永田 |
第29回を見終わりました! |
西本 |
お疲れさまでした! |
糸井 |
じゃあ、また軽いところからいきますか。 |
永田 |
ああ、そうですね。
今回はまた重い話でしたし。 |
西本 |
そういうことであれば、
日曜日の話からはじめるべきでしょう。 |
糸井 |
いいですね。 |
西本 |
じつはぼくら、
いま観たのは2回目なんですよね。
我々は、先日の日曜日、
「ハイビジョンで『新選組!』を観よう」
ということで、一度集まって観てるんです。 |
永田 |
そうです、そうです。
で、場所はどこでしたか? |
西本 |
都内某所にある、男子部部長宅です。
大画面プラズマディスプレーのある、
上司宅です。社長宅です。 |
糸井 |
まあ、つまり、オレんちだな。 |
永田 |
手ぶらでうかがいましてすいません。 |
西本 |
ヨメまで連れていきましてすいません。 |
糸井 |
こちらこそ、おかまいもしませんで。 |
永田 |
いやいやなにをおっしゃいますやら。
|
西本 |
もともとは糸井さんから
突然出された企画でしたけど、
我々はそれに飛びつきまして。 |
永田 |
まさに慌てて馳せ参じたと。 |
西本 |
ぼくは仕事の打ち合わせだったんですが、
時間を繰り上げてもらいました。
ちなみにこの仕事とは
本日、7月30日金曜日18:30より
池袋西武コミュニティーカレッジから
ほぼ日でもインターネット生中継をする
「永江朗、糸井重里 体験的コトバ論」
のことであります。
男子部部長こと糸井重里が
2時間みっちり話すトークイベントです。
ぜひとも、ごらんください。 |
糸井 |
あいかわらず宣伝上手ですね。 |
永田 |
ちなみにぼくは親戚の集まりを抜けて
うかがいました。
クニコおばさん、すいません。 |
糸井 |
「クニコおばさん」(笑)。 |
永田 |
いや、これがね、説明が難しくてね、
「どうしても仕事で」って言うと、
「なんなの?」ってことになるじゃないですか。
ま、たしかに仕事ですけどね、そうはいっても、
「ドラマ観に行くんです」とは
言えないじゃないですか。 |
西本 |
親戚には伝えにくい話ですね。
ぼくは、違った意味で苦労しましたよ。先方に
「ちょっと時間をずらしたいんですけど」
って言ったら、「『新選組!』ですか?」って。 |
糸井 |
バレてる(笑)。 |
永田 |
まあ、とにかくおもしろい経験でした。 |
糸井 |
ハイビジョンはどうでしたか? |
西本 |
大画面のキレイさもさることながら、
サラウンドの音がよかったですねえ。
ジョン・健・ヌッツオの、
声の張りが違いましたよ! |
糸井 |
いいでしょう? |
永田 |
ぼくの感想としてはですね、
ま、こんなこと言うのも、
いやらしい話ですけどね、
プラズマディスプレーよりなにより、
糸井さんちがキレイだってことですよ。 |
糸井 |
あちゃあ(笑)。 |
永田 |
広くてムダなものがなくて感じよくて、
そりゃプラズマも映えるわな、っていう。 |
西本 |
いい環境でしたねー。 |
永田 |
いい環境でしたよー。
うちじゃあんなでかい画面
無理だっつーの。 |
糸井 |
なんでちょっと怒ってるんですか。 |
永田 |
これは、失礼しました。 |
西本 |
まあ、そんなこんなでハイビジョンで
『新選組!』を観て、そのあと
みんなで餃子を食べに行ったんですが、
そこで、『新選組!』の話は‥‥。 |
さんにん |
一切なし! |
永田 |
つまり、「『新選組!』の話は、なしな」
っていうことで、我慢して。 |
西本 |
まさに、奥歯に「誠」がはさまったまま。 |
糸井 |
うまいこと言いますね(笑)。 |
西本 |
それで今日、あらためてまた
3人で『新選組!』を観たと。 |
糸井 |
でも、どうですかね、それ。
同じメンバーでドラマを
2回も続けて観ているっていうのは。 |
永田 |
はっきり言って、異常です。
ある意味、アホみたいです。 |
西本 |
ええ、一般サラリーマンの世界では
ひじょうにおかしいことです。 |
糸井 |
集まって1回観て、
感想はしゃべらないでおいて、
もう1回観たところで
あらためてしゃべりはじめる、と。 |
西本 |
それを録音して起こして
編集して記事にする、と。 |
永田 |
こんな仕事、クニコおばさんに
説明できるかっつーの。 |
糸井 |
しかしまあ、デジタル放送を観て、
そのあとの放送も観て、ある意味、
我々は味わいつくしているということですね。 |
永田 |
ええ。テレビ消費者の鏡ではないでしょうか。 |
糸井 |
NHKの人も喜びますよ。
さらに言えばNHKの集金人でさえも
喜ばせるようなことですよね。 |
西本 |
まさに、まさに。
ついでにぼくはここで宣言しておきます。
NHKの集金の人!
