昨年の8月15日に
183講演を全公開してから1年が経ちました。
そのあいだ、多くのみなさまより
講演の文字起こし協力のお申し出をいただき、
投げ銭で応援を頂戴してきました。
メールなどで感想を
お寄せいただくこともありました。

このページを運営する
ほぼ日刊イトイ新聞スタッフの我々も、
世の中の動きにあわせて、
「吉本さんはどう考えていたかな?」
と、質問を投げかけるように講演を聴くことが、
この1年でも、ありました。

この夏は、リオデジャネイロオリンピックが
開催されたり
天皇陛下のお気持ち表明があり、
「そもそもはどうだったんだろう?」
「我々はなぜ日本という国の形をとっているのか」
ということが知りたくなり、
吉本さんの解説する
「日本の成り立ち」に関する講演を
聴き直しました。

吉本さんは、たいていの講演で
自分の力で考えることの大切さについて、
語っています。
1945年の今日この日に、
20歳の青年がぽっかり海に浮かんで考えたことが
すべての出発点になっているからです。

「やっぱり無関心というのは
 危なっかしいんじゃないかな、
 というような感じがします」

「宗教、法、あるいは
 国家だけではなく
 文化、つまり観念構造と
 いわれているもの、
 それらが収斂するのは
 天皇制である、
 という構造がある。
 それがおそらく、
 ぼくらがあの戦争中に
 無知であったこと、
 なんとなく解けない
 問題があるな、
 と感じた理由の基本です」

(A016 「宗教としての天皇制」より)

古い年代の講演で
音声が聴き取りづらいものも、
有志のみなさまのご尽力により、
テキスト化されているものが増えてきています。
(テキスト化されているものは
 各講演ページの右下に
「この講演のテキストを読む」という
 表示が入っています)
音声と文字、両方を活用しながら、
「吉本隆明さんの声」にふれてみてください。