永田 |
お疲れさまでした! |
西本 |
10話目を見終わりました! |
糸井 |
などという挨拶はさておき。 |
永田 |
そうです、ぼくらはいま──。 |
西本 |
北海道にいます!! |
糸井 |
あ〜〜あぁ〜あああああぁ〜〜♪ |
永田 |
あ〜〜ああぁ〜ああああああ〜♪ |
西本 |
あ〜あ〜あああああ〜あああああああ〜♪ |
糸井 |
‥‥‥‥。 |
永田 |
‥‥‥‥。 |
西本 |
‥‥‥‥。 |
さんにん |
ららぁららららぁぁぁ〜〜〜♪ |
永田 |
いい加減にしましょうよ。
フロントに通報されますよ。 |
糸井 |
ぼくらがなぜ北海道にいるのかを
説明したほうがいいんじゃないですか? |
西本 |
それでは今回の段取りを担当した私から。
ええと、本日の昼間、
『野球 その素晴らしき世界』という
番組の収録を、栗山英樹さんが
個人的につくった野球場、
「栗の樹ファーム」
というところで行ったんです。 |
永田 |
「栗の樹ファーム」は
北海道の栗山町にあるんです。
丘の上にある天然芝の小さな野球場です。 |
糸井 |
最高でしたね。 |
ふたり |
最っ高でした! |
糸井 |
それはいいけどね、
あなたたちはたのしみすぎですよ。 |
ふたり |
どういうことですか。 |
糸井 |
前半の収録が終わって食事休憩に入った瞬間、
あなたたちは、どうしました? |
永田 |
メシも食わずにキャッチボールを始めました! |
西本 |
係の人から「ご飯を食べてください」と
やんわり怒られました! |
糸井 |
上司として恥ずかしかったですよ。 |
永田 |
そういう糸井さんも、収録が終わって
カメラも止まっているのに
栗山さんをつかまえて
キャッチボールのコツを
訊いてたじゃないですか。 |
西本 |
しかも、暗くなってきてるのに、
「忘れないうちにもうちょっとやっとこう」
とか言ってずっとキャッチボールしてたし。 |
糸井 |
キャッチボールはいい! |
永田 |
そしてぼくらは素敵なおみやげを
栗山さんからいただきましたよ。 |
西本 |
そうです! 「栗の樹ファーム」特製、
ペースボールキャップ! |
糸井 |
こちらです! |
|
永田 |
栗山さんによると、帽子の「D」マークは、
「ドリーム」の「D」と、
「ジョー・ディマジオ」の「D」だと
いうことですが──。 |
西本 |
我々はこの帽子を勝手に
「ほぼ日テレビガイド男子部」の
公式帽子とさせていただきます!
なぜなら──。 |
糸井 |
帽子の「D」マークは、
「男子部」の「D」! |
永田 |
「DANSHIBU」! |
西本 |
「DANSHIBU」! |
糸井 |
よしっ! 記念撮影だ! |
「カシャッ!」 |
「カシャッ!」 |
「カシャッ!」 |
永田 |
‥‥いい加減、ドラマの話をしましょう。 |
西本 |
‥‥いいオトナが夜中に何やってるんですか。 |
糸井 |
‥‥ちょっとテンションを上げすぎましたね。 |
永田 |
さあ、今日はいよいよ10話目です。
つまり、次回が最終回。 |
西本 |
開始以来、初の「次回へ続く!」
というパターンでしたね。 |
永田 |
つまり今回だけでは完結しなかったんですが、
いかがでしたか? |
糸井 |
ぼくは「あり」ですよ。 |
永田 |
同感です。最後のエピソードなんだから、
じっくりじっくりたのしみたいと思います。 |
西本 |
ストーリーもけっこう骨太でしたね。
来週がたのしみです。 |
糸井 |
今回、ぼくは「敵」の存在が
きっちり描かれていたのがよかったと思います。
ちょっと怖さを感じるくらいでしたからね。 |
永田 |
まさにぼくもそう思いました。
これまで「敵」という存在が薄かったがゆえに
うまく感情移入できない部分がありましたから。
今回は、「間宮がんばれ!」って
すごく素直に思えました。 |
糸井 |
西岡徳馬さんがよかったですね。
じんわりと、怖かった。
やっぱり「怖い」っていうのは重要なんですよ。
もっと怖くてもうれしいくらいですよね。
命の危険を感じる、くらいの
怖さがあってもいいと思う。
鈴木紗理奈さんが自分の家に帰ると
「ちょっとだけ物が動いている」とかね。
「ちょっと」が怖いんですよ。 |
永田 |
不自然な交通事故が鈴木紗理奈さんの
身のまわりで起こったり‥‥。 |
西本 |
工場で棚の整理をしていたら
棚が倒れてきたり‥‥。 |
糸井 |
自宅のドアの横に立ってる
鉄仮面の西洋ヨロイが突然、
どわーっ! って動き出したりとか。 |
永田 |
ぜんぜん「ちょっと」じゃないですよ。 |
西本 |
だいたい西洋ヨロイがなんで
鈴木紗理奈の家にあるんですか。 |
糸井 |
鉄仮面の目がピカリと光って、
廊下で大時計が「ボーン!」と鳴るとか。
‥‥あんま怖くないか。 |
永田 |
ていうかドラマのジャンルが変わってますよ。 |
西本 |
そういや、今回、ノーコメディーでしたね。
あえていえば、面接のところとかに
コメディータッチはあったけど、
ほとんどシリアスな感じでした。 |
糸井 |
そのせいかどうかわかりませんが、
心なしか、役者さんたちが
やりやすそうに見えましたよ。
「私がいま何を表現したらいいのか」
