共同体論について

  • 時間

    77
  • 音質

    止揚の会と西荻南教会によるイベント
    「共同体論ティーチイン」での講演。
    周辺のノイズが入っており、
    音質はあまりよくない。

  • 講演日時:1971年5月9日
    主催:止揚の会/西荻南教会
    場所:文京区民センター
    収載書誌:中公文庫『語りの海1 幻想としての国家』(1995年)




日本の場合、共同体は
ふたつに類型づけすることができます。
ひとつは、首長が政治的な権力と同時に
祭祀権を持っている共同体というのが考えられます。
もうひとつは、共同体の首長が祭祀権だけを
持っているタイプです。
その場合、宗教権力を持つのはたいてい女性で、
その肉親の男性が
政治権力を所有しているというかたちです。
日本の古い時代を想定しますと、
そのふたつの形態が複合して存在しています。
根本的に問題にしなくてはならないのは、
政治権力というものと
宗教的権力というものとの移行のしかたということで、
それがいかに共同体の権力構成に影響を及ぼすか、
また経済・社会構成、自然・経済構成に対し
どういう影響を与えるか、ということです。