洗濯はたのし。LIXTICK(R)のランドリーネットを「ほぼ日」仕様で。

洗濯はたのし。後編_コロナ禍のなかでマジメに考えた。

洗濯ブラザーズ三男の今井良さんは、
ガジェット好き、ファッション好き、おもちゃ好き。

そんな今井さんに生活愛用品を教えてください、
と訊いてみたところ、出てきたのが
「LIXTICK®のランドリーネット」でした。

大小、平面と立体の6つのサイズの
色鮮やかな洗濯ネットが、
アメリカンなデザインの紙の箱に入っているものでした。

そのかわいらしさだけでなく、今井さんいわく
「性能も、ばつぐんなんです」。

入手してみたところ、なるほどこれは使いやすい!

その後、LIXTICK®の代表であり、
このランドリーネットをつくった
大楠さんをご紹介いただき、
「ほぼ日」とコラボした特別カラーの製品をつくることに。

ふだん、表に出ないという大楠さんをお招きして、
今井さんとともに、いろいろなお話をうかがいましたよ。

大楠さんが最初につくったのは「つまようじ」、
そしてモノづくりの発想の原点は
大阪のおばちゃんの「アメあげる」なんですって。

‥‥って、いったい、それは、どういうこと?!

大楠さんのプロフィールを見る

LIXTICK® 大楠

4児の父。

セレクトショップ店員、バイヤー、
ブラックミュージック関連業務、
フリーランスとしてデザイン・DTP業務を経て、
2012年にLIXTICK®を設立。

“Same shit different day”、
そんな毎日にエッジを利かせ、
日々の隙間にパラサイトするブランド。

変わり映えのない生活に、
斜め45度からウィットに富んだプロダクトで
遊び心のあるライフスタイルを提案している。

LIXTICK®

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今井良さんのプロフィールを見る

enricheveryday 今井 良

洗濯ブラザーズ・三男。

1974年神奈川県出身。

総合商社、外資製薬会社、IT企業を経て、
2018年2月に茂木貴史・康之兄弟と
「洗濯ブラザーズ」を結成。

一般目線で洗剤や洗濯をかみ砕いて
分かりやすく紹介する活動をしている。

ウェブショップ「enrich everyday」を主宰、
毎日が楽しくて気分が豊かになるモノ、
毎日に欠かせない大好きなモノを紹介している。

Instagram

enrich everyday

後編_コロナ禍のなかでマジメに考えた。

──
大楠さん、なぜランドリーネットを作ろうと? 
ポケットから「アメちゃん」みたいには出ませんよね。
今井
そう、なんでだったんだろう?

大楠
そもそもは、コロナになったタイミングで
みんながあたふたしだした時、卸し先さんから
「マスクを作ってください」と言われたんです。

でも僕は海外のつながりのある工場の人から、
「マスク、足りないんでしょ、日本は」と言われ、
大量に確保してもらっていたので、
それを卸し先やウェブストアの利用者に
無料で配ったんですよ。

それもアメちゃんと同じ感覚なんですけど(笑)、
みんなが足りないって言っているときに
狙って売るような商売を自分はしたくないなと思いました。

その頃は不織布じゃないとダメっていう意識が低くて、
布マスクのリクエストがあったんですが、
それを作って、1枚1000円、1500円で売るって、
どうもクリエイティブの血が騒がなくって。

と、そんな話をオンラインでアメリカの友達としていて、
「アメリカはどう?」「何が欲しそう?」と訊いたら、
なんだろ? と考えながら
「99セントショップ(100円ショップ)で
洗濯関連グッズは売れてるよ」と、
たぶん冗談半分で言ったんですよ。

「それだ!」と思って。

「マスクする前に、服を洗おうよ」と。

ひとくくりには言えませんが、
僕ら日本人はもともと几帳面な気質で、
手洗い、うがいは積極的にしていますよね。

小さい頃から当たり前に言われていることをやっている、
というのか。

その流れで
「マスク、マスク、の前にまず服をきれいにしようよ、と。

みんながマスクを売るんだったら、
僕はランドリーネットを出そう」
っていう個人的なちょっとマジメな悪ノリだったんです。
──
よくわかりました。
今井
すごい! 
しかも、それでいきなり作っちゃうの?
大楠
このジャンルに対しても無知だったので、
1カ月くらいひたすら
いろんなランドリーネットを買いあさって研究をしました。
今井
完成品を見た時に、びっくりしました。