っていうのがものすごく効果的に出てましたね。
今日、とくによかったのが、
最後のほうの会議室のシーン。
西岡さんが間宮に
「オレに勝てると思ってるのか?」
っていうようなことを言って、
間宮が「自慢なの?」って返したあと、
陣内さんがなんともいえない表情を見せる。 |
ふたり |
あの場面はよかった! |
糸井 |
それぞれのキャラクターが
来週へ続いていく道が
ピカーっと見えたような気がしましたね。 |
永田 |
ぼくは、間宮がめずらしく怒りをあらわにして
書類をぐしゃぐしゃにするシーンが
よかったです。 |
西本 |
あっ、あそこはしびれましたね。
ぐっとドラマが締まった気がしました。 |
糸井 |
今日の間宮はほんとによかったですね。
陣内さんが間宮に向かって、
「おまえはプロフェッショナルだろ?」って
突き詰めるところなんか味がありましたよ。
要するに、
「おまえはおれと同じ世界に住んでるだろ?」
って問いかけるんだけど、
じつは間宮はすでに変わってるんですよね。
これまでの9話では、間宮は、ずううっと、
渉外弁護士っていうのにこだわってたのに、
今回、はじめて「変わった間宮」が
はっきりと現れましたから。 |
永田 |
あそこで悩まなかったっていうのが
潔くてよかったですよね。
これまでのパターンだと、
「渉外弁護士にこだわるべきか‥‥」みたいに
もやもやするところなんだけど。 |
西本 |
決意を感じましたね。 |
糸井 |
いま気づいたんだけど、今回、
事実で物語が進んでいくんですよね。
偶然で転がる要素がひとつもないです。
たまたま写真にとっていたとか、
たまたまこんな証拠があったとか、
そういうのがないから揺るぎがない。
事実っていうのは動かせないんだよ、
っていうところから
物語が立てられてましたよね。 |
西本 |
そうですね。これまでって、
ちょっとお客さんのことを
気にしすぎてたような気がするんですよ。
女性層へのアピールとか、
テンポとか、ファッションとか。
ところが今回はお客さんを気にせずに
ドーンと事実だけで見せましたよね。
そのへんが気持ちよかったです。 |
糸井 |
あと、岡田眞澄の社長役はよかったですね! |
永田 |
よかったですよね! |
西本 |
ハマってましたねー! |
永田 |
なんかもう、CGみたいでしたね。 |
糸井 |
「CG」(笑)。 |
西本 |
あの社長役はよかったですよ。
また、演出としてうまいなと思うのは、
セクハラしたような場面やセリフが
一切なかったところですね。 |
永田 |
あ、そうだね。
要するに、セクハラしたのかどうなのかが
事実としては、ギリギリまだわからない。 |
西本 |
そうなんですよ。いいキャラです。 |
糸井 |
岡田さんのキャラクターに比べると、
西岡徳馬さんの役どころは、
もっともっと敵役として
強くてもいいかもしれませんね。
「トイレが男女共通なんですね?」と
女性への偏見を指摘されたとき、
「それがどうしたんです」
と無神経に怒るんじゃなく、
もっと静かなウソで、
切り抜けてほしかったですね。
法律家として、とにかく悪くて有能、
というような
たいへんな相手として描いたほうが、
大きくてコワイ。 |
永田 |
最終回にふさわしい敵として。 |
糸井 |
そうそうそう。
1話で終わるキャラクターだったら、
ぜんぜん問題ないんだけど、
2話にまたがる敵としては、
もーーーっと、イヤなやつでもいい。
あとは、あれだな、
気になったところとしては、
サスペンダーの男の引き抜かれ方が
ちょっと引っかかったかな。 |
西本 |
サスペンダー刑事(デカ)ですね! |
永田 |
こらこら、その呼び名、
佐々木蔵之介ファンの人から
「やめてあげてください」と
やんわりお願いされたんだから。 |
西本 |
ダメですか、サスペンダー刑事。 |
永田 |
だいたい「刑事」じゃないから!
「弁護士」だから! |
西本 |
僕らなりの愛称なんですけどね。 |
糸井 |
でもまあ、そんなところですかね。
総合的に今回はよかったと思います。 |
西本 |
そうですね。事務所の今後と、
大企業を敵に回しての大きな仕事、
最後に向けて盛り上がってきましたね。 |
永田 |
あの、ラストへの大きな展開、
ぼくもとてもいいと思うんですけど、
ひとつだけ、残念というか、
気になるところがあるんですけど。 |
糸井 |
なんですか。 |
永田 |
この事件って、
「離婚」じゃないんですよ。 |
糸井 |
うわぁ! |
西本 |
またあんた、すごいところに触るなあ。 |
永田 |
これじゃ『セクハラ弁護士』ですよ。 |
糸井 |
『セクハラ刑事』! |
永田 |
だから、「刑事」じゃないってば!
「弁護士」「弁護士」! |
西本 |
でも、『セクハラ弁護士』だと
弁護士がセクハラしてるみたい
じゃないですか。 |
永田 |
あ、そうか。 |
糸井 |
あっ、じゃあ、こういう展開はどうだ。
最終回で、間宮がポツリと告白する。
「じつは私、離婚してたの」 |
西本 |
「離婚してた弁護士」だから、
『離婚弁護士』なんだ! |
糸井 |
いいアイデアだろう? |
永田 |
‥‥なにがなんだか。 |