いままで受信料払ってなかったけど、
『新選組!』に払うつもりで
これから払うことに決めました。
そろそろ、とりに来てください! |
永田 |
勝手なこと言うなよ。 |
西本 |
そして、「新選組シール」みたいなものが
あったらください! |
糸井 |
それはぼくにもください! |
永田 |
そんなシールありません。
払ってるけど、もらったことないです。 |
西本 |
あ、払ってるんだ? |
永田 |
うちはねえ、取り立ての達人が来るんですよ。
それでついつい毎回払っちゃうんです。 |
糸井 |
え、どんな人なんですか。 |
永田 |
めちゃめちゃ弱いんです。
「ピンポーン」って鳴って、
「どなた?」って出ると、インターホンから、
「‥‥ぇ、NHKですけどぉぉぉ‥‥」
って、すっごく弱々しい声がするんです。
泣きそうな声なんです。
それで、払っちゃうんです。 |
西本 |
あ、それは払っちゃうわ。
うまいね、それ。 |
糸井 |
しっかし、
『新選組!』の話にいかないですね! |
西本 |
ずいぶん、いかないですね! |
永田 |
‥‥これは例の傾向じゃないですか。
内容について話しづらいと
枕が延々と続くという。 |
西本 |
ここはひとつ、糸井さん! |
永田 |
お願いします! 切り込み隊長! |
糸井 |
社長に切り込み隊長をやらせる気か。 |
永田 |
だって、池田屋に切り込んだのは
近藤勇だったじゃないですか! |
西本 |
「局長」! |
永田 |
「しげちゃん、うしろだ」! |
糸井 |
やかましい。 |
ふたり |
お願いします。 |
糸井 |
わかりました。
今回、ぼくがいちばん感じたのは、
「幕府は終わってるんだな」ってことです。
それがはっきりわかる回でしたね。 |
永田 |
ほうほう、なるほど。 |
糸井 |
つまりね、天王山という場所に、
山口県代表のみなさんがだよ、
軍服着て武器を持って立てこもって、
そこから実際に戦いをしかけているわけですよ。
そんなことが行えちゃえるような
時代だっていうことです。
ようするにもう、抑えがきかなくなっている。
いわば、ある県代表の人が
クーデターをしかけているわけですよね。
まあ、負けたとはいえ街に火もつけられてて。
つまり、もはや京都の治安は
たいへんなことになってるわけです。
幕府も見回り組なんてものを、
いちおうは派遣してますけど、
所詮、付け焼き刃なんですよね。
その、混乱しているムードを、
捨助を狂言回しにしながら表現したわけですよね。
だから、まあ、重い話ですよ。
これからどんどん希望がなくなるぞ、
っていうことですよね。 |
西本 |
それは感じました。
あの、佐久間象山先生が斬られましたよね。
演出でおもしろく見せてはいるんだけど、
あんなことが白昼堂々と行われていることが
ぼくは、ちょっとショックでした。 |
永田 |
隠密、潜伏、暗殺、
っていう感じじゃないんだよね。
それにかぎらず、
今回はすべてが白昼堂々でしたね。 |
糸井 |
先週も言ったけど、もう、
あと4年で明治維新なんだよね。
ほんと、終わりに向かってる感じがしてね、
切なかったですよね。 |
西本 |
新選組の屯所での風景も、
これまでとは雰囲気が変わってましたね。
今までは木刀をもって
コントみたいな練習が行われていたんですけど
今回は刃のついた槍でつくという
実戦よりの稽古になってましたからね。
また、実戦と関係なさそうな勘定方まで
やらされているあたりがつらい。 |
糸井 |
ヘルタースケルターなんですよ。
だけど、町人の人たちは、
落ち武者をかくまってるような人たちは別として、
昨日と同じ暮らしをしているわけですよね。
捨助なんかは大騒ぎしていろんな場所にいるけど
あいつは根本的になにも変わってないからね。 |
永田 |
今回の主役でしたね。
今後どんどん話がそっちに進むほど
捨助の存在だとか、視点が
重要になっていくんでしょうね。 |
西本 |
桂小五郎が
「京都の様子を詳しく教えてくれ」
という役割を捨助に与えたのも、
