本読む馬鹿が、私は好きよ。

取り扱い注意の本。

ほぼにちわ。怖い本いかほど、読んでますか?
このページで『黒い家』をすすめられて
買って読んだけど、
怖くてえらいこと後悔した、
というメールをいただきました。
ワタシは、買ったんですが、
表紙のまがまがしさが手に移るような気がして、
いまだ、読んでいません。すみません。
お盆に読むつもりです(本当か?)。

ほんじゃ、今日はいまのところ、
一番メールが多い本から。

屍鬼
小野不由美 (著)
¥2,310(税込)
新潮社
4103970022


=
山奥の閉ざされた村で起こる不可思議な現象。
一体何が起こっているのかわからないのに、
何かが確実に村を蝕んでゆくという、
目隠しをされたまま

お化け屋敷を歩くような恐怖。
追い詰められた人間の怖さ。弱さ。残酷さ。
あまりにも写実的な描写に、
もうそのへんで

勘弁してくださいと
本に土下座したくなります。

そして、もう一つこの本の恐ろしいところは、
読み終わるまで、食事、睡眠、仕事などの、
あらゆる生活に必要なことが
おろそかになってしまうことです。
一度読み始めたら止められない。
何かの呪いがかかったような一冊です。
(IA)


=
平和な閉鎖的な村に、
じわじわと異変が起こります。
増える死者、謎の転出者の続出。
前半は、このじわじわ具合が怖い。
事態にどう対処するか。
死者だからといって、
帰ってきた家族や友達を

退治できるでしょうか?
そしてクライマックス。

村人が一番怖いです。
正常なはずの、

人間であるはずの村人が、とても。
それでいて、

極限状況における人間の美しさ、
強さも感じられます。
「この状況だったら、
 自分はどの登場人物のような

 行動を取るか?」
と思わず考えさせられます。
怖いだけでなく、
何年たっても「人間」

「生きていること」について
考えさせられる本です。

(ぎょもこ)


=
病院のシーンが出てくるのに、
友人は「雰囲気でるかと思って」

と入院しているとき
に消灯時間に隠れて読んだらしいです。
私はあまりの怖さに、
朗読していた
ハードカバーを
足の上に
落として
怪我をしました。

(りぜ)


かなり分厚い本ですからね。
ハードカバーは、確か。
落とすと危険ですから。
ある意味、取り扱い注意ということで。
さて、次もそうなのかも。
読了後のすぎこさんの行動に、
妙に共感できます。

NO
IMAGES
よからぬ話
Tono (著)
うぐいす みつる (著)
¥704(税込)
朝日ソノラマ
4257903082


=
表紙がコミカルで可愛いので、
そんなに怖い話では
なかろうと思ってたんですが、
かなり本格的な怪談本でした。
内容は著者(姉妹の漫画家2人)や
その友人の体験談なのですが、
怖い話にありがちな
おどろおどろしい描写などないのに
リアルで怖いことといったらないです。
凍りつく思いをしました。
しかしこれ以上詳しい内容は

私には書けません。
読了後、すぐに本を

ビニール袋に密封して寝室から
一番遠いゴミ箱に捨ててしまいましたので、
手もとにないからです。
怖がりな人には
とても薦められません。

読書中にいろいろな怪異が寄ってきても大丈夫!
という勇者な人はぜひ挑戦して見て下さい。
(すぎこ)


わかるわ〜。
たかだか本なんだけど、
その本から呪いがしみ出すような気がするのよね。

さて、あとの2冊は、
古典&海外。

高野聖・眉かくしの霊
岩波文庫
¥420 (税込)
岩波書店
4003102711


=
そこはかとなく怖い本と言えば、
やはり日本のお化け、
泉鏡花『高野聖・眉かくしの霊』です。
とくに「眉かくしの霊」はなまめかしくも
寂しげな女の
亡霊が、湿り気のある
薄暗い温泉場に登場。
雪深い宿で旅人が湯につかろうとすると、
「ばちゃん、‥‥ちゃぶりとかすかに湯が動」き、
それと同時に
冷たい人肌の気配が

うなじに伝わります。
古典的な文体は、
なれないと少し読みづらいですが、
時空を越えて人と魔物が交錯する
恐ろしくも華麗な世界が
繰り広げられます。
怖さと美しさを求める方に、ぜひ。
(もりのり)



古典的の文章は、一行のなかに現代文よりも
もっと多くのものを含んでいるような気がして、
想像がふくらみますな。
どの時代まで遡っても、日本語は日本語なので、
慣れてくると、読むのが簡単になりますよ。

さて、最後は、
実物そのものが美しい怖い本を。

ギャシュリークラムの
ちびっ子たち―
または遠出のあとで

エドワード ゴーリー (著)
Edward Gorey (原著
柴田 元幸 (翻訳)
¥1,050 (税込
河出書房新社
4309264336


=
モノクロの画のなかで
AからZまでの子供が次々と殺されていく・・・
子をもつ親としては
とても
いたたまれなく
なるのですが、
でも続きをみてしまう

なぜか魅力的
英文は韻を踏んできれい
まるでマザーグースのよう、
ともいわれます
(Ian)



エドワード・ゴーリーさんは、
アメリカの作家さん(2000年に死去)。
他にも、微妙に怖い雰囲気の絵本を数多く出しています。
どれも、モノクロームの線画が美しいですよ。
絵本を描くほかに、
劇場の舞台美術なども手がけたそうです。
翻訳は、柴田元幸さんですよ。

さて、今日は4冊のオススメをさせていただきました。
折しも、お盆でございますんで、
お休みの方も多くおられることと思います。
お時間があったら、是非
「怖い本」をオススメください。
宛先は、
宛先は、yomu@1101.com
件名を、本のタイトルにして頂けると助かります!

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「本読む馬鹿が、私は好きよ。」と書いて
postman@1101.comに送ろう。

2005-08-05-FRI

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