── |
では、ギャンブルは?
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山田 |
しません。
絶対に当たると聞いたらやりますけど
そんな話はないんで。
ラスベガスに行っても、
ギャンブルはほとんどしませんでした。
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── |
ギャンブルをしないのにラスベガスへ?
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山田 |
いや、日本円で1000円くらいはやりましたよ。
けっこう「リターン」もあるから
1000円でけっこう時間が持つんですねぇ。
くるくるくるくる回って。
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── |
ご家族は、何と?
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山田 |
ラスベガスには、ひとりで行きました。
ギャンブルもほとんどせず、
ホテルの部屋で日本チャンネルを見ていました。
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── |
‥‥お仕事で、ですよね?
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山田 |
いや、プライベートで。
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── |
堅実にお金をためておきながら、
人には海外旅行はすすめないのに
ひとりでラスベガス、ですか。
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山田 |
25歳のとき、人生で初の海外旅行だったんです。
25にもなって、
海外に行ったことがないのもどうかな、
最初はやっぱアメリカかな、と思いましてね。
そのときは、結婚もしていないし
彼女もいなかったので、
ひとりで行っても楽しいところをさがして、
それで浮かんだのがラスベガスです。
エンターテイメントの場所だから、
ひとりでもショーが見られたりするのかなぁ、
などと思って行ってみたら、
街じゅうがカップルだらけで!
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── |
でも、ギャンブルの街だということは、
ご存知だったんですよね?
ショーを観るのにも、
それなりにお金がかかったでしょう。
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山田 |
そうなんですよ!
無料ショーって、そんなにはないんですね。
一日で全部まわり終わってしまいましたよ。
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── |
‥‥やっぱり、山田さんは
無料ショーにしか魅かれないんですね。
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山田 |
ラスベガスのショーって
1万円以上するんですよ。
1万円ってね、
すごくいろんなことができますよ!
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── |
ひとつくらいは見ておきましょうよ。
‥‥ダメですか。
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山田 |
同じショーが日本にもやってきて、
安く観ることができたりするかもしれないし、
それに、日本だったら、
大黒屋などのチケットショップで
券が安く買えたりするでしょう。
正規料金で払うこと自体、
もはや敗北のような気がするんです。
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── |
日本では、チケットショップを
とことん利用されるほうですか?
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山田 |
正規料金で、ものを買うのはイヤです。
それは、負けでしょう。
だって、お買い物というのは
勝負ごとですから!
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── |
おおお、はい!
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山田 |
お買い物は勝負です。
企業側が、買わせようとして
いろんな手を使ってコマーシャルを打ったり
オマケをつけたりするわけです。
それに普通に乗っかってしまうと、
お金は出ていくしかなくなります。
向こうが勝負をしかけるなら、
こっちも受けて立たないとダメじゃないですか!
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── |
そうじゃないと勝負にならないですね。
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山田 |
勝負をするんだったら、
うかつに勝負に乗らないこと。
売る側に負けないようにするんです。
よく電器店やコンビニで
「50人に1人はタダ」
というキャンペーンをしていますが、
これは、よくできたしかけです。
ならせば2パーセント引きにしかならない。
企業側の勝負のしかけにのるかそるか!
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── |
侍みたいですね。
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山田 |
貧乏侍です。
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── |
くり返すようですが、
それは会計士さんの特性ですか?
それとも、山田さんの性格ですか?
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山田 |
これは、私の性格です。
ケチな関西人の特性です。
遺産をがっぽりもったまま、
ケチケチして使わずに死んでしまって、
相続税をいっぱいとられるタイプです。
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── |
それはダメでしょう。
国のしかけへの、敗北じゃないですか。
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山田 |
はははは、そうですよね、結局。
ではここで、言い訳をさせていただきましょう。
いろいろ話しましたが、
結局は、人が何を幸せと感じるかが
いちばんの問題なんです。
たとえば「ほぼ日」の菅野さんは、
海外旅行でややオーバーめに使ったり
額面を気にしないで本を買ったりすることに
喜びを感じる。
僕の場合は「今日はこれだけケチった」とか
「正規料金よりも半分で行けた」ということに、
喜びがあるんです。
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── |
なるほど。そこが山田さんの幸せの、
上位なんですか。
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山田 |
「買い物したー!」ということではなく
「安く買えたー!」ということが
僕の欲求を解消するポイントなんです。
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── |
結局、問題は幸せ感なんですね。
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山田 |
だけど、注意しなくてはならないのが、
お金は出したぶんだけ
ちゃんと返ってこないとダメなんです。
えてして、減りぎみで返ってくるから、
お金は減っていくんですよ。
お金をバリバリ使って、
生活保護を受けたりするというのも、
もしかしたら幸せな人生なんだろうと思います。
問題なのは、
金持ちになりたいけどお金は使いたいとか、
いろんなことをいっぱい望むと
それは結局、不幸せ感につながるんですよ。
そんなにいっぱい望んじゃダメなんです。
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── |
矛盾したことを願っていると
どうしたって幸せ感は得られませんね。
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山田 |
人とおしゃべりするときでも、
お金を使う話ばかりしていませんか。
「貯める、使わない」という話を
もっとしてもいいんじゃないかな。
少なくとも、どのくらい貯金があればいいのかの
めやすを自分で決めておいたほうが
いいと思いますよ。
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── |
ちなみに、山田さんの貯金のめやすは?
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山田 |
僕は、生活費の3年ぶんくらいは、
貯金があったほうがいいと思います。
必要経費の3年ぶんお金があれば、
もし何かあっても3年間はやっていける。
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── |
ええと、3ヶ月、じゃなくて‥‥。
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山田 |
3年です(キッパリ)。
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(つづきます!)