永田 |
第2回目を見終えました。
お疲れさまでした! |
西本 |
お疲れさまでした! |
糸井 |
お疲れさまでした。 |
永田 |
今日はどうでしたか。 |
西本 |
あの、ふつうにじっくり入り込みましたよ。
素直な感想として、よかったです。 |
永田 |
うん。おもしろかった。 |
西本 |
前回はテンポだとかいろいろな所が
気になったりしたんですが
今日は無駄口もたたかずにじっくりと。
林隆三さんのキャラが
しっかり立ってましたもんね。
あの「日本語がうまいユンソナ」みたいな人も
最近、急上昇的な人でしょ。 |
糸井 |
ああ、そうなんですか。 |
永田 |
ああ、そうなんですか。 |
西本 |
名前がすっと出てこないあたりが
我ながらちょっと情けないですが。 |
糸井 |
まあ、そのへんは男子部だからね。 |
永田 |
そうそう。包み隠さずいきましょう。 |
西本 |
みなさんはどうですか。 |
永田 |
ひとつ、ぼくは言いたいことがあります。 |
糸井 |
どうぞどうぞ。 |
永田 |
女子部がうるせえ。 |
糸井 |
あはははははは。 |
西本 |
うるさいっすよねー。 |
永田 |
いや、ぼくのすぐ後ろで
女子部のひとりが見てたんですけどね、
まあ、りかさんなんですけどね、
ずーっとなんか言ってるんですよ! |
糸井 |
どんなことを言ってたんですか? |
永田 |
なんかね、しょーもないことを、
ちょこちょこちょこちょこ言ってるんですよ。
「それはないな」とか、
「またずいぶん近所で飲んでたんだね」とか、
あげくに「アメ食べる?」とか、
「このアメの包み紙に
星がついてるとアタリだ」とか、
こっちは、ドラマを見てるんだっつーの! |
糸井 |
いや、永田くん、
そういう見方、ふつうよ、きっと? |
永田 |
そうなんですかねえ。
そうなんでしょうねえ。 |
西本 |
よくあんなんでドラマが見られますねえ。
ほんと、困ったもんですよ。そのくせ、
「あいつらはドラマがわかってない」とか、
そんなことばかり言ってますからね。
ぜんぜん、オレらのほうが
ドラマに入り込めてますよね。 |
永田 |
いや、あんたもあんただ! |
西本 |
なんですかなんですか。 |
永田 |
コマーシャルに入るたびに、
「ははぁ〜ん、わかった!」
って言うのやめてくれ! |
西本 |
こりゃまた失礼しました。 |
糸井 |
いや、永田くん、
そういう見方、ふつうよ、きっと? |
永田 |
そうなんですかねえ。
そうなんでしょうねえ。 |
糸井 |
そういうふうに見るものなのよ、ドラマって。
そんなに身を乗り出してみたらたいへんですよ。 |
永田 |
そうなんですかねえ。 |
西本 |
そうなんでしょうねえ。 |
糸井 |
ドラマはそういうふうにつくってあるのよ。
じゃないと映画つくる意味ないじゃない。 |
永田 |
でも、見る方としては
映画を見るように見ちゃいますよ。 |
西本 |
ぼくら、3人ともそうやって見てますね。 |
糸井 |
過剰なんだ、それは。
つまり、ヘルメットをかぶって
自動車に乗るようなことを
私たちはしてしまっているんですね。
こう、ごっついブーツも履いて。 |
永田 |
レーシンググローブまでつけて。 |
西本 |
ひざ当てもしてマウスピースもして。 |
糸井 |
そういうふうにはできてないんですよ。 |
永田 |
なるほど。でも、今日は、
しっかりたのしみましたよ。 |
西本 |
うんうん、正直、1回目より
ぜんぜん入り込めた。 |
永田 |
糸井さんはどうでした? |
糸井 |
述べましょう。 |
西本 |
拝聴しましょう。 |
糸井 |
第2回目の今回は、
男の視聴者をとりに行きましたね。 |
永田 |
ほうほうほう。 |
糸井 |
序盤とあって、お客さんが
どういう人かってことを調べてるんですよ。
たとえば、先週の1回目は
竹野内豊の男っぷりと、
宮崎美子さんの健気さで、
女性ファンのほうへ寄ったんです。つまり、
「おかみさんたち、いらっしゃ〜い!」
っていうことですよ。
あ、いまのところ、かっこつきで
「桂三枝ふうに」って書いといてね。 |
永田 |
いやですよ。 |
糸井 |
書いといてくれよ。
「いらっしゃ〜い!」
かっこして、「桂三枝ふうに」って。 |
永田 |
はいはいわかりました。
じゃあもいっかいお願いします。 |
糸井 |
「い・ら・っしゃ・ぁ・い!」
(桂三枝ふうに)。 |
西本 |
話を進めてもらえませんか。 |
糸井 |
んんと、なんだっけ? |
永田 |
第2回目は男性ファンがターゲットだと。 |
糸井 |
そうそうそう、そうなんです。
まずね、頭から、あの音楽が流れるでしょ? |
永田 |
『パルプフィクション』のテーマが。 |
糸井 |
そうそうそう。
ダンダカダンダカダンダカダンダカダー♪
(ギターリフを熱唱)。 |
永田 |
みゅるみゅるみゅるみゅるみーみーみー♪
(マンドリン奏法を再現) |
西本 |
ハッ! ハッ! ハッ!
