感心力の鬼・注釈。

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◆◇◆ 「先輩女子」より ◆◇◆


ども。先輩女子です。望月真理子といいます。
女子は女子ですけど、遠からず40になっちゃうもので、
多分あんまり女子っぽくないです、ごめんなさい。
田中宏和とは、会社で背中あわせに座ってます。
一緒に仕事したり、ときどき深酒なんかもする、
それ以上の深い関係はありませんけど、
「ほぼ日」読者の映画好きの方々にPRしたいコトがあり、
先輩風ヒューヒュー吹かせて出てきた次第。
どうか、ちゃちゃっと読んでやってください。

原正人さんという映画プロデューサーがいます。
かつてヘラルド宣伝部で「映画宣伝の神様」と呼ばれ、
現在アスミック・エース会長にして、
今年設立されたプロデューサーズアカデミアの会長。
『戦メリ』『乱』から『失楽園』『リング』まで、
挙げればキリのない数の作品をプロデュースしている、
日本映画界の重鎮というべき存在、
そして私が40年弱の人生の中で出会った、
最も尊敬する人の一人です。
いち仕事人として、尊敬する人の役にたてたらうれしい。
いち映画好きとして、映画界の役にたてたらうれしい。
とてもシンプルな動機で、ここ10年ほど個人的に、
なんだかんだ手伝わせてもらってます。

その原さんが今、「人生最後の仕事」と取り組んでいるのが、
次代の映画界を担うプロデューサーの育成です。
プロデューサー。英和辞典をひくと、
 @ <研究・作品を>生み出す人。創作する人。
 A <利益・利子などを>生み出す人。
とあります。
演出家や脚本家の、いわゆる「作家性」は、@の能力ですね。
これだけでは、「いい映画」はできたとしても、
「ビジネスとして成功する映画」には必ずしもなり得ない。
そこで重要になるのが、@とAの両方の能力を持つ
映画プロデューサーの存在です。
『千と千尋の神隠し』の大ヒットにしても、宮崎駿監督と
長年コンビを組んできた鈴木敏夫プロデューサーなしには
ありえなかったわけで、ことほどさように
映画ビジネスにおけるプロデューサーの役割は大きいのです。

もちろん、観客の立場から言えば、
面白い映画、いい映画さえ見られればオッケーなわけで、
ビジネスが成立するとかしないとかって別に関係ないしー、
と思いがちですが、これが案外関係あったりする。
映画がビジネスとして成立しなければ、
映画産業そのものが力を失っていく。
衰退産業には、人材も金も集まらない。結果として、
面白い映画、いい映画がどんどん減っていくという、
観客にとっても非常にありがたくない状況になります。
こんなことにならないために、次世代の映画界を活性化する
力を持ったプロデューサーを育てなければならない。
これが原さんの、そして原さんの盟友である
角川書店の角川歴彦会長の問題意識でした。
さてそこで、角川出版事業振興基金を事業主体に、
プロデューサーの育成事業をやろうということになり、
新人プロデューサーの登竜門とするべく今年、
『日本映画エンジェル大賞』を創設。その運営を、原さんの
作ったプロデューサーズアカデミアが行っています。

説明が長くなりましたけど、結局PRしたいのは、
『日本映画エンジェル大賞』の存在です。
劇場公開用の映画(実写およびアニメ)の脚本または
ストーリー企画を募集・選考。受賞作に対しては懸賞金の他、
ビジネスプランの策定費用が支払われ、製作支援が行われる、
というものです。詳しいことは、
http://www.kadokawakikin.jp/first03.html
を見ていただきたいのですが、
肝心の「次回の応募要綱」が、実はまだ載ってません。
2003年1月末までには載るそうなのですが、
次回締切は2003年6月とのことなので、
我と思う方、また我と思いそうな友達知人がいる方、
そんなよーな賞があるという話を、
頭の片すみにとどめておいていただけたら幸いです。

最後にもひとつPR。
2003年初夏、篠田正浩監督の引退作になる
『スパイ・ゾルゲ』が公開されます。
原さんがエクゼクティブスーパーバイザー(長いな)、で
私もちょこっと手伝ってます。
1930年代の東京、上海、モスクワのCG再現映像と、
その時代を生きた人々の、長編叙事詩のような映画です。
かなり見ごたえアリ!なんで、ぜひひとつよろしくー。

以上、読んでくださってThanx!!

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