今後、ドラマ上での狂言回しの役を
担わせるためですよね。 |
糸井 |
混乱のなかの、視点としてね。
このあとはめまぐるしいはずですからね。
だって、いま薩摩は
長州を討つ側にいるじゃないですか。
新選組と西郷隆盛がつるんでますからね。
ところが、いずれは薩長になるわけですよ。
だから、どっちに向かっているのかが
誰にもわかってないわけですよね。
早い話が、みんなが言っているのは
「オレの時代が来る」ってことで、
それ以外は言ってないんですよ。
「オレの時代ってどんな時代?」っていう
図面を書ける人がまったくいない。
佐久間象山先生が
「心に誠があれば通じるのじゃ」って
言っているだけで誰もわかってないんです。 |
永田 |
佐久間象山先生がほかの人より
ひとつ上にいるっていうのは
そこだけなんですよね。
「ほんとうのことは誰にもわからん!」
っていうことを、
わかっているのがあの人しかいない。 |
糸井 |
そこだけです。その象山もいなくなったいま、
まったく前の見えない人たちが
斬り合いをしてるんですよ。
それは、イヤですよねえ。 |
永田 |
だって、全員が「正義」ですからね。 |
糸井 |
自分ではね。
「オレが天下をとれば」とか、
「オレがあいつを憎らしい」とかね。
もう、ヘゲモニー争いでしかないんですよね。 |
永田 |
へげもにー? |
西本 |
え? なにモニーですか? |
糸井 |
「ヘゲモニー」がわかりませんか。 |
西本 |
知ってます? |
永田 |
知らん。 |
糸井 |
主導権だよ。主導権争い。 |
永田 |
だったら「主導権争い」って
言えばいいじゃないですか。 |
西本 |
そうですよ。 |
糸井 |
バッカだなあ。こういう細かいとこで
ちょっとでも格を上げとくんだよ。
親戚にもうまく説明できないような
バカな企画やってるんだから。 |
永田 |
あ、なるほど。 |
西本 |
いっそ「ヘゲモニー」の
Tシャツをつくっちゃうのはどうですかね。 |
糸井 |
カタカナで、「ヘゲモニー」! |
永田 |
挨拶として流行らせるのはどうですか。 |
糸井 |
「よぉ、ヘゲモニー!」つって。 |
永田 |
「どうも、ヘゲモニー!」 |
西本 |
「先日はヘゲモニーでした!」 |
糸井 |
こんなこと話してていいんですか。 |
永田 |
ドラマの話に戻りましょう。 |
西本 |
ええと、時代が混沌としていて、
どんどん重くなっていくね、と。 |
糸井 |
うん。だから、爽快感なんていうものは
どんどんなくなっていきますよね。
それは、ドラマつくるほうとしては、
たいへんでしょうねえ。
たのしさをどう保証していくのか
ってことになるから。
でも、観るほうは、
真剣になって観てますよね。 |
西本 |
ええ。真剣です。
日曜日に観たあとは、家に帰ってからも
ちょっと空気が重かったくらいです。
ぼくもヨメも、無口でした。 |
永田 |
でも、それが幕末ですからね。 |
糸井 |
あの、単純に個人的な好奇心ですけど、
幕末好きの人っているじゃないですか。
そういう人たちは、ああいうのを観ても
重い気持ちにはならないんですかね。
ちょっと訊いてみたいですね。
どういうふうにたのしむのかってことを。 |
永田 |
ああ、ぼくら3人とも、
幕末好きっていうか、
歴史が好きで詳しかったりって
わけじゃないですからね。 |
西本 |
ええ。そこは、
かいかぶらないでほしいって気持ちがあります。
ぼくなんかは、まあ、
「日本史は選択してましたけど」
っていうレベルですよ。 |
永田 |
ていうか、たんに、
「『風雲児たち』はおもしろいよね!」
っていうくらいのところが
ぼくらの等身大ですから。 |
糸井 |
あ、そういえば、
あの佐久間象山の最後の描かれかたは
みなもと太郎先生の影響を
受けているような気がしましたねえ。
ま、実際はどうだか知りませんけど。
最後、笑ったじゃないですか、石坂さんが。
あれ、『風雲児たち』っていうか、
みなもとマンガですよねえ。 |
永田 |
「かわは、『さんぼんがわ』のかわか?