(途中に入るかけ声を完コピ) |
糸井 |
‥‥と、いうふうに、男っぽく始まるわけだ。 |
永田 |
多少強引ですが、まあいいでしょう。 |
糸井 |
ちゃんと要素を挙げると、
まずは愛人を囲う金持ち社長。 |
西本 |
林隆三さん。 |
糸井 |
そう。あの人が、否定されず、
善人として描かれてますよね。
権力をもつ者が愛人を囲っている
という状況に対して
攻める視線をなくして描いている。
ここでふたつ目の
「男、いらっしゃ〜い!」 |
ふたり |
それはもういいです。 |
糸井 |
さらに、もうひとつ大きいのが
タバコの存在ですよ。 |
永田 |
あっ! |
西本 |
それはそうだわ。 |
糸井 |
今回、頭からずっとタバコタバコですからね。
このご時世に、めずらしいですよ。 |
西本 |
あれも意図的だと。 |
永田 |
なるほどなあ。 |
糸井 |
とどめに、囲碁ですよ! |
西本 |
うーん、そうか。 |
永田 |
しかも最後は‥‥。 |
糸井 |
そうです。天海さん演じる間宮が、
津川さんが悩んでるところへ
ピシッと碁石を打って
「私、二段なんです」って言うわけだ。 |
永田 |
つまりさまざまな男要素を散りばめつつ、
そのいちいちを否定せず、
むしろそこへ積極的に間宮を含ませる。 |
糸井 |
パルプフィクション、愛人、タバコ、囲碁。
そんななかで、「話せるやつ、間宮」
どうですか、そんな間宮を男はどう思いますか? |
西本 |
あの〜、ここで、
今日のぼくの感想を言っていいですか? |
糸井 |
どうぞどうぞ。 |
西本 |
いや、今日、ぼく、見事なまでに、
天海さんの主人公を好きになったんですよ。 |
ふたり |
(爆笑) |
西本 |
ワタクシ、今日、間宮を好きになりました! |
永田 |
糸井さんの言ってることが正しいとすると、
制作者の狙いどおりだ(笑)。 |
糸井 |
これはぼくの勘ですけどね、
間違ってたら申しわけないけど、
今回の脚本家は男じゃないですかね。 |
西本 |
ははぁ〜ん。 |
永田 |
読みますねえ。 |
糸井 |
ヘルメットかぶってますからね。 |
西本 |
異論なし、ですわ。 |
糸井 |
ただ、ついでに言うと、
今回、そういうことをやりたいがために、
浅くなった部分もあるんですよ。
それは「介護の本」と
「イラストレーター」という設定。
この二つを証拠物件のように取り上げたのは
まずいと思うんですよ。
つまりね、本を買って勉強するだとか、
イラストレーションを描けるなんてことは、
これから先あの人(林隆三)の
面倒を見るってこととは関係ないんですよ。
早い話が、あのおねえさんにまで、
男視線でエールを送っちゃったんですよ。 |
西本 |
たしかにホストクラブで
飲めないのに飲んでいるってあたりも
かなり男視線ですよね。 |
糸井 |
そうそう。ちょっとあのへんは、
「男きな粉」をまぶしすぎてる気がしましたね。
介護の資格をとって、あの人の面倒を見る。
アメリカにいってイラストレーションを学ぶ。
これがねえ、ちょっと食い足りないですね。 |
永田 |
わかります。
でも、そこ、ぼくは許せるんですよ。
なんというか、1時間で収めるなかで、
ドラマのファンタジーとしてオッケーなんです。 |
糸井 |
ああ、なるほどね。わかる、それも。 |
永田 |
飲み屋で偶然会ったりするのも
ファンタジーでオッケーです。
そういうのがあってこそドラマだと思うので。
ただ、許せないのが、
バッティングセンターのイラスト。
実際に打ってるときは左打席なのに、
イラストのなかでは右打席。 |
糸井 |
ああ、あれは気になった! |
永田 |
イラストレーターを志す左利きの女の子が、
バッティングセンターにいる
自分を描くときに、
自分を右利きにして描かないでしょう。
これ、重箱の隅をつつくような
意見じゃないと思うんです。
あの、まえにぼくらが話した、
「騙すんならちゃんと騙してくれよ」の
典型のような気がするんですよ。 |
糸井 |
うん。それは重箱の隅ではないです。
重要ですよ、あれは。 |
西本 |
なんだか今日の対談はキレがありますねえ。 |
永田 |
そういうあなたはどうなんですか。 |
糸井 |
またしゃべってませんよ。 |
西本 |
はい、きっちり言っておきましょう。
また「オレの店」が出てきました! |
糸井 |
わはははははは。 |
永田 |
それさあ、もう、罪だと思うなあ。 |
西本 |
天海さんの座ってる席、見ました?
