとうございます。 |
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こちらこそ、ありがとうございます。 |
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いきなりこういう場所(社員食堂)に来ていただいて すみません。 |
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いえ、うれしいです。 こんな場所を作っている会社が あるということがうれしいし、 今日、スタッフのみなさんが よろこんでいるのもよくわかります。 会社って、こうなればいいなと思います。 |
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ありがとうございます。 ぼくは1986年に大学に入った世代なんですが、 ちょうど広告が盛りあがっている時代でした。 糸井さんが大活躍されていて、 だから今日、お会いできるのが うれしくてうれしくて。 |
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いえいえ、こちらこそ。 Yahoo! JAPANですからね、なんたって、 5000人社員がいるというだけでビビります。 5000人に、いっせいに走って押しかけられたら、 からだがつぶれちゃいますよ? うちは60人ですから。 |
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いや‥‥こうして大人数になってくると、 集まれる場所がなくなってきちゃうんです。 ふつう、集まる場所といえば会議室ですが、 それじゃちょっと雰囲気が違います。 「会議室ではない場所」で、 いろんな人が偶然に集まったり 出会ったりするような場所を ぜひ作ってみたいなと思って、 今回、ここを開設してみたんです。 |
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ここは社員食堂なのでしょうか。 |
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ひらたくいえばそうなります。 でも、社員の招待があれば 社外の方も、夜に利用いただけますし、 いろんなコミュニケーションを通じて 新しい仕事を生み出せる場所だと考えています。 |
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なるほど。 |
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通常の仕事をする 「オフィス(OFFICE)」以外の場所を ぼくたちは「ベース(BASE)」と 呼んでいるのですが、 ここはそのひとつです。 |
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ベースというのは、 石巻も、そういう言い方ですね。 |
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そうです。 石巻にあるのは「ヤフー石巻復興ベース」です。 ここも「BASE6」と呼びます。 そういう拠点を日本にいくつか作っています。 そこは「人と人が出会って、ダベる」というような 場です。 |
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昔は、窓際族という言葉がありましたよね。 そういう場所が実際にあったのかどうかは まぁ、わからないのですが、 いまで言うリストラに近いイメージが 漫画的に「ある」というように伝えられていました。 何もしないで窓際の日なたのところで 新聞読んでる人がいる‥‥そんな漠然とした イメージがありましたが、 いま、窓際族は、いませんよね? |
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そうですね、窓際はわりといい席ですね。 |
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そうですよね(笑)。 外資の会社に行くと、だいたい窓際に偉い人がいます。 じゃあ、あの窓際にあたる 「見ないことにしよう」とみんなが思ってた場所は どこに行ったんでしょうか。 結局、いまの会社は 全部のスペースを追放してしまって、 それはもしかしたら、 トイレになってるんじゃないかな? |
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そうかもしれませんね。 |
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ヤフーはどうなっているか知りませんが、 「厳しい会社にいる、眠くてしょうがない人」は、 ずっとトイレに入ってるふりをしてるんじゃないかな? |
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弊社でも、たまにやっている者がおります。 |
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会場 | (笑) |
そうなっていると思うんです(笑)。 一方で、仮眠所がある会社もありますね。 「仮眠所があっていいね、豊かだね」 と思ったらそれは間違いで、 どうやらあまりいいことではないようです。 「ブラック企業」といわれそうな 労働条件のところのほうが、 仮眠所があったりするんでしょうね。 そうだとすると、働いている人にとって 「どうでもいい場所」はどこなんだろう? つまり、 「あいつがサボってんのはみえみえなんだけど、 ま、しょうがないか」 という場所です。 魚を飼っててもそうですけど、 水草や岩を、水槽の中に置きますよね。 何もない水槽だと、 魚はストレスを感じてしまうらしいです。 人間もやっぱり同じだと思う。 「俺が何してるか、おまえら、知らないでくれ」 という、隠れ場所が必要です。 それをヤフーのような、新しい考えをもった、 外から見たらひじょうに合理的な会社が 作ったというのは、とても重要だと思うんです。 つまり、このBASE6のことなんですけど。 |
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なるほど、ここが‥‥。 |
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宮坂さんは、こういう場所を 会社に作ったということで、 つるつるした部分と 毛の生えた部分を 両立させようとしていると思うんです。 |
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ここは、毛の生えた空間。 |
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そう。 |
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それ、いいですね。 |
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うん。いわば、 すね毛とかわき毛みたいな感じかな。 |
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わははは。 「なんのためにあるかよくわかんないんだけど、 ある」 |
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そうですね。 |
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深いです。たしかにそうでしょうね。 そうか、毛かぁ‥‥。 糸井さん、すごいですね。 |
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いや‥‥あの‥‥ちょっと昔話をするんですけれども、 昔、友だちが「こんな夢を見た」って 言ってきたんです。 それは未来社会の夢でした。 人びとは、モジモジ君みたいなつるつるの 銀色の服を着ていたそうです。 でも、よく見たら、 つるつるのモジモジスーツを着たやつと、 毛の生えたモジモジスーツのやつに 分かれていたらしいんです。 「糸井さんも銀のスーツだったんですけど、 毛のほうを着てました」 と、そいつは言ってました。 その話を聞いたとき、妙に納得した感がありました。 俺はずっと毛の側でやってきている。 この場所も、そういう「毛」の感じがします。 |
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そうですね。毛です。 ‥‥ぼくらの会社は外から見ると つるつるに思われてるんですね。 |
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ミッドタウンにある本社の エレベーターに乗ると、 みんな、仕事ができそうな顔をしているでしょう。 |
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会場 | (笑) |
誰もそんなことけしかけちゃいないのに、 「おまえには負けない」なんて 思っちゃっているでしょう。 だけど、ここに来ると、逆で、 いっしょに泣いちゃったりすると思う。 |
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なるほど。 そういうことを望んで作った、ということもあります。 |
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会社というものに「毛」のほうの面積が 多くなっちゃったときがゴールというか、 それが、ほんとうのはじまりのような気がします。 |
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(つづきます) |
2014-03-25-TUE |