まず種類が多い(6サイズ)っていうのと、
それぞれ、けっこう考えられている。

実際に使ってみたら、めちゃくちゃいいんです。

それに色がすごかった。

LIXTICK®のテーマカラーのグリーンで、
意外に暗い洗濯スペースで見やすいし、
洗濯機の中に入っていても目立つんです。

しかもジッパーがオリジナルだし、
ジップの先までオリジナルで、
金具にはきちんとシリコンでカバーもついている。

ランドリーネットのジッパーは、持ち手(スライダー)を
閉じたとき、格納できるようになっているんですが、
面倒でそのまま洗濯機に入れてしまう人も多くて、
そうすると金具が衣類に当たってしまう。

それでも傷つかないように、
持ち手をシリコンでカバーをしているんです。

そういう、うんと細かいところまで考えられている。

LIXTICK

LAUNDRY NET 6PACK


¥2,800

──
6つのサイズを作ったっていうのは、
どういう理由だったんですか?
大楠
ランドリーネットって、たいてい3サイズ、
大・中・小があるんです。

でも僕は、アウターとか、
1つだけ大物を洗うこともあって、
そのための大きなサイズが欲しかった。

さらに、出張の時に、衣類入れとして使うとしたら、
小さいサイズも便利だなと感じていました。

それで通常の平面のランドリーネットを4サイズ、
さらにふたつ、円柱タイプをつくりました。

パッドが入っている肌着だとか、
こどもの靴下をまとめて洗うときに、
こうした立体タイプって便利なんです。

そうそう、マスクを洗うときも
ネットに入れた方がいいですよ。

偶然、洗濯機の修理をした時に、修理屋さんが、
「ドラム型洗濯機の隙間に、
マスクが詰まっていることが増えているんです」って。
今井
ああ!!
大楠
エラーが出て修理に行くと、スッゴイ多いらしいです。

マスクが2~3個詰まっているんだそうですよ。
今井
ネットに入れなくちゃね。

僕、布系のマスクを、不織布と二重で使ったあと、
これに入れて洗ってます。
──
洗濯ブラザーズ的には「いいポイント」は
ほかにもありますか。
今井
ネットの目の細かさですね。

このへんは、大楠さんの研究の成果?
大楠
そうですね。

まずは家族で、いろいろ試して、
妻の意見もききました。

サイズ感から、目の粗さから。

僕、どっちかっていうと
その辺はわりと大雑把ですから。
今井
世の中のランドリーネットって、あんがい、
ネットの目が粗いんです。

でも、洗濯で無駄な糸くずを出して排水したくない。

細かい糸くずをキャッチする仕組みが
どの洗濯機にもあればいいんでしょうけれど、
そうとは限りません。

そのまんま流れちゃうんだとしたら、
洗うときに防ぐのがいちばんですよね。

それに、ジャケットとかに金具部分が付いている場合、
目が粗いと洗っている最中に
網目から出てしまう可能性があるけれど、
目が細かいと金具が出てこないですよね。

そういったところも、
洗濯時に衣類を守るっていう点ではよいと思います。
大楠
結果的に細かい目のネットを採用したのは、
よくランドリーネットを使っているという身近な人の声からです。

いろんな人に訊いてみたら、
細かいほうを使っている人の割合のほうが
多かったんですよ。
今井
たしかに。

僕はランドリーネットは基本的に、
目が細かいほうがいいと思っています。

洗濯にかぎらず、中が見えづらいので、
出張や旅行に行く時に、
下着とかを入れてても大丈夫。

家に帰ったらそのまま洗濯機に入れられますし。
──
そうして「ほぼ日」でも
このランドリーネットを扱いたいとなったときに、
「オリジナルの色もつくることができますよ」と。

LIXTICK®では、グリーンのほかに、
ブラックもつくられていて。
今井
僕も両方使ってます。

ブラックは、それこそ、
トランクの中の小分け袋にしても
かっこいいんですよ。
大楠
「ほぼ日」のみなさんは、最初、
オリジナルをつくるなら、
グレーかなとおっしゃっていましたね。
──
どんな家にも馴染むかなと思ったんですが、
大楠さんから
「ほぼ日さんの基本カラーってイエローですよね?」と
逆にご提案をいただいて。

今井さんの、こういうものは、
洗濯スペースで目立ったほうがいい、
という意見もあって、そうか、それもいいな、と。

大楠
僕のブランドとしての立場であったりとか、
「ほぼ日」さんの立場を考えると
「グレーでしょうね」となりますよね。

その意見は、最初、汲み取っていたんですが、
お会いしてお話した時、
「あ、黄色は?!」と、ふと、思っちゃって(笑)。

そうしたら、みなさん、
「黄色? あ、黄色だ!」と、
意見が一致しましたね。

逆に引き出してもらったんですよ、
だから僕もすごく楽しくて。
今井
紹介した立場から言うと、
そんなふうに転がっていくのを見るのは、
ほんとうにワクワクしました。

