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時間
171分
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音質
山口県内の有志が催した講演会。
音源は主催者提供。
クリアに収録されているが
音質のよいものをつないだため
途中で音質が若干変わる。
竹内好氏は本講演の
半年前に亡くなった。
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講演日時:1977年10月1日
主催:山口県内吉本さんを呼ぶ会
場所:山口県立図書館レクチャールーム
収載書誌:弓立社『超西欧的まで』(1987年)
講
演
よ
り
僕はある時期から、竹内好さんと、
理念的には同じからざる道を歩んだように思います。
けれど、竹内さんの「思想の肉体」はたいへん好きでした。
そういう意味では自分と本当は
よく似たところがあるのではないかと思います。
ひとりの思想家が、生涯において成しうることは
たいしたことはありません。
しかし何がためにひとりの思想家は
ある時代に存在し続けるかと考えてみますと、
「自分が一刻も頭から去らないほど
労苦して考えに考え抜いてやっとつかまえたもの」
が、後の世代の人たちにとって、
何となく自然に身につけている、
その地点に出会うためです。
それが、ひとりの思想家が生涯にわたって
存在し続けることの意味だと思います。
竹内好さんの思想は、そういう徒労に値するものとして、
今後本格的に検討されることを信じて疑いません。