今年の10月の3連休、
京都からたぶん7年ぶりぐらいに両親が、
いきなり上陸しました。
「東京もお台場とか新しなった丸ビルとか、
新しいもんできてるさかいな」というのが、
公式の襲来理由でした。
しかし、わたくしとしては、
もっと深い邪念の影を感じ取っていました。
とはいえ、これは『東京物語』なんだと、
みずからを振い立たせ、
歓迎ムードであちらこちらで写真を撮ったり、
お茶をしたりしたわけです。
両親の宿泊先であるホテルに隣接して、
結婚披露宴の名所があったのは痛かったですね。
あちこちで繰りひろげられる両家記念写真を横目に、
うちの母は、
「ぎょーさん結婚しはんな。」です。
そりゃ、そうだろう、ここはそういう場所だ。
蕎麦屋で蕎麦を食うように、
結婚式屋では結婚がなされているものやないか。
そんな思いを押し殺し、
しっかりボディにゆるいパンチが入っているのを感じてました。
ひさびさに家族3人で飯を食べ、しばらくして、
親父はぽつりと言いました。
「ところで意中の人はいるんか?」
さすが、昭和ひと桁生まれ。
白黒映画でしか聞いたことのない
「意中の人」とのライブな言葉にたじろぎましたが、
ここは「おれの恋愛クロニクル」を語っている場合じゃなく、
面倒でもありますので、
「いない!」と、きっぱり答えましたところ、
親父、やや息をのみ、
「あんた、ひょっとしてホモとちゃうやろな?」
あきれました。我が親を。
「ほんなこたぁ無い!」
そうかリットン調査団の目的は、
わたくしの結婚気配調査のみならず、
同性愛疑惑身辺調査だったのだ、と思いいたりました。
ま、年に会って2回の仲だと、
親子でもそう思うのかもしれんとは納得しましたが。 |