本日2009年1月4日(日)22:00〜23:29、
吉本隆明さん出演のドキュメンタリー番組
ETV特集「吉本隆明 語る」(NHK教育)が
放映されます。
ごらんになった方、ぜひご感想を
postman@1101.comまでお寄せください。
それでは、前回につづいて、
11月〜12月にかけて行った
吉本隆明プロジェクトのアンケート結果のなかから、
「印象に残った講演」の第3位をご紹介します。


3位 「生きること」について 音質:★★ 1980(昭和50)年6月21日 雑誌「城」の研究会の主催で、佐賀市民会館で行われた講演。



生から死への道筋や、いかに生きるべきかが
見えづらくなってきた現在。
吉本さんは、一遍や親鸞、フーコーや人類学者の
思想を汲み取りながら、
死から生を照らしだすことによって、
「生きること」がよりよく理解できるのではないか、
とおっしゃいます。

講演の後半を割いて、吉本さんは、
アメリカの精神医学者
E.K.ロスの『死ぬ瞬間』という研究をとりあげます。

ロスの研究が示したのは、
人間が死を受け入れる過程には
否定 ─ 怒り ─ 取引 ─ うつ状態 ─ 受容
という共通した段階があるということでした。
吉本さんは、この「死に至る5つの段階」は、
そのまま生に当てはめることができる、
とおっしゃいます。

真っ正面から死と向き合うことで
「生きること」の姿をはっきり
浮かび上がらせることができる、
とお話しになる部分を、今日はご紹介します。
どうぞお聴きください。
(客席から録音された古い講演のため、
 音質はあまりよくありません。)

5分26秒



春秋社『新・死の位相学』
(1997年)

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2009-01-04-SUN
(C)HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN