-
時間
99分
-
音質
早稲田大学文学部・文芸専攻によって
課外講演会として行われた講演。
たいへんクリアに収録されているが、
質疑応答の途中でテープが切れる。
-
講演日時:1981年11月21日
主催:早稲田大学文学部 文芸専攻
場所:早稲田大学文学部 453教室
収載書誌:未発表
講
演
よ
り
現在、イメージの生活世界が膨大になってきています。
私たちは、実質的な生活世界からイメージの世界へ行き、
またそこから降りてきて眠るということを
絶えずやらなくてはいけなくなっています。
どうしてもそこを通過していかなくてはいけない
必然の通路みたいに、イメージの世界は存在しています。
そういう世界を膨らませているのが、
物質的な価値にイメージの価値をつけ加えたい、
イメージの価値で競争したいという衝動であることは
非常に明瞭です。
文学作品が、価値のある世界を実現したいと考えるならば、
「イメージの世界の厚みをくぐり抜けてその果てに出る」
ということがどうしても必須条件になります。
それが、文学にとっての本質的な衝動です。
どうやってそれが実現可能なのかということが、
批評にとっても創造にとっても
最後に出てくる問題だと思います。