感心しつつある本

年末にはとかく本を買い込みがちです。
別に歳末大売り出しをしてるわけではないのですけど、
かたまった休みにかためて本が読めるような気がして、
結局在庫がたまることなったりするわけです。

そこで、現在読書進行中の本をいくつかご紹介します。

『リリー&ナンシーの小さなスナック』
(文芸春秋 ; ISBN: 4163592504)
この留守番企画の原稿書きを邪魔してくれてる本です。
とーにかく、とにかく、おかしいです。
笑いをこらえるのが大変で、外で読めません。
そして、巻末のリリー・フランキーさんの追悼文に、
じわーっとします。
こんなに気持ちのこもった、格調高い一文には
なかなか出会えません。

振り返れば、2002年は、
ナンシー関さん、山本夏彦さんの二人の大好きなコラムニストが
亡くなった年でした。
山本夏彦さんの文章は、
「軽妙洒脱」とはこういうことか、と教わるものばかりでした。
「人みな飾る」、「恋に似たもの」、
「情報社会とは、情報がだぶってるだけである」、
今でも空で言える名フレーズがたくさんありますね。


『小林秀雄全集』
(新潮社:全14巻/別巻2巻)
大人っぽく大枚はたいて全部買いしたんですけどねえ。
いつになったら読みきれるんでしょうか。
「交換されぬものは価値ではない」という
『マルクスの悟達』で述べられている考えなんて、
いまだに力があります。

タイトルと著者でアマゾン買いした本なんですが、

AL RIES & LAURA RIES
『THE FALL OF ADVERTISING & RISE OF PR』
( HarperBusiness; ISBN: 0060081988)
以前は、ジャック・トラウトとのコンビで、
数々のマーケティングの名作本を生み出してきた
アル・ライズですが、
最近は嫁はんとの営業活動をしています。
『広告があかんようになって、PRのほうがようなる』という
夫婦漫才に感心を期待してます。


最後に、タイトルと装丁で買ってしまった本。
『新聞王ウイリアム・ランドルフ・ハーストの生涯』
( 日経BP社 ; ISBN: 4822242951)
これ、2段組730ページの大物です。
松方弘樹でも釣り上げるのに苦労するでしょう。
しかし、この表紙の写真がいい。胆のすわった悪人顔です。
帯のコピーもいいですね。
“「悪党」はニュースを作り、歴史も作った。”
『市民ケーン』のモデルとなった人物の伝記なんですから、
もう感心の予約済みって感じです。
こんなことを「ほぼ日」木村くんに話していたら、
この担当編集者が4日の留守番番長ヤナセさんだったそうです。
ナイスです、ヤナセさん。

イメージ映像

でも、この本は、年末までに読み終えたいタイプですね。
新年は「善人」と迎えたいじゃないですか。
「おとそ気分」と食いあわせ悪いのが唯一の欠点とみました。

さ、もうちょっと本を買い足そっと。

2002-12-30-MON

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