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第5回「抑えの効かない性分」 |
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ぼくは、自分の目の前にあったものに、
すぐ反応しちゃうんですよね。
「あ、これ俺できない」とか、
そういうものを目の前で見ちゃうと、
それに対してなにか反応するんですよね。
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たとえば、ぼく、体を鍛えてて。
あの、ものっすごい鍛えてて(笑)。
『新選組!』の前の舞台、
『レ・ミゼラブル』っていう
ミュージカルからなんですけど。
稽古場の端に、
なぜかベンチプレスが置いてあったんですよ。
それをやり始めたら、
なんか止まんなくなっちゃって(笑)。
それで、最終的には、友だちに
「耕史、お前やめたほうがいいよ」
って言われたんです。
ぼく、その舞台のあとにジムに入ったんですね。
そこで、ちょうどトレーニングしたあとの、
上半身裸で、筋肉がパンプアップしてるところに
友だちが来たんですよ。
そしたら彼がぼくを見て、
恐ろしいものを見たような目をして
「耕史、もうやめたほうがいい。
ちょっとアンバランスになってる」って(笑)。
そのくらい、もう、わかんなくなってるんですよ、
自分がどの程度なのか。
なんかもう、すごい体になってたみたいで(笑)。
筋肉に体が侵されてるっていうことを言われて。
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やっぱりそういう意味では、
ぼくは、なにかをやり始めると、
すごくストイックになるんですよね。
さぼってる人には怒りたくなるんですよ。
やっぱり、がんばってないより
がんばってるほうがいいでしょ、っていう。
ただ、バランスよくがんばればいいのに、
ぼくはがんばりすぎるんですよね、きっと。
しかも、ぼくは、陰でがんばるから、
途中で誰も止められないんですよね(笑)。
「いや、やってないやってない」
って言いながらやってるんですよ、ぼくは。
それで気がついたときには
引き返せないところに来ちゃってる。
それは、楽器も、芝居のセリフ覚えも同じですね。
そうですね。いっぱいそういうことありますね。 |
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