HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN
LIFEのBOOK ほぼ日手帳 2015 特別企画 21人の「Life is…」
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藤野英人さんさんののLife is…

LIFE is ベンチャー。

藤野英人さんさんプロフィール

LIFE is ジャーニー。
最初にすーっと、うかんだ言葉です。
ぼくの仕事は旅がつきもの。
国内外問わず、出張が多いんです。
朝、ベッドのうえで目を覚まして、
「いま自分はどこにいるんだろう」
「あ、今日は仙台か」
「あれ、広島だったっけ?」。
そんなふうに思うことが、けっこうあります。
一方、ぼくがたずさわる投資信託という仕事は、
「航海のような旅」だとも思っています。
お客さまのお金を集めてあずかり、船にのせます。
そして、仲間である乗組員たちとともに、
おのおのが目指す目的地へと、だいじに安全に運んでいく。
まさしく、毎日がジャーニーなんです。
でもふと、この言葉が頭をよぎりました。

LIFE is アドベンチャー。
突きつめると、ぼくの仕事は「冒険の旅」だよなあと。
ロールプレイングゲームにたとえると、
最終的な目的を達成するために、あらゆる敵と戦い、
経験値をあげていくような仕事なんですね。
そこにはかならず、ドラマがつきもので、
友情はあるし、愛もある。
もちろん危険もあって、ときには裏切りもあります。
ぼくはずっとずっと、
そんな冒険のような旅をしてきました。
…ん? まてよ。
さらにひらめきました。
ためしに、アドベンチャーの「アド」を取ってみようか。
LIFE is ベンチャー。

しっくりきました。
ベンチャーには、
「冒険的事業」などといった名詞のほかに、動詞もあって、
「あえて踏み出す」「あえて闘う」という意味になります。
この世に生まれて、何もないところから成長し、
進学も就職も結婚もすべて、自分自身で選択していく。
そこにはかならず、リスクがつきものであり、
リスクのない人生はおもしろくないとも感じます。
だから人生は、
「あえて踏み出してみる」の連続なんだと、
ぼくは思うのです。

LIFE is ベンチャー。
まさしくベンチャー企業で働き、
毎日、挑戦し続けている、
いまのぼくを象る言葉なんだとも思います。

*2014年8月15日時点

矢野顕子さんのLife is…

LIFE is おのれを知る、ってゆーかね。

矢野顕子さんプロフィール

「自分はどんな人間であるか」っていうことを知らないと
他の人とほんとうにうまくやっていくことや
人をほんとうに愛することや
ほんとうに愛されることも
難しいですよね。

わたしもそうなのですが、
自分のことを知ってるつもりだったり、
自分のことは自分がよく知ってるって
あれ、うそ、ですよね。

歳をかさねてきてからも
自分について「えっ!」って驚くことが
日々ありますし、
人との付き合いを通して
自分を知ることも多々あります。

だから、一生涯をかけて
「自分を知る」ことになるんじゃないかな。

*2014年8月17日時点

荒井良二さんのLife is…

LIFE is 「待ってるもん」

荒井良二さんプロフィール

今年、大分県の港に
門の形をしたオブジェをつくりました。

港って、「行ってきます」と
「おかえりなさい」が聞こえてくる場所であり、
人の願いやいろんな気持ちが行き交う場所であり、
さまざまな文化が入ってくる場所ですよね。
そんな港に立って海を見ていると、
なにかを待っている人々の存在が浮かんできたんです。

待っているのは人かもしれないし、
物かもしれないし、
希望のようなものかもしれない。
それは人それぞれだけど、なにかを待つ門だから
「マッテルモン」と名づけました。

なんだか駄洒落みたいで
笑われちゃうかもしれないけど、
「待ってるもん」と言っている人からは
「誰かの意思に関係なく、わたしはこうします」という
とても強い決意を感じるんです。

港だけにかぎらず、ふだんの生活でも同じです。
電車やバスを待っていたり、
誰かを待っていたり、
吉報を待っていたり、
願いが叶うのを待っていたり、
自分のなかからわきあがる思いを待っていたり....。

人はいつだって自らの意思でなにかを待っている、
一人一人が港のような存在なんだと思います。

*2014年8月16日時点

鈴木尚広さんのLife is…

LIFE is プロセス

鈴木尚広さんプロフィール

何ごとも、成果や結果を出すためには
過程が大切だと思うんです。
「プロセス」を大事にすることによって
結果が変わってきます。

プロ野球は年間144試合あります。
野球は「確率のスポーツ」なので
ひとつひとつの結果に一喜一憂できないですし、
自分もしないようにしています。
重要なのは、いかに確率をあげていくか。
そのためには、ただ「やっている」だけではダメなんです。
結果はいいときも悪いときもあります。
そのとき「プロセス」があると
きちんと振り返ることができるんです。

試合がある日は、
だいたい試合開始の7時間前、
11時ぐらいに球場入りしています。
「球場に来る時間が早いね」って言われますけど、
早く来たくて来ているわけじゃないんです。
やるべきことを逆算して、
この時間から、ああしてこうして、ってやっていると
おのずとその時間になるんです。
一連の動作(ルーティーン)は変わりません。
正規の練習の前に、今日の状態を確かめます。
日々、感じ方は違うのですが、
淡々と同じことをこなしていると、
変化に気づきやすくなります。

