明治以降の文学者の中で、
吉本さんが最も偉大だと考える作家の代表が
夏目漱石です。
今回は漱石についての
代表的な4つの講演をご紹介します。

「普通だったら
 ここで止めるというところを、
 漱石は、ためらいも
 利害打算もなく、
 ほんとうに心から
 言い切ってしまいます。
 その魂の大きさは、
 偉大な文学者だなと
 思うよりしかたがないわけです」

漱石はなぜ、
『吾輩は猫である』の主人公を猫にしたのか。
漱石はなぜ、
男女の三角関係を何度も描いたのか。

吉本さんは、漱石の生いたちや人間像に迫りながら
作品を読み解き、
人間の抱える資質や宿命というテーマに
迫っていきます。

いずれも3時間あまりの長編の講演ですが、
ひとつの作品につき1時間程度のペースで進むので
少しずつ聞いていくこともできます。

「小説を読むこと」のおもしろさを知ることができる、
名講演ぞろいです。
どうぞ耳から味わってみてください。