大楠さんのすごいところは、
「よし、やろう」って考えはじめて、
かなりの短期間で作り上げることですよ。

最初のグリーンのときは‥‥。
大楠
「やりたい」から3カ月でしたね。
今井
3カ月! 
これ、オリジナルの雑貨で
工業製品を担当したことがある人だったら、
驚くスピードです。
大楠
気絶するか、というくらいまで、
その間は、僕、そればっかり考えてますから。
今井
すごいなあ。

今回も、黄色と決まったら早かったですね。
──
パッケージも大楠さんが作り直してくださった。

このデザイン、きっと大楠さん、
アメリカの大規模な
スーパーマーケットに置かれているような
大量生産品のもつイメージがお好きなんですよね。

大楠
そうですね。アメリカの物に、
10代で完全に魅了されました。

中でも自分はアメリカの“ストリート”カルチャーが根底にある、
というのがとても大きい。
──
アンディ・ウォーホルの世界ですね。

このイラストは‥‥?
大楠
僕の相棒みたいな、顧問みたいな人で、
日本のグラフィティー・ライターの
数少ない“OG”(大御所)のひとりに描いてもらいました。

ちなみに文字まですべて手描きです。

名前は出せないんですけれど。
──
グラフィティー・ライターというのは、
壁にスプレーで絵を描くことを
表現としているアーティストですね。

アライグマがかわいいです。
大楠
コーンフレークにキャラクターがいるでしょう、
あのサンプリングでもあるんです。

洗うからアライグマにしようっていう。

これも僕のメモ書きにあった
「シリアルのパッケージみたいな感じで何かやりたい」
というアイデアが、偶然、
ランドリーネットっていう案と合致したんです。
今井
かわいい。

パケ買い(パッケージを見ただけで買うこと)
したくなるデザインですよね。
大楠
そうですね。

僕、レコードをジャケ買いしてきたので、
その感覚が強いかもしれません。

昔って、レコード屋に行って、
気になるジャケットを探して試聴して買ったでしょう。

だからこのランドリーネットも、
ジャケで自分のファーストインプレッションの
「あっ」っていう感覚を信じて、
最終地点(お客さまに届ける)まで
絶対持って行くぞ、という、
そんな気分があるんです、商品パッケージって。
今井
わかります。
──
レコードの時代、レコード屋さんにいる時間が
長かったことを思い出しますね。

お小遣い、LPが月に1枚買えるかどうかだったから、
ジャケットから情報を引きだすのに必死でしたね。
今井
たしかに。
大楠
僕、セレクトショップでバイトしていた時代、
8時に仕事が終わって9時までの1時間、
レコード屋にいて、
日払のお金を全額使って帰ってました。
今井
ええぇぇ?
大楠
飯食わずにレコード買ってました。
──
たぶん、失敗もしたんですよね。
大楠
もちろん。もう。

失敗! とは言い切れない、言いたくないけど、
たいへんな時期はありました(笑)。
今井
わかります。

おもちゃも好きな僕からすると、
このパッケージ、部屋に置いても違和感がありません。

僕、以前のパッケージ、捨てないで、とってありますよ。
大楠
もらった時にも、うれしくないですか。
今井
このままギフトでね。うれしいですね。
大楠
自分の作ってるもの、全部そうなんです。

ただ、あげたいものを作ってるっていうのが、
一番正しいかもしれないです。

「アメちゃん、どうぞ」です。
今井
みなさんも、ギフトにするときは、
包装紙にくるまずに、
このまま差し上げてください。

「何、何?」って言ってもらいたい。
──
ありがとうございました。

いいものができて、うれしいです。

自分もはやく使いたいです。
今井
ちなみに‥‥僕と大楠さんの共通点、
ひとつ、大事なものがあるんですよ。
──
それは?
大楠
「MOTHER」のファンだということです!
どせいさんは、息子のような存在です。
今井
だから、大楠さんに、
「ほぼ日」のかたが興味を持っていますよと
お伝えしたら、即答で‥‥
大楠
「内容聞かずにやります!」って言いました(笑)。
──
ありがとうございます!
今後ともよろしくおねがいします。
大楠
ありがとうございました。
今井
「洗濯ブラザーズ」ともども、
よろしくお願いします。

2022-04-01-FRI