試合がはじまってからは、展開にもよりますが、
早ければ3回、4回ぐらいから準備をはじめています。
確率をあげるためには、
フィジカルの準備はもちろんですが、
自分の出番がどんなふうにやってくるか、
状況を前もってシミュレーションすることが重要です。
このイニングは、誰が先頭バッターで、点差がどうか。
長年、原監督のもとでプレイさせてもらっているので
だいたい出場するタイミングもわかってます。
こうなったら、来るなと、
先を読んだ準備をしておくんです。
そういうこともすべて「プロセス」に含まれているんです。
代走の場合、試合に出場する時間は、
準備する時間に比べれば圧倒的に短いです。
ただ大きな役割を与えていただいているので
悔いを残したくないんです。

長くプロ野球選手としてプレイするためには、
考え方も、体も、すべてが集約して、
結果が生まれてきます。
いま、36歳で、選手として経験値はあがりました。
ただ、これからは肉体的な変化もありますし、
気をつけて「プロセス」を大事にしながら、
自分を客観的に見て行きたいなと思います。

*2014年8月12日時点

石川直樹さんのLife is…

LIFE is 驚き続けること。

石川直樹さんプロフィール

正確には、驚き続けたいんです、死ぬまでずっと。
見たことのない世界に出合って
驚き続けたいというきもちが、
いつのころからか、人一倍つよい。
世界でいちばん高い頂のとんがりや、
祈りを唱えながら寺のまわりを一日中
ぐるぐる歩いているチベットのひとたち、
アフリカの真っ赤な夕日を見たときも、
からだが自然に反応して、
気がついたらシャッターを押していました。
「驚き」があるからこそ、なのです。

ものごとを知っているつもりになっているひとは、
驚くことが少なくなります。
だから、知っているつもりにはなりたくはない。
写真家としての人生をまっとうしたいから、
凝り固まらず、ぼく自身もつねに変化して、
「驚き続けること」をたいせつにしていきたい。

だからこそ、ぼくはこれからもきっと
あたらしい何かをさがして
“世界を見に行く”のだと思います。

*2014年8月19日時点

(つづきます)
2014-11-06-THU

藤野英人さんプロフィール

1966年富山県生まれ。
早稲田大学卒業後、野村證券株式会社、
JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー、
ゴールドマン・サックス系の資産運用会社を経て、
2003年にレオス・キャピタルワークス株式会社を創業。
取締役・最高運用責任者(CIO)として、
成長する日本株に投資をする「ひふみ投信」を運用し、
高い成績を上げ続けている。
『投資家が「お金」よりも大切にしていること』
『「起業」の歩き方』など、著書多数。

「ほぼ日」の、藤野英人さんが登場するコンテンツ
どうして投資をするんだろう?

とじる

矢野顕子さんプロフィール

青山学院高等部在学中よりジャズクラブ等で演奏、
1972年頃よりティンパン・アレイ系の
セッションメンバーとして活動を始める。
76年にアルバム「JAPANESE GIRL」でデビュー以来、
YMOとの共演、
「出前コンサート」で見せるピアノ弾き語りなど
ジャンルを超えた音楽活動を続けてきた。
2014年3月には
SPEEDSTAR RECORDS移籍第一弾アルバム
「飛ばしていくよ」発表、
新世代のミュージシャン達とコラボし、
一か所に留まらない活躍をしている。
2014年12月、恒例の「さとがえる」コンサートでは、
TIN PANとの共演を発表。

「ほぼ日」の、矢野顕子さんが登場するコンテンツ
どうぶつの話を、矢野さんと。
矢野顕子の音楽の稽古場
矢野顕子さんの「やの屋」
ほか、多数。

とじる

荒井良二さんプロフィール

1956年、山形県生まれ。日本大学藝術学部美術学科卒業。
絵本作家、イラストレーター。
小説の装画や広告、アニメーションなどでも幅広く活躍中。
2014年9月には
「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2014」の
芸術監督も務めた。
2015年版のほぼ日手帳カバー
「ここをくぐると、願いが音になるんだそうです。」
荒井さんが描いた作品をプリントして製作している。

「ほぼ日」の、荒井良二さんが登場するコンテンツ
荒井良二さんがつくる門(もん)
荒井良二さんと糸井重里はいろいろ似ていた。
ほか。

とじる

鈴木尚広さんプロフィール

読売巨人軍プロ野球選手。
福島県相馬市出身。
相馬高校より1997年ドラフト4位で入団。
球界トップレベルの走力を持ち、
そのスピードでファンを魅了。
一度も規定打席に到達せずに
200盗塁以上を達成している唯一の選手であり、
代走で盗塁を成功させた数は100を超える。
今シーズンは好走塁で貴重な点を上げ、
試合終了時に、
チームの勝利に大きく貢献した選手が呼ばれる
ヒーローインタビューを4回受けている。
(2014年8月25日時点)
走塁時につけているオレンジ色の特注グローブがシンボル。

とじる

石川直樹さんプロフィール

写真家。1977生まれ。
東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。
2001年、南極大陸最高峰ヴィソン・マシフ山や
チベットのチョモランマなど、
七大陸最高峰の登頂を世界最年少(当時)で達成。
人類学や民俗学に関心をもち、
旅をテーマに作品を発表し続けている。
『最後の冒険家』で開高健ノンフィクション賞を受賞。
『いま生きているという冒険』
『世界を見に行く。 = To see the world』など著作多数。
ヒマラヤの山頂から撮影した写真集シリーズ、
『Lhotse』(ローツェ)『Qomolangma』(チョモランマ)
『Manaslu』(マナスル)『Makalu』(マカルー)がある。
最新の写真集は『国東半島』『髪』。
12月21日まで、岩手県大船渡市立博物館にて
写真展『まれびと』開催中。

「ほぼ日」の、石川直樹 さんが登場するコンテンツ
世界を見に行く。
ぼくらの写真を見てほしい
北極を撮った石川直樹さんと上野公園を撮る。
ほか。

とじる