「オレの席」の隣でしたよ!
つねに天海さんは
「オレの席」の隣に座るわけです。 |
永田 |
あのさあ、あそこ、いい場面なのに、
頭にあの写真がよぎっちゃって
台無しだったんだよ。
絶対、全国で何人も、あそこで
そうなったと思うなあ。 |
糸井 |
まずいですよねえ。 |
西本 |
10時45分になったらオレの出番ですよ!
ちゃんと今週もあの写真載せてくださいよ? |
永田 |
えええ? ほんとに? |
西本 |
全国のみなさんに憶えてもらいましょう。 |
|
永田 |
しかも、先週と違う写真を
わざわざ載せたりして。 |
西本 |
満足いたしました! |
糸井 |
それはそれとして、ぼくは今日、
ひとつ思いついたことがあるんです。 |
永田 |
ほう。 |
糸井 |
毎回、必ず、その回のドラマに関わる法律を
頭にバンと出したらいいと思うんですよね。
あの、オープニングのあたりに。
そしたら、見るほうは、
「この法律を間宮は
どう解釈していくんだろう?」
って思いながらドラマを見られると思うんです。
「こりゃこういう展開かな」とか。
「これは今回成り立たないな」とか。 |
西本 |
‥‥なんか、すごくいいこと言ってませんか。 |
永田 |
制作側の人が聞いたら
「最初の企画のときに言ってくれよ」
って言われそうですね。 |
糸井 |
あと、今後の展開としては、
津川雅彦さんがカギでしょうねえ。
要するに、津川さんをヨーダにしないと
ダメだと思うんですよ。 |
永田 |
わかります。 |
糸井 |
それがすごく重要になってきますよね。
精神的に全能な人間っていうのが
津川さんであるっていうように
もっていかないといけないとすると、
制作側はどんどん津川さんに
「大きな容量」みたいなものを
持たせなきゃいけないんですね。
違う言いかたをすると、
津川さんが小さく見えたら、
ドラマが小さくなってしまうでしょうね。 |
西本 |
ちょっと今回、
ちゃんとしゃべりすぎじゃないですか? |
糸井 |
え、そうかな? |
永田 |
そんなことは求めてないとか言われそう。 |
糸井 |
そんな気もしてきた。 |
西本 |
永田さん、ちょっと
くだらないこと言ってくださいよ。 |
永田 |
ええ〜っと、今回は
角砂糖をドボドボ入れましたね。
前回は梅干しをドボドボ入れましたから、
毎回何かをドボドボ入れていくシーンが
あるんじゃないかと思います。 |
糸井 |
くだらないなあ。 |
西本 |
安心しました。 |
永田 |
と、まあ、いろいろ言ってきましたが。 |
西本 |
今回は断然おもしろかった。 |
永田 |
ですね、ですね。 |
糸井 |
贔屓のチームが無惨に負けた直後なのに
(巨人3ー5横浜:桑田力投報われず)
それを忘れて前のめりに見ましたからね。 |
永田 |
そういった感じで、今日はこのへんで‥‥。 |
糸井 |
ひとつ、お知らせがあります。
じつはさっきメールが届いたんです。
じゃじゃじゃーん。
「今日はいかがでしたか?
毎日元気にがんばっております」
天海さんからでした! |
西本 |
おおおっ! |
永田 |
ありがとうございます!
来週もがんばりましょう! |
西本 |
‥‥いや、そこですわ。 |
糸井 |
ん? |
西本 |
来週の木曜日は休日ですよ。
ゴールデンウィークに入ります。
弊社もお休みです。 |
永田 |
えええっ?! |
糸井 |
じゃ、どうするんです? |
西本 |
少なくとも、
ぼくは福岡の実家にいます! |
糸井 |
どうする? |
永田 |
どうなる! |