それとも、『さんずい』のかわか?」 |
糸井 |
あれ、よかったよねー。 |
ふたり |
よかったですねえ! |
西本 |
じつは、ぼくと糸井さんは、
あの場面を、石坂さんから
直接聞いて知ってたんですよ。
「この前、こういう撮影をしたんだ」って。 |
永田 |
あ、そうだったんですか。 |
糸井 |
石坂さん本人も、あの演出は
すごくおもしろがってたよね。 |
西本 |
ええ。 |
糸井 |
このところさあ、
捨助にも会ったし、坂本竜馬にも会ったし、
『新選組!』づいてるよな。 |
西本 |
ほんとですねえ。『トリビア』では
武田観柳斎にも会いますし。 |
糸井 |
あ、照英も会ってるよ!
えらいことですね。
おれたち幕末にいるようなもんだね。 |
永田 |
そんなわけないでしょう。 |
西本 |
そういえば、香取くんにも
先日会ったばかりじゃないですか。 |
糸井 |
おおっ、近藤勇にもね!
あとはキョンキョンとかね! |
永田 |
キョンキョンは関係ないでしょう。 |
糸井 |
じゃあ、「キャシャーンの母」とかね! |
西本 |
日曜日、いらっしゃいましたね、
「キャシャーンの母」! |
永田 |
あっ、あれ、すげえびっくりしましたよ。
「キャシャーンの母」はいないから、
って糸井さんから聞いてたのに、
「ピンポーン」って押したら、
「はぁーい」って「キャシャーンの母」が! |
糸井 |
「キャシャーンの母」は
予定より早く帰ってきたんだよ。 |
永田 |
それを言ったらうちの妻が
うらやましがるうらやましがる。
「糸井さんち行ったら樋口さんが」
‥‥じゃなくって、
「キャシャーンの母がいてさあ」って話したら
「うっそー!」って。 |
糸井 |
「キャシャーンの母」は、どうも、
そういうふうにありがたがられますねえ。
それはちょっとどうかと思いますよ。
みんな、値打ちをつけすぎますよ。
「糸井さんがいてさ」ってことでも、
もっとうらやましがれよ! |
永田 |
あはははははは。 |
西本 |
うちのヨメもそうとう緊張してましたよ。 |
永田 |
やっぱ、緊張感が違うよね。 |
糸井 |
それがどうかと思うんだよ。
もっとオレで緊張しろよ! |
永田 |
糸井事務所に入ったことで
友だちにうらやましがられるのが、
「生クサカベ」を聴けたことと、
「キャシャーンの母」に
お茶を出してもらったことですから。 |
西本 |
あ、それは効くわ! |
糸井 |
お茶出しただけじゃないか!
