吉本隆明さんは
文学作品をテーマにした講演で、
恋愛について語ることがありました。
ご自身の体験を軸に
語った講演(A107)もあります。
時代時代の作家が、作品のなかで
・理想としての女性像
・実生活で感じたことの批判を反映させた
ネガティブな女性像
を、わかりやすい形で
登場させることが多くあります。
この「理想」と「現実(批判)」が
社会の動きにあわせて
どのような移り変わりをたどったかを知ることで
社会と恋愛のむすびつきがあきらかになります。
また、偉大な作家であればあるほど
作品のなかで
建前のようなことは言わないため、
「本音ではこうなってしまいます」
ということを見ることができます。
恋愛というものをつかみとるため、
各時代の文学作品は、
うってつけの教科書というわけです。
A180の「作品に見る女性像の変遷」では、
江戸末期から明治の文学作品にはじまり、
近代を経て、太平洋戦争をくぐった
「理想の女性像」を追いかけます。
クリアな録音ですので、入口に迷われたら、ぜひ
A180よりお聞きください。
自分が考える「理想の社会」と
「理想の恋」が矛盾することは当然で、
大文豪であろうとも一致していない。
北村透谷、国木田独歩、森鷗外、夏目漱石、
そして太宰治、宮沢賢治、埴谷雄高がどのように
恋愛に身を賭し、
命がけで理想を求めて敗れたか、
そして、岡本かの子、谷崎潤一郎が
どういう見解を示したか。
作家が体感してきた恋愛観、夫婦像が
次々にせまります。
「谷崎潤一郎は、一見、
筋もなく退屈なような『細雪』のなかで
自然と同じ速さで変わっていくような
ゆっくりとした恋愛感情の変遷が
あるのではないか、ということを
近代小説にはじめて
根本的に投入した人ではないかと思います。
なぜ変わるのかというのは
なぞといえばなぞです。
理屈は通せますが、
だれのせいとはいえないし、
わからない。
もろもろのせいで
そうなってしまう」
北村透谷、宮沢賢治、
中原中也と立原道造についての講演も
いっしょにお聞きいただきたく、
あわせて公開します。
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A107
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A141
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A161
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A179
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A180