みんな、ありがたがりすぎなんだよ。
「着物が似合う人」だって、
もっとほかにたくさんいるだろう。
なぁ〜にが、「透明感」だ! |
ふたり |
(爆笑&拍手) |
糸井 |
‥‥どうも今日は脱線しがちですが。 |
西本 |
あ、ひとつ言わせてください。
久坂玄瑞の演技には
ぼくは引き込まれましたよ。 |
糸井 |
あ、そうですか。 |
永田 |
例によって知らないんですが、
あの人は、有名な人なんですか? |
西本 |
池内博之さんという方なんですけど、
失礼ながら、いままでは
チャラチャラしてる、いい男、
くらいの印象しかなかったんです。
いや、なめてました。よかったです。 |
糸井 |
あなたは、そういう、
チャラチャラした人が本気みせることに
弱いですよね。 |
西本 |
ええ。そういうのが好きなんです。
元木が思わずヘッドスライディングする、
みたいなことに弱いんです。 |
永田 |
いえてる、この人。 |
糸井 |
っていうことは、
ふだん、あえてチャラチャラしておいて、
ヘッドスライディングしてみせたら
西本さんに好かれるっていうことですか。 |
永田 |
対西本さん対策としてはそのようになりますが、
この人、そういうふうに
「計算して行動している人」をかぎ分ける能力は
すっごく高いんですよ。 |
西本 |
そうそうそうそう。 |
糸井 |
「そうそうそう」って(笑)。 |
永田 |
「あのヘッドスライディングはポーズですわ」
みたいなことを言い当てるんですよね。
なんなら、チャラチャラしてる人を見るだけで
「こいつ、どっかでヘッドスライディング
してみせるつもりなんですよ」
くらいのことを言いますからね。
それがまた、当たってたりするんですけど。 |
糸井 |
感じわるいね。 |
永田 |
感じわるいですよ。 |
西本 |
そんなぼくが心を動かされたんだから、
池内さんはほんものですよ! |
糸井 |
なるほど。ええと、永田くんは今回、
ドラマに対する発言が少ないですね。 |
永田 |
うーん、あの、ここまでが、
「池田屋事件」に向かって
すごいテンションで来ましたから、
ちょっと、早足だったというか、
あえてそういう回にしたのかな、
という印象がありました。
ここ数回、狭い場所、短い時間を
すごい濃さで描いてたじゃないですか。
チャンバラひとつにも肉体性があって。
今回はその、規模が大きかったですから。 |
糸井 |
どっちかというと、肉体性よりは
セリフの展開でみせる回だったね。 |
永田 |
そうなんですよ。
だから、よかったのは石黒賢さん。
肉体の動きがなくても、
セリフとか表情とかアップとか、
いわゆるお芝居のくくりで
しっかり見せてくれる人は
安定してて、よさが発揮されたというか。
今回は石黒さん、すごいよかったと思いました。 |
西本 |
糸井さんは、ドラマ自体はどうでしたか。 |
糸井 |
今回は、捨助の描きかたですねえ。
見事な狂言回しっぷりでしたよ。
あの、重要な場面の縁の下にいても、
観てる側は、ふつうに受け入れちゃうでしょ?
あれって、そうとうたいへんなことですよ。 |
西本 |
「ここ、どこぉ〜?」「蛤御門かぁ」
なんていうやり取りがあったりして。 |
永田 |
オッケーなんですよねえ、あれが。
「説明的」みたいに感じなかった。
あれって、見事なサービスですよね。 |
糸井 |
我々3人の傾向として、
ああいうドラマのフィクション性は
決してイヤではないんですよね。 |
永田 |
ええ。一貫してさえいればいいです。
とくにぼくは、ああいうところは好きです。
これ、また聞きかじった知識で恐縮ですけど、
捨助は、史実では京都にいないらしいですね。
いったん京都まで来たんだけど
多摩に追い帰されてしまったっていう、
それだけの人だったみたいです。 |
糸井 |
つまり、捨助の存在には
三谷さんのフィクションが
込められてるってことですね。 |
永田 |
ええ。今後がたのしみです。 |
糸井 |
あと、聞きかじったといえば、
読者のかたからメールで
いいことを教えてもらいましたよね。
あの寺田屋の鼻血の場面は、
ずっとまえの回で、
沖田総司のお姉さん、つまり
沢口靖子さんが同じことをやって、
斎藤一をかくまったという。 |
永田 |
ああ、読みました読みました。
2月くらいに放送された回だったとか。
ありがたい報告でした。 |
西本 |
最初から観てた人は、
伏線が活きてニヤリとするところなんですね。
情報、ありがとうございます! |
永田 |
あの場面は、久々に近藤勇の
人間味のあるところが見られてよかったです。
あそこだけ「話のわかる近藤」でしたから。 |
糸井 |
よかったですよね。
ニヤっと笑ってね。 |
西本 |
あの宿は、きっとまた出てくるんですよね。
なにしろ、寺田屋ですから。 |
糸井 |
完全に伏線ですよね。
お登勢さんの顔見せ、という感じで。 |
西本 |
『ガンダム』のマチルダさんの声の人ですよね。 |
永田 |
あ、そうなんですか。 |
西本 |
ええ。戸田恵子さんです。 |
糸井 |
なんですか? |
永田 |
『ガンダム』のネタです。
あなたは『ガンダム』とか『タッチ』とか、
ときどき、らしくないネタを持ち出しますね。 |
西本 |
意外性を狙ってますが、
効果はいまひとつです。 |
糸井 |
それはさておき、
戸田恵子さんっていう人は、
歌も歌うし声優もするし芝居もするし。
すごいね。万能だね。 |
西本 |
このまえ、テレビで
『六本木心中』を熱唱してましたよ。 |
糸井 |
やっぱ万能じゃん。 |
西本 |
万能です、万能です。 |
糸井 |
いや、驚きました。 |
永田 |
戦火のなかの、
はしのえみさんはどうでしたか。
なかなかキレイだったと思うんですが。 |
西本 |
いや、永田さん、
あれは逆光マジックですよ。 |
永田 |
「逆光マジック」!
そんなマジックがありましたか。 |
糸井 |
まあ、それだけ効果的だったってことだね。 |
西本 |
そうですね。 |
永田 |
あの場面でいうと、
ちょっとまえのところの
左之助の行動が気になったんですよ。
まさちゃんを助けに行くのはいいんだけど、
それをああやって近藤に進言するのは
どうかなあ、と思って。 |
糸井 |
あ、それは思った。 |
永田 |
新選組分裂への暗示かなあとも思いましたが、
それにしてもな、って。
たとえば、まさちゃんが気になって、
つい、隊列を離れて走り出してしまった、
とかなら納得できるんですけど。 |
糸井 |
うん、あそこだけは
ちょっと首をかしげたね。
あれだと、左之助がほんとうに
バカみたいになっちゃうからね。
とはいえ、まあ、そんなところは、
些細なことで、全体としては
混乱のなか、いよいよ幕府が危うい感じで、
これからがたのしみでもあり、
ツラそうでもあり‥‥。 |
西本 |
また、来週の予告がヤバそうでしたよ。 |
永田 |
「第30回 永倉新八、反乱」! |
糸井 |
いやぁ〜、もう、
タイトル聞くだけで切ないよねえ‥‥。 |
西本 |
切ないッスねえ。 |
永田 |
ぐっさんは、っていうか永倉新八は、
いなくなってほしくないなあ。 |
糸井 |
いてほしいよねえ。 |
西本 |
切ないッスねえ。 |
永田 |
そういや、あの、27時間テレビの
「カマ騒ぎ」、観ましたよね? |
糸井 |
とうっぜんじゃないですか! |
西本 |
最高でしたね! |
糸井 |
最高でした。 |
永田 |
最高でした、が、それはおいといて、
あそこで、ぐっさんが
オカマのメイクしてたでしょ?
そこで我ながら驚いたのが、
「永倉新八なのに!」って思った(笑)。 |
西本 |
のめり込みすぎ(笑)。 |
永田 |
いやあ、自分のなかで、
ぐっさんはいま
永倉新八なんだなあって痛感しました。 |
糸井 |
なんにでも欲情する永倉新八(笑)。 |
西本 |
料理番組観ながら
「興奮してきましたわァ」
って言う永倉新八(笑)。 |
永田 |
来週、どうなっちゃうんだろう。 |
糸井 |
あと、別の番組の話が出たついでで
言っておくと、月曜9時の
『東京湾景』っていうドラマが
なかなかよかったですよ。
石坂さんが出てるんで観てみたんですけど、
わりと、おすすめです。 |
西本 |
あ、そうですか。気になってたんです。 |
永田 |
ついでの話に便乗すると、
日曜日の夜中にドキュメントで、
「三菱自動車のリコール隠し」を
やってたんですけど‥‥。 |
糸井 |
ああ、観た観た観た! |
西本 |
すっごいおもしろかったですよね。 |
永田 |
えっ、ふたりとも観てたんですか。 |
西本 |
ちょうど昼間に
糸井さんとその話、してたんですよ。 |
糸井 |
あれはすごかったよねえ。
ドキュメンタリーなんだけど、ドラマ仕立て。
ああいうのはもっと観たいねえ。 |
永田 |
そっか、みんな観てたんだ。
ま、そういう報告をしようと思って
言っただけなんですけど。 |
西本 |
基本は『テレビガイド』ですから、
そういう情報も入れ込んでいきましょう。 |
糸井 |
うん。ここのところ、
あまりにも『新選組!』が濃かったんで
ぼくらも突っ走りましたけど、
基本はいつものように
ゆるゆる行きましょう。 |
永田 |
そうですね。 |
西本 |
てなわけで。 |
糸井 |
それじゃあ、また来週!
ヘゲモニー! |
ふたり |
ヘゲモニー! |